神になりたかった男 徳田虎雄:医療革命の軌跡を追う

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582824865

感想・レビュー・書評

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  • 読み応えのある人物伝。良い面も悪い面も客観的に描かれつつも、山崎豊子のようなスケール感と人物描写で読み物として面白い。成功した晩年に側近を排斥し、親族に継承するなど、とても人間臭いドラマが展開される。近くに徳洲会病院があって、どうなんだろうと読み始めたが、病院としては良さそうだと安心した。

  • Amazon、¥650?

  • 徳洲会病院 日本一の病院Gを作り上げた徳田虎雄物語
    71病院 病床17千床 職員30千人 年商4,200億円
    1.使命感の病院づくり 年中無休24時間 救急対応
     アメリカ帰りの医師 看護師 薬剤師の結集・奉仕
     医師会との衝突
     政治力の必要性
    2.三和銀行管理 資金の浪費 政治資金
     選挙活動への組織対応は亀裂
    3.ALS2002年04月診断
     国会議員活動
     淡路阪神大震災
    4.RBSロイヤルバンク・オブ・スコットランド
     全身不随 海外展開の夢 ブルガリア
     三井住友銀行をメインへ
    5.徳洲会事件
     公職選挙法違反
     背任横領事件 口封じ
    6.病院連合へ 脱個人経営

  • ちょっとドラマチック過ぎるのが読みにくかったが、内容が濃くてかなり勉強になった。大学病院の医局制の弊害や徳洲会がいかに経営改善し、「命だけは平等だ」という高い理念でアメリカ帰りの優秀な医師を集め、強い組織を作り、やがて政治の世界にどっぷり浸かって行ったかがよくわかる。湘南鎌倉病院や医療生協など馴染みのある病院も出てきて、とても興味深かった。

  • 図書館から
    すごい人だ。
    医療、政治、金の世界

  • 熱い思いは大切。コンプライアンスはもっと大切。

  • 佐久総合病院の色平哲郎先生から。
    徳洲会を政治とカネ問題で聞いていた程度だったが、それを立ち上げたときの思いとその後を知ることができた。
    金、ポスト、色、理想のどれを欲するかを瞬時に見分けて来た。
    人間ウジ虫論。なぜかエリート層に響く。
    生命だけは平等だ。

  • ノンフィクションとは思えないくらいの猛烈な展開、「清濁併せ呑む」と形容するだけでは収まらないスケールで人生を走り続ける徳田氏と、その周囲の人々。
    単なる偉人伝にとどまらず、登場人物ひとりひとりの苦しみ、未来への希望と諦め、そして生きざまが痛々しく伝わってきます。
    読んでいて、心がヒリヒリします。

    そして、ちっぽけな自分の人生をもっと燃焼させ、自らが強く明るい光を放たなければ、と感じさせられます。

  • 一代で病院を築き、その後政界へ進出、順風満帆に見えるかと思いきや、難病に罹りながらも指揮を執る。そこはワンマン故の姿であろうが、それが後になり足を引っ張る事になるとは。組織が大きくなるほど、統率を取るのは大変であり、腹心の部下も何れクビを斬る結果、徳洲会の崩壊が決定になったところは、ファミリーの介入と氏の初心の志が日に日に忘れられた結果ではなかったのかと。組織の大切さと難しさを感じさせられた内容は、読むものを夢中にさせる事であろう。

  • 徳洲会という巨大病院チェーン、奄美を舞台にカネにまみれた保徳戦争、都知事への献金問題など、マスコミを賑わすたびに、何ゆえにこのような存在となったのか?と常々疑問に思っていたが、一気に氷解した。
    聖と俗が混然となった狂気の塊のような創業者、それを支えまた離反する人びと、医療が抱える課題、時代背景を見事に描き切った素晴らしいノンフィクション。ここまでたどり着くのに、どれだけ困難な取材を要したことだろう。アマゾンのコメントなどでも絶賛されているが、納得できる。

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著者プロフィール

1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。「人と時代」「公と私」を共通テーマに政治・経済、医療、近現代史、建築など分野を超えて執筆。時事番組の司会、コメンテーターも務める。一般社団デモクラシータイムス同人。著書に『ルポ 副反応疑い死』(ちくま新書)、『コロナ戦記 医療現場と政治の700日』(岩波書店)、『後藤新平 日本の羅針盤となった男』『田中角栄の資源戦争』(ともに草思社文庫)、『ゴッドドクター 徳田虎雄』(小学館文庫)ほか多数。

「2023年 『暴言市長奮戦記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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