- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591142806
作品紹介・あらすじ
「父親なんていらない」。そううそぶいても、心の底で父親を求めていませんか?
「不在の父親」に縛られないために――。精神科医による救済の書。
父親との関係は、社会適応や精神的な安定を左右するといいます。
人生の方向性や社会へのかかわり方に関係するのです。しかし、時代とともに、次第に父親の役割が変化し、かつ少なくなってきています。
父親との葛藤から解放された子どもたちは、母親との密着を強め、精神の安定を得るどころか、次第に人間関係の構築に支障をきたし始め……。
・プライドが高く、つまづくと投げやりに
・強そうに見えても、ストレスに敏感で傷つきやすい
・恋人やパートナーに依存し、独占欲が強い
・理想の父親像を求め、愛憎を繰り返す
・目上の人を過度に信奉したり、否定したりする
・子育てに関心が乏しく、夫や息子と対立しやすい
感想・レビュー・書評
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父親は母親よりも子供にとって弱く繋がっている。
だから父親は母親のサポート役に徹した方がいい。
母親は本能的に父親から子供を遠ざけようとしてしまうのかもしれない。
そんな時に母親が父親に対しての偏った見方を子供に伝えてはいけない。
何よりも大切なのは父親と母親の仲が良いことだ。 -
【308冊目】東大哲学科を卒業した後に、京大医学部を出て精神科医になった岡田さんの書。この方の著作はいつも面白い。今回も御自身が観察なさったケースや有名人・偉人のケースを、父親との関係という角度から多数紹介し、本人の人生にどう影響を与えたのか考察していく。
2014年の著作だけど、極端なフェミニストの方が読んだら怒り出しそうなことが書き連ねてある(笑)編集部は苦情対応を無事こなせたのだろうか?(笑)子育てで影響が強いのは母、特に乳幼児期は母親とのつながりがめちゃくちゃ重要、とかね。父親の役割が重要になってくるのは思春期以降とかね。いずれも参考論文は紹介されているとしても、肌に合わない読者多数じゃなかろうか?(笑)
とはいえ、著者は、母がカロリーなら父はビタミンで、結局どちらが欠けても子には悪影響があるとしている。また、父がいなくても、父親的機能が大切だとも言っている。
私がこの本を手に取った動機は、自分自身が父親になったことから「父親としての自分」について何らかの示唆が得られるのではないかと思ったこと。
この期待が裏切られることはなかったものの、読み進めていくうちにむしろ「かつて父親に愛された子としての自分」が気持ちの前面に出ていることに気がついた。
たとえ父親が不在でも、あるいは弱々しく理想型として同一化できない父親であっても、子は心のどこかで理想の父親を求めている。そして、その気持ちが満たされなかったとき、子には愛着障害のような症状がみられ、自己肯定感が低くなったり、他者と安定的な人間関係を築くのが難しくなったりするとのこと。
理想型の父親を求める子の気持ち、小学生の時に強く自覚していたなぁなどと思い出してしまった。とはいえ、我が家の幸福は、本書で紹介されている不幸なケースとは逆で、母親が父を肯定的に評価し、それを子である私にも伝えてくれていたこと。おかげで私の心の中には良い評価の父親がいる。
かつての部下に「自分は母子家庭育ちなんです…」と秘密を打ち明けるように伝えられたことがあったけど、当時はその重大さがよく分からなかった。でも、本書を読むと、もしかしたら上長である私に何か求めていたのかもしれないし、もう少し違う接し方があったかなぁなどと、少し後悔の念。 -
この類の本を読む時私は、
字面を追いながら、自分の深層心理が求めている言葉をひたすら探しているような気がする。
自分の意志薄弱の原点を探るのに役立ったと思う。
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勧められて読んだ本。時代が父という役割を薄めたり濃くしたりするという発想はなかったです。
実在するかは別として、肯定的な父親像が心にあるのかどうかは大事みたい。 -
良書。
私もそう思います。
これが一番!
私もそう思います。
これが一番!