小さき生物たちの大いなる新技術 (ベスト新書)

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  • ベストセラーズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584124314

作品紹介・あらすじ

カワセミとフクロウと新幹線、ガラガラヘビと空対空ミサイル、蛾と無反射フィルム、アリ塚と冷暖房いらずの高層ビル、トンボと複眼カメラ、蚊と痛くない注射針、クジラと工業用ファン、など。あらゆるところで使われているバイオミミクリー(生物模倣)。

感想・レビュー・書評

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  • バイオミリクリー(生物模倣)について31種の事例を紹介している。「科学は自然を超えた」という認識に対して、「自然に学べ」という考え方の重要性を説く。個々の題材は具体的に説明されている上に数が多いため、読者の興味や好みに合うものもいくつかは見つかることだろう(一方で興味のない題材も多くなってしまうだろう)。
    本書は多数の事例を紹介するにとどまっており、応用や発見のための一般化された方法論は述べられていないため、読者が自分の活動に応用するにはここから考察が必要になる。私にはすぐに応用するのは難しかった。
    本書の説明ではやさしい表現が意識されているように思うが、それゆえに正確性の不安や根拠の所在不明、説明が冗長すぎる面もある。興味を持ったページであればあまり気にならないが、興味の薄いページでは説明の冗長さなどは目立ってしまうため、思い切って読み飛ばしてしまうのが良いかもしれない。

  • バイオミミクリー

  • 生物が生まれて長い年月を経て生き残ってきた種は、みなそれぞれ特徴のある進化を遂げています。

    人間がそれを真似て自分たちの道具に応用できるネタは、まだまだ尽きません。

  • まだまだ未知の生物の能力。生物の能力を人間が創り出すことができれば、今後ますます希少になっていく資源を有効活用することができる。

    イルカは魚雷の1/7しか抵抗が生じない。イルカの皮膚を船に実装することができれば、1/7のエネルギーで輸送が可能になる。ホタルの光は熱を発せず、持てるエネルギーのほぼ100%が光に転換される。ホタルが光るメカニズムを人間が再現できれば、さらなるエネルギーの効率化ができる。クモの糸は鋼鉄の5倍の強さを持つ。クモの糸を合成することができれば、軽量かつ硬度の素材を手に入れることができる。

    <目次>
    第一章 乗り物に生かす
    第二章 軍事に生かす
    第三章 暮らしに生かす
    第四章 建築に生かす
    第五章 医療に生かす
    第六章 エコに生かす

    登場する生物たち
    第一章:カワセミ、フクロウ、アホウドリ、フンコロガシ、ロブスター、かさぶた、カメレオン、イルカ
    第二章:ハエ、ガラガラヘビ、クラゲ、クモ
    第三章:コウモリ、ヤモリ、猫、ホタル、蛾、カエル、ゴミムシダマシ、カジキ、タマムシ
    第四章:シロアリ、カタツムリ、オウムガイ
    第五章:トンボ、蚊、サンドキャッスル・ワーム、フジツボ、ノミ
    第六章:クジラ、ハチ、アワフキムシ


    ・アホウドリ:24時間で1800km飛ぶ。6日間飛び続けられる。
    ・水泳速度:水の密度は空気の827倍、粘性抵抗は空気の19倍
     計算上、イルカの時速は18kmから21.6km
     実際は、シャチで65km、バンドウイルカで48km
     イルカの抵抗は、同じ体積の魚雷の造波抵抗の1/7しかない。
     乱流を作らない皮膚の構造
    ・クモの縦糸は鋼鉄の5倍の強度
    ・ホタル:バイオライト、冷光、ほぼ100%が光に転換される。
    ・接着力:エポキシ樹脂150kg/cm2、フジツボ300kg/cm2
    ・マルハナバチ:「航空力学的に飛べるはずのない形なのに飛べている」

    2014.04.13 バイオ・ミミクリーの新書を偶然見つける。
    2014.05.01 読了

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【期待したもの】
    ・トリビア的な知識を期待。面白そう。仮面ライダーとの共通点なんかも。

    【要約】


    【ノート】

  • 数々の生物のユニークな仕組み、それを活かした技術が次から次へと示され、世界は驚きに溢れているとつくづく思う。私たち人間の、探究心や技術革新への貪欲さにも、目を見張る思い。

  • 生物、特に昆虫の生態を観察・模倣して、人間の活動に役立てるという発想で多くの事例を示している.哺乳類が6千種に対して昆虫は95万種が存在している由.創造主は昆虫好きだという説もある.ミクロの世界を解明する醍醐味もあり、楽しい分野の研究になると思っている.

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784584124314

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著者プロフィール

今泉 忠明(いまいずみただあき)
動物学者。日本動物科学研究所所長。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒。上野動物園で動物解説員を務めたのち、現在は、日本動物科学研究所所長、静岡県伊東市の日本ネコ科動物研究所所長・ねこの博物館館長を歴任。『飼い猫のひみつ』(イースト・プレス)、『図解雑学 最新ネコの心理』(ナツメ社)、『ざんねんないきもの事典 正・続・続々』(高橋書店)『愛くるしすぎるイキモノ パンダのすべて』(廣済堂出版)など著書、監修書多数。

「2023年 『マヌルネコ 15の秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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