- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591166383
作品紹介・あらすじ
太郎は異父きょうだいの姉・さくらの結婚式に出るため、久しぶりに故郷に帰った。平凡ながら温かい結婚式、無事に終わるかと思ったところに「珍客」があらわれ、ちょっとした騒動に。小さな漁港の街・静岡由比と、東京のアパートを行き来しながら繰り広げられるこの物語は、離れて暮らす家族の物語だ。かつていちばん身近にいた人は、あの時なにを思っていたのか……。それぞれの新たな旅立ちを描く、胸熱くなる青春小説。
目次
六月 太郎、結婚式に出る
七月 太郎、カノジョの親と会う
八月 太郎、人と住む
九月 太郎、漁港で海を見る
十月 太郎、故郷の皆と飲む
感想・レビュー・書評
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「夜の側に立つ」に続いて小野寺作品7作目、読んでいてやっぱり落ち着く。会話のテンポ、語り口が何とも心地良い。
静岡県由比町で育った太郎、今は東京(千葉だけどね)で一人暮らしをしている。職場の先輩に押し切られて草野球チームでプレーしたりする良い人ぶりは、お約束どおり。そんな彼が大いなる決断をあっという間にしちゃうところが、いつもと違う展開でヒヤヒヤさせられるけど、そこは小野寺ワールド、安心して読めちゃう。
自信を持ってお勧めできる小説。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
野口さんを住まわせてしまったときはどうなるかと心配になっていたので、2年で2万で皆で笑えるまでになって本当によかった。居酒屋でのところとかちょっと辛いとこもあったけど、野球もうまいし、素直に受けるとこや、自分でちゃんとやっちゃう強引さみたいなとこもあるしで、野口さんもやるね!
丸太郎というあだ名もよいと思います。 -
異父姉弟の太郎とさくら。キャラの濃い野口さん。太郎がいい感じでした。
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最初は不穏な雰囲気でどうなるかと思ったけど、最後はほっこり。さらっと読めた
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再読。
著者の作品に通して言えるのは、主人公が情緒の安定した穏やかな男子であるということ。
そのために誤解されることも無くはないけれど、とても魅力的だなと毎回思います。
今回の太郎。
家族思いで、人にも優しい。
でもそれを前面に出すことがないので、押し付けがましいところは皆無。
こんな子いいなー。
太郎のお父さんだから当然かもしれないですが、春夫さんもいいですね。お姉ちゃんの夫も素敵。
みんないい人ばかり。
野口さんと丸山家はいい距離感でいられるだろうなと思わされる終わり方が良かったです。 -
いいねえ、太郎とさくら。テンポがいい。語呂もいい。花子もでた。でも、太郎と花子にはならない。惜しいっと思いつつ、世の中予想通りにならないし、誰でも知っているような展開ってあるようでない。やるなぁ小野寺。暫定1位だな
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太郎は鈍感なところがいい所だと思う。
小野寺さんが書く本はみんな主人公が良い奴。私は血の繋がらない姉の父を結婚式場で追いかけたりしないし、そいつを1万でアパートに住まわせたりしない。そういう類の優しさのエッセンスを私は持っていなかったけど、小野寺作品を読むことで得ることが出来る。太郎のような選択をするかどうかは分からないけど、選択肢が増えると思う。 -
読後感すっきり。
太郎の日頃の行いが積み重なって報われてほしいです。 -
いつもの密葉市ではないけど、ほんわかしたイイ話だった。
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サクっと読める小説。
太郎の人柄も良い。