君たちはどう生きるか 改訂 (吉野源三郎全集 ジュニア版 1)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591065327

作品紹介・あらすじ

40年以上、なぜ読み継がれてきたのだろうか。永遠のベストセラーが、今世に真意を問う。

感想・レビュー・書評

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  • 梨木香歩さんの「僕は、そして僕らはどう生きるか」を読んでいたら出会った本。吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」、読み終わったころに答えは出ていた。
    80年前に出版されたとは思えないほどの新鮮さを味わった。

  • 中学生向けに書かれているものの、大人にもじゅうぶん通用するものだった。
    これを中学生の時に読んでいるのとそうでないのでは、その後の生き方や考え方がずいぶんと違ったものになるだろう。

    ずいぶんと古い本なので、「上級生には服従しろ」という輩がでてきたり、「男らしく責任をとるために謝罪をするんだ」という表現がでてきたりと唇をへの字にしたくなるものも多い。
    そのため、参考にすべきものは多いが、同じくらい注意が必要な図書だともいえる。

    主人公が友人へ書いた謝罪の手紙は言い訳と要望ばかりで謝罪ではなかったし、今でいう「意識高い系」が育ちそうな印象を受けた。

    あまり気持ちの良い作品ではない。

  • 宮崎駿の君たちはどう生きるかの作中にチラリと出ていたのをきっかけによんだ。
    戦前の大人向けの啓発本が規制された時代に、せめて次世代を担う子供たちにはあるべき人間の生き方を届けたいとの思いで書かれた本。
    大人になってこの本を読んだことをとても後悔している。コペル君と同じ中学生の時に出会いたかった。

    .人を一番苦しめるのは、自分がしてしまった行いに対し苦しみ後悔することである。苦しいから人はそれから逃げたり他人に責任転嫁するが、真向から受け止められる人でありなさい。
    .苦しみ、悲しみが人間を人間たらしめる。自分ができると思っていたことが出来なかったとき悲しい。本当ならできたはずなのにと思い、情けなく苦しい。その時に逃げず責任転嫁せず、じゃあ自分はどうすればよかったのかを考えつづけないといけない。
    .生産者と消費者では生産者のほうがりっぱである。たとえ生産者が身なりが貧しく下品であっても、彼らの生活の上で自分が生きていることを忘れてはいけない。なにも生産しないような人間となってはいけない。
    .人のりっぱさは、勉強ができるとか足が速いとかで決して決まらない。何を成したかが大事なのである。

    とにかく、終盤のコペル君の北見くんにあてた手紙は涙が出た。
    自分がすでに忘れてしまっていた、子供時代の清廉な正義感や正しい行いをまっとうする気持ちを思い出した。
    「君たちからけいべつされても、君たちから絶交されても、本当に仕方がない。ただ、僕は君たちのことを、どうでもいいと思ったことは一秒だってない。ぼくは、いつかこのことを君たちにわかってもらえるようになりたいと思っている。それだけのことをきっとするつもりでいる。今度こそ、ぼくもきっと勇気を出してみせるつもりだ。それを信じてくれたまえ。どうか信じてくれたまえ。」

  • いい人間かどうかは、自分の心が知っていること。
    世界は繋がっている。
    この本が(現在は改定されているが)日中戦争直前に出版された、ということが感慨深い。
    序盤の街の描写が美しい。

  • ベストセラーになってるマンガ版を読む前に原作を読んでみました。

    コペルニクスやニュートン、ガリレオ、ナポレオンなど歴史上の偉人についても学べます。

  • 作中のおじさんのように、私も子供に生きていくうえで大切なこと、大事にすることを話せるようになりたい。
    そのためには自分がそうあらねばならないし、もっともっとふだんから考えて生活しないとなあ、と通関する。

  • 中学生の子供の課題図書だったので読んでみました。

    今までこの本の存在を知らなかったことを非常に悔やみました。

    子供向けの哲学の本だけどストーリーがあって読みやすいです。

    後半はコぺル君と友達のことが気になってグングン読めちゃいます。

    課題図書になっていたら是非、早い時期に読むべきです。

    娘も今年はこの本で感想文を書きました。

    古い本ですが、今こそ読むべき!

  • 漫画版が話題になっているので、読んでみました。
    多少、時代背景が異なる事で実際の思春期の子には物語の世界に入り辛い部分があるかもしれない。
    なので、そういった部分では漫画版の方が広く受け入れてもらえると思う。
    漫画版も原作を非常に大事にしている構成になっているし、エッセンスは残しつつ、冗長な部分は削っているので、話題になるのも納得。
    娘がもう少し大きくなったら、読んでもらいたい一冊。

  •  素晴らしかった。子どものために書かれているだけあって、固くなくてわかりやすい。特に、主人公のコペル君の体験を元に、おじさんが人生において大事なことをコペル君に伝えるという形にしてあるのがいい。説教臭くなく、どの話も大きくうなずけるものだった。戦前に書かれたものなのに、全然古臭くない。
     この本が今注目されて、マンガにもなって、大人にも子どもにも読まれているという。戦争へと向かって行ったあの頃と今が似ているからだとすれば、恐いことだが。

  • 熱い思いがたっぷりつまった、
    哲学書のような1冊でした。
    哲学とか倫理とかを扱ってはいるものの、
    子ども向けに書かれていることもあり、
    読みやすかったです。
    内容をきちんと理解し、実行していくには
    何度も読んで、自分のなかに蓄積させなければならないでしょうが。

    中学生のコペルくんとおじさんのやりとりから
    様々なことを考えさせられます。

    色々なことを吸収できる子どものうちに読んでほしい作品です。

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著者プロフィール

編集者・児童文学者。1899(明治32)年〜1981(昭和56)年。
雑誌『世界』初代編集長。岩波少年文庫の創設にも尽力。


「2017年 『漫画 君たちはどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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