ことばハンター (ポプラ社ノンフィクション)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591160725

作品紹介・あらすじ

国語辞典編纂者である飯間浩明先生は、人呼んで「ことばハンター」。国語辞典に載せるべき新しい日本語を求めて毎日街に繰り出しています。「やばい」も「ガチ」も「ハンパない」も実は全部、国語辞典に載っているんです。こうしたことばはどのように辞書に掲載されるのでしょうか?現代日本語を追いかけて奮闘する国語辞典編纂者のちょっと変わった日常を描いた“お仕事ノンフィクション”です。

<著者情報>
飯間 浩明(いいま・ひろあき)
1967年香川県高松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院博士課程単位取得。『三省堂国語辞典』編集委員をつとめる。
国語辞典編纂者として、ことばの説明を書くため、活字や放送、インターネット、さらには街の中から“生きたことば”を採集する毎日。人呼んで「ことばハンター」。
著書に『辞書を編む』『小説の言葉尻をとらえてみた』(以上光文社刊)などがある。アニメ版『舟を編む』の監修を担当。現在、『毎日小学生新聞』にて「日本語どんぶらこ」を連載中。

<目次>
プロローグ ことばが好きで、しかたがない!
第1章 ワードハンティングに出かけよう
第2章 国語辞典を作る人になりたい
第3章 ことばの説明ってどう書くの?
第4章 みんなに信頼される相談相手

感想・レビュー・書評

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  • ポプラ社ノンフィクション ジュニア版シリーズから。


    『三省堂国語辞典』、略して『三国(さんこく)』の編集をしている著者が、児童にも分かりやすく「国語辞典を作ってどういうこと」を伝える。

    辞書には、新しい言葉を載せたり、元々辞書に載っているが現代では意味が変わったものの書き換えを行ったりする。
    そこで辞典を作る人達は、常に辞書に載せるための言葉を探す「ワードハンティング」をするのだ。本やテレビから得るものもあれば、町にでて自分の足で探すこともあり、これはなかなか楽しそう。学校の自由研究でも使えそうですね。

    例えば「天麩羅・天婦羅」は辞典に載っているが、メニューで書かれた「天扶良」(変換できなかった!)も載せた方がいいのかな?同じ公園の立て札で「ハトに餌を『あげないで』『やらないで』『与えないで』」って数種類混合しているんだけど、それぞれのニュアンスの違いはなんだろう?(←とても面白いんだけどさ、流石に同じ公園の立て札だったら統一させないんだろうか^^; 私は仕事の案内文章やお便りでは「言葉は統一しましょう」ってチェックされるので気をつけるようにしてるんだが^^;)

    載せる(修正する)言葉は決まった、しかしそれを説明する文章はどのようにしよう?現在でもたくさんの辞書・辞典が出ているが、同じ用語でも本によって説明文は違う。これは辞典の特徴によるので「編集会議」などで決めたり、先輩の文章を参考にしたりする。
    著者が、説明文章を悩む章には笑ってしまいました。「ライター」という言葉を一言で説明するには?他の辞典を引いたり、ライターを買って分解してみたり(読者は真似しちゃダメよ笑)、説明文を書いては書き直しを繰り返し…、結局徹夜してできた説明はこちら。
    「ライター:タバコの火をつける器具」 
     …ꉂꉂ(๑˃▽˂๑)…発火石だとか電子だとか、理由はどうでも良くてとにかく「火をつける」って、徹夜してたどり着いたこの一文!
    これね、気持ちはわかるんですよ。私も児童向け案内文章で「SDGSとは何か」「葉っぱは何故紅葉するのか」などを子供に分かる言葉で2行で書くために1時間はかかりますから( ˙◊˙ ;)

    現在ではインターネットが発達して、紙であろうと電子であろうと辞典で調べることが少なくなったという事実がある。しかしインターネットにはない辞典の良さもある。インターネットだと誰が書いているのか分からず信憑性に欠けたり、学問的すぎると大変長く難しいこともある。そこで著者は学問的はさておき、「日常で知りたい範囲だったら三国で調べてね」ということを心がけて簡素な文章にしているのだそうだ。

    そして辞書に載せる言葉は時代により変わる。「ヤバい」が悪い意味から良い意味に変わったような言葉の変化もあるし、「パねえ」のような新しい言葉が定着することもあるし、「普通に良い」という日本語の教科書に載っているのとは違うニュアンスを説明する必要も出てくる。
    言葉として間違っているように思えるが、しかし言葉というのは理由があり生まれるものだ。「普通に良い」が定着したのは、その言葉でないと表せない事象があるのだからそれを辞典に載せたい。

    そんなこんなで言葉ハンターである著者。「言葉ハンター」というのは、言葉って面白いんだ、その面白さをみなさんに知ってもらいたい!という言葉好きな人のことなんです。

  • 面白かったー!
    国語辞典ってこうやって作るんだね。
    ワードハンティング楽しそう。
    舟を編むの本を読んでみたくなった。(アニメも)
    国語辞典作るのって意外と大変:;(∩´﹏`∩);:
    ってゆうか著者の人、国語辞典(?みたいなの)読みながら学校に登校してたってどんなだよ(笑)
    国語辞典って読むものだっけ(笑)
    二宮金次郎みたい(笑)
    せめて物語にしよ:;(∩´﹏`∩);:
    あと落語の本読んでたって言ってたけど幅が広いな(笑)
    国語辞典から落語まで読んでたって頭すごく良くなりそう。
    頭良くなりたいな〜( ´_ゝ`)
    本を読んでるから漢字の読みは得意だけど書きがな〜( ゚д゚)
    暗記パン欲しい(笑)
    そういえば本の中でドラえもん紹介してた気がするけどどうだろう( ゚д゚)?
    ドラえもんは面白いよね〜
    ・・・( ゚д゚)!
    違う本のこと紹介してる(笑)

    • りまのさん
      ほっぺプニプニマンさん
      おはようございます!
      朝から、たくさんの、いいね を、どうも、ありがとう!
      いっぱい本読んでるね♪
      今日も(3月5日...
      ほっぺプニプニマンさん
      おはようございます!
      朝から、たくさんの、いいね を、どうも、ありがとう!
      いっぱい本読んでるね♪
      今日も(3月5日)、読書を楽しんでね ♡
      2022/03/05
    • ほっぺプニプニマンさん
      コメントありがとうございます♪
      りまのさんも読書を楽しんで♪
      コメントありがとうございます♪
      りまのさんも読書を楽しんで♪
      2022/03/05
    • りまのさん
      なごむわ〜 ♡
      どうも、ありがとう!
      大好きだよ!

      りまの
      なごむわ〜 ♡
      どうも、ありがとう!
      大好きだよ!

      りまの
      2022/03/05
  • 子ども向けに辞書作りってこういう仕事ですよってのがわかりやすく書かれた本。辞書っておもしろいよ。それぞれ個性があって。そのうち三国が改訂されたら買おうかなぁ。

  • 三省堂国語辞典の飯間さんが「国語辞典はこう作る」という話と、そんな飯間さんがどうやってできたのかを書いた本。
    子供のころから言葉が好きだったというエピソードの数々を読んで我が子にそっくりなのでほっこりしました。
    ツイッターでの発言などをみてある程度理解していたつもりでしたが改めて本人の口からこう聞くと嬉しくなり、また、自分も言葉や人生に対する姿勢を「正しい/間違っている」以外の軸にもってこなくては、と思います。

    「『まちがい』とは決めつけない」(p.148)

    「どのことばも、理由があって生まれてくる」(p.158)

    「 もし、辞書には正しいことばや意味がのっていて、『そこにないことばや意味は間違いだ』となったら、だれもが型にはまったことしか言えなくなります。新しい考えを発表したり、今までにない表現をしたりすることはできません。何しろ、今までにない表現は、辞書に書いてありませんからね。
     国語辞典の役割は、正しい日本語を決めることはではありません。では、本当の役割は、いったいどんなことでしょうか。それは――人と人がことばをやりとりするための、手助けをすることです。」(p.162)

  • 『三省堂国語辞典』編集委員の筆者が、辞書を作る仕事について書いた本。

    子ども向けなので、わかりやすく、興味を引くエピソードばかり。
    大人が読んでいても、おもしろかった。

    実際の文章を見ながら、ワードハンティングの疑似体験も。
    自然に使っていて、気に留めることもなかった文章にも反応する。
    アンテナのすごさを実感。

    安易に「まちがい」と決めつけないスタンスもいい。

    監修をしたアニメ「舟を編む」の裏話も興味深かった。

  • 「ことばハンター」良いですねぇ~

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    国語辞典編纂者である飯間浩明先生は、人呼んで「ことばハンター」。国語辞典に載せるべき新しい日本語を求めて毎日街に繰り出しています。「やばい」も「ガチ」も「ハンパない」も実は全部、国語辞典に載っているんです。こうしたことばはどのように辞書に掲載されるのでしょうか?現代日本語を追いかけて奮闘する国語辞典編纂者のちょっと変わった日常を描いた“お仕事ノンフィクション”です。
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/4047033.html

  • 児童向けに書かれた本ゆえに詳しく、わかりやすく辞書編纂者の仕事が書かれている。
    自分も子供の時に、その仕事を知っていたらよかったのにと思う

  • とても面白くて読みやすい。辞書編集者のお一人、飯間先生の著書です。
    エピソードも面白い、過不足ない文章、正しい日本語。全体の構成などお手本にすべき本だと思う。話しかける文調、漢字にはルビがふってあって子どもたち他もオススメ。

  • 読み易くて、ためになる。漢字にはルビつき、大きめの字。
    ことばハンターは世の中に溢れるなんだろうの言葉を見逃さない凄い職業だ。面白そう。

  • 単語の意味を調べる宿題で
    辞書の文をそのまま写すと、余分が多くて、
    使いづらいというのが辞書のイメージだった

    国語辞書毎の方針と語釈の違い、
    言語学者は言葉の正誤を決める
    日本語警察や裁判官ではない、
    という原則が伝わってきた
    間違いではなく新しい表現と捉える

    たった一行に苦心し、時には実際にその言葉のものを
    食べたり使ったりしてみる
    僅か4人を中心に辞書を書く
    辞書編纂者の仕事内容が分かって面白い

    単語一つに何時間も悩む細かさ
    言葉全てが研究対象、
    フェチがトキントキンに尖ってて沼が深い

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著者プロフィール

香川県生まれ。国語辞典編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。新聞・雑誌・書籍・インターネット・街の中など、あらゆる所から現代語の用例を採集する日々を送る。著書に『辞書を編む』(光文社)、『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『辞書には載らなかった不採用語辞典』(PHPエディターズ・グループ)、『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』(PHP研究所)、「日本語をつかまえろ!」シリーズ(金井真紀・絵 毎日新聞出版)など。

「2023年 『けいごって しってる?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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