東京日記3 ナマズの幸運。

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 447
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582834987

感想・レビュー・書評

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  • こんな日記書けたらいいなと思うけど、不可能。
    何度もクスクス笑ってしまう。
    阿闍梨スペシャルを飲みたい。
    金沢のケーキを夜中に食べたい。
    読み終えたらすぐに、図書館で続きを借りに行った。

  • これ、笑ってしまった。大のお気に入りです。「大発見をする。ごきぶりは、モーツァルトをかけると、出てくる。マーヴィン・ゲイをかけると、ひっこむ。」こんなこと書ける作家、そんじょそこらにいないと断言します。 『とひょう。』はとってもあぶない感じがする。夏目漱石の『夢十夜』とは まったく趣を異にしています。でも、怖いのです。

  • どこがどう、と説明は出来ないのだけど
    川上さんの文章が好き。

    朝日新聞の連載小説はときどき読み忘れてしまうが。

    かんぴょう巻きのくだりで、吹き出してしまった。

    川上さんがもう51歳にならはったってことに一番驚く。
    著者近影で見る彼女は麻生久美子さんみたいなふわふわと透明感のある女性なのだけど。

  • しみじみ楽しい。ちょっと笑う。どこまでホントかよくわからなくなる。川上さん、可愛いです♪

  • さらさらと読めて読後の清涼感がクセになる。
    10年ほど前の文章なのに、2023年の今のエッセイと言われても全く違和感がない。10年も経つと文化や環境、価値観そのものなんかも変わってしまうのに、今の人の心にもするりと入り込む魅力がある。
    柔和な文体で淡々とした筆致は、1冊の本丸々の詩でも読んでいるかのような感覚になれる。
    各月の始まりに題される章題が文体のどこに散りばめられているのか忘れないように読み進めるのに、読むとすぐに(あれ?章題なんだったかな…)となってしまい、自分の記憶力に落ち込むが、それも少し楽しい。

  • 2011年発刊の10年前の本。10年前から脱力系をやっているのだ。

    『インフルエンザの注射に行く。この医院には中村先生の日と原田先生の日があるのだけれど、そしてぜんそくの薬をもらうために毎月一回、三年以上は通っているのだけれど、いまだに中村先生と原田先生のちがいが判らない。

    もしかしたら、同一人物がその日の気分によって名前を変えているのだけかもしれないと疑う。』

    『大発見をする。ごきぶりは、モーツァルトをかけると、出てくる。マーヴィン・ゲイをかけると、ひっこむ。』

    『歯医者さんから帰ってきたこどもが、
    「今日ね、先生に『うちの母は、まだ少しずつ成長してるんです』って教えたんだ。」と報告する。
    「ふうん、と答えると、こどもは笑いながら、
    「そしたらさ、『それは生物としてありえない』って、先生、断言してたよ」
    と続けた。

    生物じゃなかったんだ!
    内心で叫び、あおざめる。』


    あとがきに『この日記に書いてあることのウチ、以前は五分の四くらいがほんとうのことだったのですが、ほんとうのこと率は年々上がっているようで、この巻では十分の九くらいに上昇しました。』

    とある。この記載が残りの十分の一のような気がする。

  • おおむね楽しい、ちょっぴりさみしい。カラダ半分、ずれている――。カワカミ・ワールドが詰まった、日記シリーズ最新作。2008~2010年までの3年分を収録。

    読みやすいから、次々読んでしまう日記シリーズ。
    日常から言葉に対するアンテナが敏感なところが作家さんたるところ。
    「おじゃま虫」「うる覚え」「矢沢永吉さん命」
    何でもない一言を、ずっと覚えていて、咀嚼して楽しんでいる気がする。

  • 蟾昜ク雁?逕溘?∽サ紋ココ縺ョ鬘斐′諞カ縺医i繧後↑縺?→縺?≧繧医j蛻、蛻・縺ァ縺阪↑縺?→縺?≧迚ケ蠕エ繧偵b縺」縺ヲ繧峨▲縺励c繧九s縺倥c縺ェ縺?°縲ゅ%縺ョ菴懷刀繧定ヲ?≧縺ィ縺シ縺代◆諢溘§縺後◆縺セ繧峨↑縺丞・ス縺阪?

  • ずっと読んでいたい。

  • たんたんと、時に熱く、時に不穏に、日々は続いています…。カワカミさんの、5分の4から微妙に上昇して10分の9はホントの、日々のアレコレ。『東京人』『WEB平凡』連載を単行本化。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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