- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591142844
感想・レビュー・書評
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故人の生前の面影を復元する、岩手県北上市の納棺師のノンフィクション。
どなたかのエッセイで知った本。
震災の前のお仕事から、震災が起きてからボランティアで復元してまわる様子まで、克明に記録されている。
恥ずかしながら、納棺師は知っていても、おもかげを復元する方がいらっしゃることには考えが及んでいなかった。想像するだに大変なお仕事で、特に東日本大地震のあれだけたくさんの方が犠牲になった後の現場は、どれほどのものか…これを読むとその一端でも理解できる。
そのような厳しい現場の中でも著者の優しさが強く伝わってきて、こんなに故人のことを考えてもらえて、残された家族のことも慮ってくれて、著者におもかげ復元して頂いた遺族の気持ちになって感謝の念が湧いた。
このような点から震災を考えたことがなかったので、この本は著者ともども有難い存在。
通常人生で数回しか経験しないお葬式や身近な人の死…
数えきれないほどの死を間近に見て経験している著者の考える死生観などもとても貴重なもので、読むことができてよかった。
家で一人で静かに読むのをオススメします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ようやく読む決意が付き手に取りました。
誇張ではなく、見開き1ページ目から涙が溢れました。
死という別れについて、とても大切なことが書いてあります。
笹原さんの事は7年前の震災後、テレビのドキュメンタリーを観て知りました。
多くの悲しみの中、少しでも後悔のない別れを…と奮闘された笹原さん。
悲しみの中にも温かさがあるのです。
きっと笹原さんのお人柄でしょう。
あと一ヶ月程で東日本大地震から7年。
あの日のことは一生忘れることはないでしょう。
あの大惨事の中で、自分の持つ力の限りを出し尽くし
沢山の心を救った人がいるのだと、忘れないでいたい。 -
読みながら涙があふれた、とても温かいノンフィクション。NHKニュースで笹原さんの活躍を知り、以前から読んでみたいと思っていた作品である。
岩手県北上市で、珍しい女性納棺師として働き続ける笹原留似子さん。笹原さんは、故人のおもかげを復元するだけではなく、故人と家族の思い出をも取り戻し、故人と家族とをつないでいた。
東日本大震災の時には、ボランティアで被災地の故人のおもかげを取り戻す活動を続けた。まさに身を削るようにして続けた活動は、如何にプロとはいえ、生半可な気持ちでは出来ることではない。
笹原さんが綴る故人と家族をつなぐ、ひとつひとつのエピソードが心に響き、涙を誘った。 -
よいです。だからこそ、もっとひとつひとつの話が読者を意識した言葉にとどまらないでいてほしかったと思う。
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一ページ目で喉の奥がグッと詰まり
二ページ目で涙が盛り上がり
三ページ目でこられられなくなり
四ページ目で一度閉じて深呼吸
そんな一冊。
東日本大震災でボランティアとして亡くなった方が少しでも元の姿になって家族とお別れできるように走り回った方の手記。
人として生き方として、考え方、亡くなった方と常に向き合って過ごしてきたこのかたが、あの世とこの世をつなぐ架け橋になっていることがわかる。
すごい人。
このかたの姿勢と考え方、生き方、生きてる方、亡くなった方への接し方伝え方、人を超えてます。
全人類が読むべき書籍。
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死に触れて、泣いて、向き合って、前を向く。
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自分の手で亡くなった大切な人をあたためてあげたい。きちんと向き合うことで、また前に進んでいける。
日常の幸せの確認。 -
喫茶店で読んでしまい後悔…
迂闊にも涙ぐんでしまった。
人が生きること、死ぬこと、家族についてとても考えさせられた。
死者と遺族への向き合いかた寄り添いかたは、誰でもができることではないだろう。
被災地での活動には、本当に頭が下がる思い。
他の人には出来ない、著者だからこそできる支援。 -
感動作!!涙が止まらない!
納棺士の仕事について知る事もでき、震災の悲惨な遺体の現状も知る事が出来る、学びが大きかった。ぜひ読んでほしい