- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582859157
作品紹介・あらすじ
スポーツ分野を成長産業とし、2020年までに10兆円、25年までに15兆円市場に拡大すると明言した日本政府。就職から地域創生まで、スポーツが拓く日本の未来像を提言する。
感想・レビュー・書評
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スポーツビジネスの現状から課題まで分かりやすく捉えられていた。特にスタジアム論の章が興味深かった。
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クラブチームや球団のマーケティングやマネジメントの視点に焦点を当てたことがなかったため、すごい新鮮で市場規模の可能性を感じた。
確かに欧州サッカーを見てると、年々市場規模が劇的に拡大していることを感じ取れるし、近年の移籍金はもはや天文学レベル。JリーグもDAZNとの莫大な放映権契約が話題になっていたように、今後も市場を伸び続けるだろう。
本書にもあった通り、成功した例としてDeNAやVファーレン長崎は有名。経営戦略の側面を深ぼってみると面白いかもしれない。
伸び代がある一方で課題も少ない。経営陣はまだマネジメント面に課題がある。そもそも球団やクラブで働くイメージが世間で認知されていない。そのため人事においてはニーズのあった人材を確保できないなど、ミスマッチが多々起こるという。とりわけスポーツが好きだからという理由で応募してくるケースが多く、運営に支障をもたらす要因の1つとなっているらしい。
個人的に興味深かったのが「スポーツ×地域創生」のテーマ。特にJリーグがブンデスリーガに習って地域を軸にした構想を練っていたのは知らなかったし、クラブ名にスポンサー企業名を加えることが禁止されていることから、地域全体を考慮した構造になっているのは非常に興味深かった。 -
2016年発表の「日本再興戦略」。
単なる机上の空論で終わらせてはいけない。
「第4次産業革命に向けて」というサブタイトルだったが、世界は今もダイナミックに大きく動いている。
テクノロジーの進化に合わせて、社会生活は大きく変化している最中だ。
発表からすでに3年が経過しているが、方向性としては間違っていない。
その戦略の中に「スポーツの発展」が明確に掲げられている。
それも単なる「教育的スポーツ(つまり体育)」ということではない。
言葉高らかに「経済発展のためのスポーツ」という位置づけで叫ばれているのだ。
言い換えれば、まさに「スポーツビジネスの発展」だ。
ラグビーW杯から始まる3年間は「ゴールデン・スポーツイヤーズ」と言われる。
東京五輪・ワールドマスターズゲームと続く大型スポーツイベントは、日本に確実にレガシーを残すだろうと言われている。
ここに乗らない手はないのではないか?
世界の市場は広がっている。
日本は人口減でも、世界は人口増なのだ。
あらゆる競技において、日本の優位性は確かにある。
その強みを更に高め、そしてビジネスマネジメント化していく。
国内での消費だけでなく、海外にも目を向ける。
海外からのスポーツツーリズムにも目を向ける。
多面的展開が出来る可能性は無視できない。
スポーツのビジネス化は大いに優位性があるのだ。。
我々はメディア企業である以上、ここに乗らない手はない。
もっともっと貪欲に考えていきたいところだ。
(2019/10/11) -
現場サイドと役所サイドの情報
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成長産業としてのスポーツ業界の可能性を解説する。高齢化社会かつ自動化等で余暇を持て余す人柄増える今後、スポーツの持つ役割は更に大きくなると同時に、あり方も変わっていく。その骨幹は地域との結びつきであり、イコール日々の暮らしとの接点が密接になるという事かと思う。Jリーグ誕生でその流れが出来、バスケや卓球、あるいはラグビーなど、クラブ(チーム)数の発展し、複合的要素を併せ持ったスタジアムやアリーナ整備によって、熱狂の対象が増え、お金が落とされ、地域が盛り上がる。スポーツが我々の日常を充実させるひとつの基軸になるという話を実感しない人はむしろ少数だろう。大きな課題としては、インフラ整備には行政と地元財界との連携が欠かせず、それ次第で成果が大きく変わり得る点と、ブラック企業且つコネ採用が蔓延するスポーツ企業の現状。既存慣習の大きな壁は、日本社会停滞の一要因でもあり、突破しなければ可能性は開けない。日ハムに逃げられた札幌市の事例などは(著者が意識的に)象徴的に取り上げられている。スポーツ産業に対する意識の低さを乗り越えるには、ある程度国策として主導していく必要性もあると感じた。
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スポーツは仕事なのか!