コンビニたそがれ堂 猫たちの星座 (ポプラ文庫ピュアフル む 1-18)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591162354

作品紹介・あらすじ

本当にほしいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。人生の終幕に差し掛かった周太郎さんが、街の人たちに幸せを贈る「サンタクロースの昇天」、取り壊しの決まった雑居ビルで占い師をしている女性が来し方をふりかえる「勇者のメロディ」など、他者の幸福を願って生きた人たちの顛末を描く。各話に「猫」が登場、機知にとんだユーモアで包みながら、生きることの意味を温かく伝える大人気シリーズ第8弾!

感想・レビュー・書評

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  • さりげなくおすすめコーナーに並べておくと、
    小学生にも人気のシリーズ。
    装丁が可愛くて、語り口が優しいので安心しておすすめできます。もとは児童書だったとのことなのですが、ぜひ児童書版でも出して欲しいなあ…。

    「探しているものが何でも見つかる」コンビニをめぐる、短編集です。ああ、人って、やさしいなあ。と思わせるお話を書いてくれます。

    猫をメインにしたシリーズ8作目。
    作者さん、猫推しですね?と思ったらあとがきで納得。
    クリスマスシーズンの本だったので、
    季節外れのタイミングで読んでしまった。

  • 2020年100冊目!
    作者さんの言葉を借りると、末広がりのシリーズ8作目。
    疲れた時には癒される、このシリーズも残り2冊。
    今作は猫を中心とした比較的長めのお話が2編。前後に麦わら猫のエピソード付き。
    いつも作者さんには、ほっこりさせられ、時には涙し、読み終わった後には心が温まるような感じにさせられるシリーズだが、作者さん自身もあとがきに書いているように、今回の2作はどちらも少し悲しいお話。
    疲れた心には少し重く、今回は星少な目で…

  • 猫たちがやさしい。猫たちと共に暮らす人たちもやさしい。そして ねここさん ありがとう

    子供のころ飼っていた猫が年老いてふといなくなり、兄弟で探し回ってよく遊んでいた空き地で見つけたけれど、その後息をしなくなったことを思い出した。

    長女が先生からもらって来た猫がちょっと大きくなって、外に出したまま仕事から帰って「にゃーこ!」と呼んだら庭の木からザザーッと降りてきて飛び付いてきたこともあったなぁ

    石塚夢見さんの猫の漫画「またね!」もいいですよ (^^♪

  • シリーズ第8弾。

    「いらっしゃいませ、お客さま 
     さあ なにを お探しですか?」
    今回は、まるっと猫さんのお話です。
    化け猫になりたい子猫に、ねここが聞かせた猫語り。

    ・しっぽの短い麦わら猫は その1
    ・サンタクロースの昇天
    ・勇者のメロディ
    ・しっぽの短い麦わら猫は その2

    今回は、泣けます。
    優しさと温もりで胸がいっぱいになって泣けます。

    今作を一言でまとめるのなら
    「世界には、優しい奇跡が満ちているんだねぇ」
    でしょうか・・・(〃▽〃)ポッ

  • このシリーズ、クリスマスが多いな。シリーズ当初はお別れの場面が多い印象だったけど、最近その要素はちょっと減ったかなと思っていた。が、今回も危うい人しかり、師匠の下へ行く人しかり。まるっと猫が登場するのは村山さんらしい視点。自分で猫と一緒に暮らすことは考えられないけれど、こういうお話で読むだけでもほっこりする。

  • 今回もまた猫とねここが中心の優しいお話たち。命のお話はこんなに綺麗な事ばかりではないので、オバサンとしてはそこかしこが痒くなるような変な感じにもなりましたが、若い人達にはこれくらい優しく美しいお話をまずは読んでもらいたい。

  • 【収録作品】しっぽの短い麦わら猫は その1/サンタクロースの昇天/勇者のメロディ/しっぽの短い麦わら猫は その2
     周太郎さんのまねごとがしたくなる。ささやかな生活を送るための希望と勇気をもらえる小説。

  • 初めてここに感想を書くので、こんな感じでいいのか分かりませんが……。
    かなり長々と書いてあります。
    そして、ほとんどがネタバレです。

    コンビニたそがれ堂シリーズは4年前くらいから読んでいて、猫たちの星座もとても楽しみにしていました。
    ……やはり、素敵なお話でした。
    読めて良かったと、そう思いました。

    「サンタクロースの昇天」
    『サンタクロース活動』がとても楽しそうで、私もやってみたくなりました。そして、プレゼントを贈った相手の笑顔が見られたら、きっと幸せな気持ちになれるだろうな、とも思いました。
    周太郎さんが魂の緒を引いて空を飛ぶところもとても気持ち良さそうで、読んでいて楽しくて。ある意味危険ではあるけれど、やってみたいと思ってしまったり。雪を降らせるのもやってみたくて。「サンタクロースの昇天」には「やってみたい」ばかりが詰まっていました。
    そして「サンタクロースの昇天」で一番心に残ったのは、病院のシーンでした。
    周太郎はとてもお人好しで、とっても優しくて。
    もし私だったら、お守りをあのお母さんに渡せたのでしょうか……。
    ラスト、ねここからのプレゼントには思わずクスリと笑ってしまいました。

    「勇者のメロディ」
    単純な毎日の繰り返しでも、その中に幸せがあるのだな、と思ったお話でした。
    まさかユリエさんは「とっても美味しいおでん」と「熱いコーヒー」が「心の底から欲しい」と思ったからコンビニたそがれ堂にたどり着けたなんて。思わず笑ってしまいました。
    そして、おでんを食べてお酒を飲みながら、ねこことおしゃべりするなんて羨ましい。私もおでん食べてコーヒーを飲みながらねこことお話ししたい……。
    そして次のお客様へのおまけのプレゼントもやってみたいな、と思いました。
    「勇者のメロディ」で一番印象に残ったのはその後。
    地震が起こった後にユリエさんが占いのお客様を他の店の店員に押し付けて叫ぶシーンです。
    どうしても、頭の中にその場面が、読んで思い浮かべた光景が離れないのでした。
    応援してくれるかのように「勇者のメロディ」が流れたとはいえ、やはり勇気のいることだったのではないでしょうか。
    今頃ユリエさんは、先代の占い師と一緒に積もりに積もった話をしているのでしょうか。コンビニたそがれ堂でおでんを食べた、なんて話をしているのかもしれません。

    「しっぽの短い麦わら猫は」
    読んで思ったのは——こんなこと書いたら他の方に怒られるかしら、とも一瞬思ったのですが——「桜風堂ものがたりみたいだな」でした。
    私の中で桜風堂ものがたりは一言で言うと「ひとの手で紡ぐ奇跡の物語」です。
    そして私の中で「しっぽの短い麦わら猫は」は、一言で言うと「猫が紡ぐ魔法の物語」でした。
    ……と考えると、『桜風堂ものがたり』に似ていると思ったのでした。たとえねここが千春に遠い未来を、その妖の力で見せたとしても。
    「その1」で、千春が大好きな家族を守りたいから化け猫になりたい、幸せだからこそ家族を幸せにしたいと願ったのを見て、本当に千春は家族が大好きなのだと、そう感じました。でも、ねここの「妖怪は人間とは一緒に暮らせないから」という台詞で、何故かはっとさせられたような、そんな思いになりました。でも、千春はその瞬間、もっと……はっとさせられるのを通り越して、心を切り裂かれるような、そんな思いだっただろうな……と思ったりもして。
    「その2」ではねここが千春に未来を見せていましたが、まさにその未来を見て、「これは猫が紡ぐ魔法の物語だ」と思ったのでした。
    ねここの、大好きなみんなが幸せでありますようにと祈ってあげなさい、その方が化け猫になるよりみんなを幸せにできる、という言葉がとても印象的でした。
    きっと自身が化け猫であるから、そしてかつてまだ猫だった頃、そして今も、家族のことを想い続けているからこそ言える言葉なのかもしれない、と。

    最近風早三郎さんにあまり会っていない気がするのだけ、ちょっと寂しいです。

  • もう8冊目、、、何冊目迄読んだかな?

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    本当にほしいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。人生の終幕に差し掛かった周太郎さんが、街の人たちに幸せを贈る「サンタクロースの昇天」、取り壊しの決まった雑居ビルで占い師をしている女性が来し方をふりかえる「勇者のメロディ」など、他者の幸福を願って生きた人たちの顛末を描く。各話に「猫」が登場、機知にとんだユーモアで包みながら、生きることの意味を温かく伝える大人気シリーズ第8弾!
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8111270.html

  • コンビニたそがれ堂第八弾。人生の終わりに差し掛かった周太郎さんの、街の人にそっと優しくする話素敵だった。自分のことはさておき、他人に優しい、そんな心に余裕がある人々で溢れる世の中であってほしい。「サンタクロースの昇天」街の占い師ユリエさんのひらめきでたくさんの人々が助かった「勇者のメロディ」短編二話とも猫が出てきた。ほんとにイエネコというのは人が喜んでいるとともに喜び、落ち込んでいるとそばに寄り添い慰めてくれるかわいい生き物だ。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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