- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591156339
作品紹介・あらすじ
「落語を通して、あたくしは人生を磨かれました。」
――「笑点」卒業後、入退院を繰り返しながらも高座に上がり、芸を磨き続ける桂歌丸の初の名作落語集がいよいよ刊行!
曲がったことが大嫌いなお侍、そそっかしいけど憎めない長屋の住人など、江戸を舞台にした師匠十八番の人情噺、滑稽噺を全8席収録(『紙入れ』『紺屋高尾』など)。
ネタのみどころ、裏話などを演目ごとに解説。落語への思いにあふれる桂歌丸、全身全霊の一冊です。
【本文抜粋】
どうぞ一席お付き合いをお願い申し上げます。
あたくしたち噺はなし家か というものは、高座に上がりまして、落語を一席お喋りいたします前に、必ず枕まくらというものを振ります。普通の寄席でございますと、ネタ(演目)が出ておりません。ほとんどの噺家が高座に出てから、お客様がたの顔をみて、今日はこういう噺をしようというのを決める訳でございます。(中略)
この本は、ここ数年の高座を、枕も含めて収めたものです。皆様にご心配
をおかけしておりますように、あたくしもしばらく入退院を繰り返しており
まして、そんな一進一退の病状、失礼、近況が一部枕になっております。
最近は息切れもひどくなって参りまして、ここでは、短いお噺、しかしあ
たくしの大好きな演目をご紹介させて頂きました。勘の鋭い読者の皆様もそ
れなりにお年を召していらっしゃると思います。咳き込み、いや、噴き出し
ながら楽しんで頂ければ誠に幸いでございます。(まえがきより)
【収録作品】
井戸の茶碗、つる、紙入れ、おすわどん、壺算、鍋草履、竹の水仙、紺屋高尾の8 編に、演目にまつわるエピソードを収録。
【桂歌丸】
1936 年、横浜市生まれ。本名・椎名巌。51 年、五代目古今亭今輔に入門。のち四代目桂米丸門下に移り、68 年に真打昇進。「笑点」(日本テレビ系)にはスタート時から出演、番組50 周年を機に卒業し、現在は終身名誉司会者。2005 年、芸術選奨文部科学大臣賞。07 年、旭日小綬章。16 年、文部科学大臣表彰。
落語芸術協会会長。横浜にぎわい座館長。出囃子は「大漁節」。
感想・レビュー・書評
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今まで笑点を見る機会がなく、最近になってよく笑点を見るようになって、再放送されている歌丸さんがいる頃のやり取りが面白くて、この本を読んでみたいと思い手に取りました。この本では歌丸さんの演目と解説を読むことができます。この話がどのようにできたのか、作り手の裏話を読むことができて面白いです。演目は読んでいるだけなのに落語を聞いて観ているような感じがします。話の構成に無駄がありそうで無く、言葉のリズムがとても良いんだろうなと思いました。
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歌丸師匠は 同郷という事もあって
なんとなく 身近に感じでいました。
(お酉さんへ行くと この辺だよね~~ってね)
この本は テープ起こしのような 感じでした。
師匠が 演芸所で 話したそのままの言葉で書かれていました。
短めの 演目だったので 気楽に読めました。
知らないお話ばかりだったので
落語って色々あるんだなあと 思いました。 -
落語入門としてオススメ。サブスクでも音声で聞けます。本を読んで、音声できくと、それぞれで気付きがあります。話の理解は活字がわかりやすく、その上でテンポや間のある巧みな話芸をきくことで、それぞれの噺の魅了をより深く味わえます。前のめりにされてしまう師匠の枕から始まり、サゲまで、飽きることなく落語の世界に入れます。
紺屋の高尾、井戸の茶碗、紙入れがおすすめです。 -
桂歌丸の落語を枕から丸ごと八つ収録の一冊。
落語って観に行ったことはないけど、これは一度行ってみたい!と思わせる力のある本でした。
語り口が聞きやすい。
本としても大変読みやすくてさらっと読めてしまう。
それでいて奥の深さを感じられるのがいいな。 -
口語。軽快。機知に富む。
女郎屋の倅だったとは。 -
ご存知、桂歌丸さんの自選・・・かどうかはわかりませんが、名作落語集。
昔から落語の本を読むのが好きな子供だったんですが、これは「枕」からしっかりと口語筆記されてるのがとてもうれしい。こういうのが個人的に大好きです。
そして各噺のあとに歌丸さんによる解説というかこぼれ話なんかも載っていてそれもまた興味深い。
御年を考えるとちょっと難しいのかもしれませんが、続刊を強く希望したいです。まあそんなのよりも高座にあがるほうをこそ選ぶ方ではあると思うんですけどもね。 -
字も大きくて読み易い。
桂歌丸師匠の、か細い体で、声が通るのも、鍛え上げた結果だと、思います。
声は聞こえないけど、本を読んでいると、口調が、聞こえて来るようです。
8話 書かれているけど、、、「井戸の茶碗」等、テンポよく話されると、サゲが、面白い。
そして、小気味よく、笑点の仲間たちをこけ落としながら、笑いへと、導くとところが心憎い。
まだまだ、長生きして、楽しい話を沢山聞かせて欲しいと、願っている。 -
生前、一度だけ生の噺を聞いたことがあります。笑点の歌丸さんだ、と感動したものの、面白いところをいろいろ取りこぼし、父に教えてもらいやっと理解しました。こうした演目を本で読むと、その面白さがじっくり理解できます。いつかまた聞きに行きたいと思っているうちに、亡くなってしまって悔しさが。もっと早く、この本に出合いたかった。
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折々に盛り込まれる笑点メンバーネタにくすりとくる。
歌丸さん、笑点メンバーのこと大好きなんだなぁ。 -
「性格が合わないって、合うわけがないんです。合わない性格を二人がうまくコントロールしていくのが夫婦の努め」