菊燈台 ホラー・ドラコニア少女小説集成 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 126
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582767575

感想・レビュー・書評

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  • 山口晃展で原画を先に観て、本を見かけて読んでみた。
    後半のよくわからない文章はちょっとだけみたけど、菊燈台の余韻に浸りたくて今のところ読んでない。

    瀬戸内の悪党塩田主・百地の長者に売り飛ばされ、塩汲みの下人として働いていた、美少年の菊麻呂。
    同僚の男に迫られ、逃走したが失敗。
    彼を捕らえた長者は罰として、十日の間、油を満たした燈明皿をあたまの上にのせ、広間に立つ人間燈台(菊燈台)として宴の肴になって、やがて。

    登場人物がことごとく嫌らしい人々。なのに、話が少しも暗く陰惨な気持ちにならずに読める不思議。
    人間ってしかたない生き物よねーって。
    「宇賀の長者物語」をこんな解釈で広げられるのってさすがだなあ。
    そして、やっぱり山口晃の世界がとんでもない。
    日本的でいてミュシャのような印象もあり。
    話も気になるけど挿絵もじっくり観たくて、何で別々じゃないんだー!途中で挿し込むなんて!という気持ちに。挿絵なんだけども。

    • 111108さん
      shuwachoさん
      衝撃!山口晃さんって谷崎潤一郎の『台所大平記』の筆絵のイメージだったので‥。表紙の画像見てため息出ました。「日本的でい...
      shuwachoさん
      衝撃!山口晃さんって谷崎潤一郎の『台所大平記』の筆絵のイメージだったので‥。表紙の画像見てため息出ました。「日本的でいてミュシャのよう」本当ですね!
      2023/10/28
    • shuwachoさん
      111108さま
      「台所太平記」を初めて知りました!
      山口晃さんの多彩さに驚きます。
      山口さんといえば俯瞰図が素晴らしいですけど、人物画も漫...
      111108さま
      「台所太平記」を初めて知りました!
      山口晃さんの多彩さに驚きます。
      山口さんといえば俯瞰図が素晴らしいですけど、人物画も漫画も!なんですね。
      2023/10/29
    • 111108さん
      お返事ありがとうございます!
      鳥瞰図も素晴らしいのですね!山口晃さんもっとよく知りたくなりました♪
      お返事ありがとうございます!
      鳥瞰図も素晴らしいのですね!山口晃さんもっとよく知りたくなりました♪
      2023/10/29
  • これはすごいです。でも、すごいのは山口晃です。
    そこ、間違えないように。
    この本は山口晃のためのものです。
    絶対。

    • marie-tさん
      ちなみに、澁澤 龍彦はどれから読むのがおすすめでしょうか。いつも読みたいと思うのですが翻訳本も含めて目移りしてしまい結局触れずじまいです。質...
      ちなみに、澁澤 龍彦はどれから読むのがおすすめでしょうか。いつも読みたいと思うのですが翻訳本も含めて目移りしてしまい結局触れずじまいです。質問ばかりですみません。w
      2012/05/21
    • chiro128さん
      小説ならば「高丘親王航海記」から、エッセイでしたら「毒薬の手帖」あたりがよいかと思います。
      小説ならば「高丘親王航海記」から、エッセイでしたら「毒薬の手帖」あたりがよいかと思います。
      2012/05/21
  • 山口晃さんの挿絵が見たくて読んだ。
    物語の世界感とも合っていて、
    あの調子で淫靡で官能的な物語を他にも読みたい。

  • 物語本来の異形もすごいが、押絵があることで世界が広がっている。
    幻想ではなく心象世界。

    水と炎、北方さまと下人
    対比として絵に盛り込まれた
    少女∧男

  • 2013年9月29日

    ブックデザイン/鈴木成一デザイン室

  • 人魚に魅入られた若狭の美少年菊麻呂は、逢瀬の最中に人買いに攫われ、瀬戸内の悪党塩田主・百地の長者に売り飛ばされた。
    その浜で塩汲みの下人として苦役を課されていたが、逃走を企て失敗。
    菊麻呂を捕らえた長者は彼を苦しめるために、十日の間、油を満たした燈明皿をあたまの上にのせて夜が更けるまで広間に立つ人間燈台(菊燈台)とした。

    しかし長者が伊勢参りに出かける折、菊燈台は屋敷にひとり残る娘に与えられる。
    娘の部屋で夜毎なにが行われているのか、好奇心に負けた婢は戸の隙間からこっそりと中を覗く。
    そこに見えた倒錯の光景とは──?


    澁澤龍彦 ホラー・ドラコニア少女小説集成第弐巻の伝奇小説。巻末収録のエッセイは「少女コレクション序説」。表紙絵・挿絵は山口晃氏。

  • 澁澤龍彦の物語のイメージを拡げてくれる山口晃の挿絵が何よりも妖しく美しい。

  • せんよんひゃくえんのぶんこ。
    澁澤龍彦×山口晃とくれば買わない理由がない。
    見つけてよかった、しあわせ。

    無限的で淫靡で混然。
    好き。
    ただ、最後の解説が蛇足。
    最後の高丘卓の解題は的を大きくはずした読み違いをしていると思う。個人の感想思い込みにけちはつけないけどテストの要約で書いたら不合格になるレベルでいろいろあることないこと補完している。
    なんか、志乃のくだりは、ん??てなるんだが。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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