- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582837414
感想・レビュー・書評
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読了。ドナルド・キーン氏晩年の日本語でづづられたエッセイ。正しくは日本語で語られたものを編集者の方が文字起こししたもの。キーン氏の日本や、日本文学に対する思いが書かれているが、特に若い頃の米海軍通訳士官として日本兵の残した日記に触れた時のことはとても興味深く読ませてもらった。まるで山崎豊子氏の「二つの祖国」の世界のまま。キーン氏のオペラに関する記事は読んだことがあったが、こういったエッセイは初めて読み、とても面白く読めた。そしてキーン氏の日本文学研究者としての功績、顔の広さに驚くばかり。
後半は養子のキーン誠己さんが、息子の目から見たキーン氏について書かれている。 -
キーンさんの日常と、息子誠己さんからみた日常を読むエッセイ。
日常と言っても、そこはキーンさんなので文学がそこかしこに散らばっているし、戦争と平和について、音楽について、日本についても、しかり。
誠己さんのエッセイがあるのがとても面白い。
写真があるのも。 -
ドナルド・キーン 2019年2月96歳で亡くなる。
この本は2012年90歳のころから94歳にかけ東京新聞に連載したものと、90歳の時62歳の浄瑠璃三味線引きと養子縁組した鶴澤浅造の父を語るを含めている。
三島由紀夫の評価が高く、古典の啓蒙が高い。戦後の日本文学界の様子や交流がたくさん、面白く読める。 -
ちまちま読んでいたら時間がかかりました。キーン先生の日本への愛、養子の誠己さんのキーン先生への暖かい親子愛など、読んでいてなごみました。
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たまたま読むべき本がなかったこところにふと出会った1冊。
『石川啄木』を読了していたので、その執筆当時のことを知ることができたのはちょっとした収穫だったし、何よりもキーンさんご自身の従軍経験からくる反戦平和への想いは、心に深く沁み入ってきて、この想いはきちんと継承していかなくてはならないなと、単なる一個人ではあるが強く決意したところである。 -
日本って大丈夫なのかなぁ…そんな気持ちを持った震災以降、キーン先生が日本について考えてくれていることだけで、日本にもすばらしいところがあるんだなぁ…日本人でも良いかもって気持ちが楽になりました。文学界に生きた作家さんが実際にいた事を、面白く書かれていたりして、作家さんの本を読んでいてもリアルを感じる事ができる気がして来ます
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日本人になれたキーンさん。
自身と息子さんがそれぞれに新聞に連載していたエッセイをまとめたもの。 -
キーンさんのエッセイが好きだ。人柄がにじみ出ていて、読んでいて楽しいのだ。この本も、素敵なタイトルと表紙に惹かれて、早速読んでみた。
日本の古典との出会い。戦時中、海軍の通訳として日本と関わったこと。日本文学の作家たちとの交友。そして現在の日本への思い…。
キーンさんならではの思いがあふれていて、かみしめながら読んだ。
養子の誠己さんのエッセイも、キーンさんの日常を伝えてくれていて、楽しかった。