階段にパレット

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591167991

作品紹介・あらすじ

子どもも、大人も、どなたでも、絵を描きにきて下さい――。
イラストレーターの実弥子は、下町の路地に佇む古い民家を借りて、小さな絵画教室を始める。ひっそりと開いた教室だったが、類まれな絵の才能を持つ少年とその母親、長いつきあいの編集者、近所の小学校に通う子どもたち、隣人の母娘など、さまざまな人たちが訪れるようになっていく。
画家だった夫の突然の死を受けとめきれずにいた実弥子だったが、絵を教え、ともに描くことによって、少しずつ生きる力を取り戻していく……路地の片隅で紡がれる人の営み、絵を通したやわらかなつながり、静かな時間が丁寧に描かれていく。
坪田譲治文学賞受賞作家がおくる、やさしい再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • <2/5(土)開講>文学における「短さ」とは。都甲幸治氏&東直子氏特別対談―凝縮されているからこその豊かさと難しさについて【NHKカルチャー】|株式会社エヌエイチケイ文化センターのプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000185.000071793.html

    「階段にパレット」東直子 2021-107 - moon
    https://blog.goo.ne.jp/moon_u/e/24e173043ee9c7e1d47b0c680883be57

    【階段にパレット】東直子 | takakoの読書日記(*˘︶˘*).。.:*♡
    https://ameblo.jp/trk2018/entry-12683674679.html

    階段にパレット| 一般書| 小説・文芸| 本を探す|ポプラ社
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008305.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      5552さん
      ありぁ、、、ご存知じゃなかったです。。。
      最近、フォローしてくださる方が多いのは、その所為だったのかな?

      猫は読んで...
      5552さん
      ありぁ、、、ご存知じゃなかったです。。。
      最近、フォローしてくださる方が多いのは、その所為だったのかな?

      猫は読んでる時間より、探している時間が多いから、褒められたモノじゃないですけどねぇ。。。

      5552さん教えてくださって有難うございます。
      2022/01/28
    • 5552さん
      猫丸さん

      フォロワーさんが増えたそうで、見てる人は見てるんですね。
      猫丸さんの「読みたい」リストは、幅が広くて、数も多くて参考になり...
      猫丸さん

      フォロワーさんが増えたそうで、見てる人は見てるんですね。
      猫丸さんの「読みたい」リストは、幅が広くて、数も多くて参考になります。

      読みたい本を探すのって愉しいですよね。
      私も、ブクログ内読みたいリストがすごいことになってます。
      一生かかっても読みきれない量をストックしているのは一体何欲と言うべきか…
      2022/01/29
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      5552さん
      月末の所為かネットへ繋がり難くて、、、返事が遅くなりました。
      此れを書いたら本日のネット接続は終了。。。

      猫がアレも...
      5552さん
      月末の所為かネットへ繋がり難くて、、、返事が遅くなりました。
      此れを書いたら本日のネット接続は終了。。。

      猫がアレもコレもと読みたくなるのは、欲張り浮気性だから?
      中途半端な現実逃避だと、理不尽な世の中に反旗を翻しそうになるから、それを封印するため??
      或いは、、、、

      5552さんのは知識欲でしょう!
      2022/01/31
  • こんな絵画教室が近所にあったら良かった、としみじみ思う。
    蔦のからまる古い一軒家に開かれた絵画教室"アトリエ・キーチ"。
    近所に住む小学生から大人までが集まり、一緒になって絵を描く。感性の赴くまま、無になって集中して。
    自分の内面に眠っているものを、目の前にある真っ白な画用紙の上に、思い思いに表現する。

    見えている色や形は人によってそれぞれ違う。
    空の青さも葉っぱの色も、果物の形も羽の質感も。
    自分が受け止めている色や形を、絵に表現することにより相手に伝える。互いの内側にあるものを周囲の人達と共感し合う。それはなんて素晴らしいことだろう。

    自分の頭の中で生まれた世界、言葉ではなかなか表現できないものが、絵になって外の世界へ広がっていく。こういう自分の気持ちを言葉や形に変えることは大人でも難しい。子供なら尚更そうだろう。
    言葉数の少ない子供の気持ちも、絵を描くことで周囲の大人がもっと受け止められるといいのに。
    そのためには大人も想像力を鍛えないといけない、と自戒を込めて思った。

  • 優しいお話。

  • 優しさが溢れ出てきて、自分まで優しい気持ちになれる。
    こんなステキな先生の元で、絵を教わってみたいなぁ。自己肯定感あがりそう。

  • アトリエに集まる人々は年齢も立場も様々ながら、弾むような会話で展開していくところが気持ちいい。主人公の配慮が行き届いているのがわかる。自身の苦しい過去を抱えつつ、すべての人を受け入れる度量の広さに、心が温まる。

  • 登場人物が皆楽しそうに絵を描くから、
    いったいどんな絵を描いているのか、
    思わず想像してしまう。

    上手く描くことより、自由に描く。

    大人も子どもも関係なし。

    そうやって、いつの間にか心のしこりが消えていて、
    すべての人が優しくなっている。

  • 絵を習うのって楽しそうだな。
    水墨画の小説を読んだ時も思ったが、「絵が描けたなら。思いのすべてをキャンパスに乗せ」られたら、
    なんて楽しい時間なんだろう。
    そして、辛い時寂しい時も、絵を描くことで、心が救われることがあるのだろう。
    物語を読んでいる間には、まるで自分が絵を描けるかのように、頭のキャンパスに次々にカラフルでステキな絵が描かれていく。楽しい時間です。
    あー、本当に絵が描けたなら♪
    ・・・ピアノは少し弾けます。少しです。

    一人は寂しい。
    二人でも家族だった人がいなくなるのは寂しい。
    家族を作れなかった自分は歯がゆい。
    東日本大震災の時もそうだったが、コロナの今も、一人は寂しい、と感じている人は多い。
    けれども、色々な事情から、一人で生活している人は多い。
    そんな時に、実弥子のような人がいてくれたら、どんなに救われることか。
    現実世界では、なかなか、会ったばかりの他人同士がこんな風には難しいだろうが、、いや他人だからこそできることもあるのかな、、、
    そんな家の1階がアトリエで週に2回の絵画教室に子供や大人が集まる空間だったら、本当に素敵。

    ルイが、これからも母親や実弥子、登美子や真由子に見守られながら、ずっと絵が好きでいて、それが強みになって、楽しい人生を歩めることを祈っている。

  • 蔦の絡まった古い家,新しく生まれ変わったアトリエ,そして始まる絵画教室から生まれる人との出会いと作品,あふれでる思いに癒されていく.心の中を大切に育てていくような再生と成長の物語.お絵描きの様子が生き生きとしておやつも含めて行ってみたいです.

  • やさしい物語が読みたいと思って、冒頭読んでこれはきっとそうと感じて読み始めた本。期待通りのあたたかな物語だった。

  • 長い間借り手のつかなかった古民家を改装して始められた絵画教室。
    大人も子どもも一緒に絵を描き、心を通わす空間ができていく。
    作者が歌人ということもあり、言葉が美しく、情景が瑞々しく浮かんでくるようだった。

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著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東直子の作品

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