- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582855029
作品紹介・あらすじ
手紙、日記、会話帳、友人たちの証言など、最新の資料を駆使して、徹底的な自由人ベートーヴェンの姿を、臨場感豊かに描き出す。バッハ、ヘンデル、モーツァルトの音楽とどのように出会い、カントの哲学やインド思想をいかに自らのものとしたのか。従来の諸説を大幅に書き換え、まったく新しいベートーヴェン像を提出する。
感想・レビュー・書評
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ちょっと思い込み、思い入れが強すぎはしませんか。ベートーベン相手に冷静になれるわけもないが。当時のパトロン・音楽家たちの交友や援助関係が細かく書かれているのは興味深い。
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ベートーヴェンの生涯をもう一度おさらい。インド音楽などに傾倒していた時期があったのはかなり驚いた。「運命」の作曲に関する著述が少なかったのが残念だった。余談だが中古で買ったこの本、著者が上梓翌年に亡くなっており献本されたらしく、それに関する挨拶状が挟まっており驚いた。売るかね普通。
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今も生き続け、人々を感動させる作品を幾つも創作する人物とは、多々数奇な人生を辿り、その生き様自身が人類の遺産となるものと思うが、まさに音楽家としてモーツァルトやショパンなど(他にも色々いようが)とともにベートーヴェンが挙げられるのであろう。
それにしてもこの偉大な人物を、いかに正確に捉えることは、過去において既に評価が誤って伝えられていることもあろうから、真実を知るにはいかに困難なことかと思われる。
また天才には、多種多様な人物との会偶が必然にあることも再考させられると同時に、ベートーヴェンにとっては若かりし頃から祟りのように付き纏う難聴や激動な時代等こそ、自身を鼓舞させ、闘いながらも乗り越えようと作品に反映させ芸術へと昇華させていくものなのだろう。
音楽家の伝記などを読むとピアノ教室などにおいて、どういった作品や人物かを少しでも小さい時に知っていればより良く作品を弾けるようになるのではなかろうかとも思う。(本書は少しそういったものではないが)
「悲愴」が難聴が始まった頃の27.28歳に作られたとのことで驚愕であるが、少しまた第一楽章でも練習しようかな。 -
【選書者コメント】著名なヴェートーヴェン研究科による伝記。「不滅の恋人」についても適切にまとめられている。
[請求記号]7600:1025 -
ベートーヴェンの研究を沢山していることが良く分かる、著者の自信と愛を感じることのできる作品。
内容が濃いのに、とても読みやすかった。 -
ベートーヴェンの伝記は初読み。
苦悩に満ちた一生を送った偉人、という印象だったけど、私自身40年生きてきて、まあ、そういうこともあるよね、人生には、と言うほど『苦悩に満ちた』感じは受けなかった。
親しみやすく読んでもらいたい、という青木やよひという作者のフィルターがかかっているからかもしれないけれど、語弊があるけど、まあ、ベートーヴェンといえど、人間だよね、みたいな。
生きるためにはお金がいるし(ステレオタイプの芸術家かと思いきや、この辺意外にちゃんとしてたw)、恋愛だってするし。
そしてインド哲学に傾倒していたことも意外だった。
インド音楽とコラボってたらどんな作品ができていただろう、なんてふと思った。 -
ベートーベンに詳しくない人が読むには少しマニアック過ぎる^^; 普通の伝記はいくらでもあるのでそれと同じようなことを書いてもしょうがないんだろうけど。
それにしても「ベートーベン」は歴史上最も偉大な人間の一人なんだと思う。誰も傷付けずただ感動だけを残してるんだもの。
ちなみにベートーベンは難聴であることをなるべく悟られないようにしていたとのこと。 -
【推薦文】
誰もが知っている「ベートーヴェン」という作曲家。彼の曲は、約200年たった今でもなお我々に語りかけてくる。偉大な曲を残すような作曲家はどのような生き方をしたのだろうか。
(推薦者:集積システム専攻 M2)
【配架場所】
大岡山: B1F-一般図書 762.34/A -
ベートーヴェンというと、耳の聞こえない偏屈で恋愛に不器用な作曲家、ゲーテを嘆かせた野人、最後は孤独で悲惨、といったステレオタイプなイメージが刷り込まれている気がする。
この本は、資料を元に丹念にベートーヴェンの偉大な生涯を追った素晴らしい力作。
先に書いたようなベートーヴェン像を見事にひっくり返してくれる。
如何に彼が当時の中で先進的な思想を持ち、それを体現していたか。
どれだけ情愛深く、関わりのあった人を心配し、恩人に感謝を捧げる人であったか。
ベートーヴェンというと、堅い曲、というイメージがあるかもしれないが、彼は当時の他の作曲家が思いもしなかった様々な実験的チャレンジをし、さらには演奏では比肩する者がいない即興演奏家であった。そんなところを知ると、クラシック音楽演奏家にありがちな「楽譜通り」という言葉も少しばかり虚しくなる。
個人的には、先輩作曲家、サリエリとの交流が意外であり、またここでも固虚像を崩された。。何しろサリエリは、映画「アマデウス」でモーツアルトへの嫉妬に狂った凡才作曲家というイメージが流布しているのだ。サリエリは、尊敬を受ける作曲家であり、ベートーヴェンが若い頃に多大な援助をしたことから、とりわけ彼から敬愛される人物だったらしい。