「五足の靴」をゆく: 明治の修学旅行

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582837742

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  • この作者、5人の辿った道を外れて好き勝手にその近くの知り合いやら行きたい所に行っている。そのやりたい放題が面白くもある。

  • 明治30年(1907)7月28日からの約1ヶ月弱。5人の文学者たちが広島・九州各地を旅し、その紀行が新聞連載されたという。それは与謝野鉄幹、木下杢太郎、平野万里、北原白秋、吉井勇。30代半ばの鉄幹を盟主とした、20歳過ぎの新詩社の仲間たち。いずれも森鷗外の支援していた顔ぶれだという。この5人の旅が「五足の靴」として注目され、九州などにその足跡(碑)が残っているとのことで、約110年を経て著者がたどったエッセイ文。5人が交互に書いたようだが、どこを誰が書いたのかは著者の想像。松浦作用姫の頭巾伝説は知らなかったが、日本の悲恋伝説でも最高峰のようで、万葉集に多く歌われているらしい。5人には松浦とは思い入れの強い土地だったのだろう。5人の性格、歩みにも触れて紹介しながら楽しく読める本であった。天草・下田温泉は昨年訪問した場所であり、情景が目に浮かぶ…。

  • 未来ある若者を、少し遠くから見守る鴎外の立ち位置よくないか?

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著者プロフィール

1954年生まれ。中学生の時に大杉栄や伊藤野枝、林芙美子を知り、アナキズムに関心を持つ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記憶を記録に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』『谷根千のイロハ』『聖子』(亜紀書房)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。
近著に『路上のポルトレ』(羽鳥書店)、『しごと放浪記』(集英社インターナショナル)、『京都府案内』(世界思想社)がある。数々の震災復興建築の保存にもかかわってきた。

「2023年 『聞き書き・関東大震災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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