- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582635102
感想・レビュー・書評
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牧野富太郎の生涯と業績を豊富な写真で紹介。牧野の自伝などからの文章が折々に紹介されている。21歳の頃自由民権運動をしていた頃の写真などもある。
絵具や筆、画帳など描画の道具、実際の図、処女著作「日本植物志図篇」(1888-91 M21-24)、生家を家財整理し生活苦の中で発表した「新撰日本植物図説」(1899-1903 M32-36)、斯界を”アッといわせ”た「大日本植物志」(1900-1911 M33-44)の表紙の写真がある。「牧野日本植物図鑑」(1940 S15)の初版本の写真も。改訂するための赤い書き込みのある写真。
1926から1957の亡くなるまで過ごした練馬区東大泉の自宅写真も。現在は「練馬区立牧野記念庭園」となっている。
また没後家族から寄贈された未整理標本約40万点が東京都立大学東京牧野標本館としてあり、その内部写真も。標本を整理する際に標本が取り出されたあとの新聞が、東京大学法学部の明治新聞雑誌文庫で「牧野新聞」としてコレクションされている。総数約5千枚、タイトル517種。樺太から北海道、沖縄、中国、台湾、朝鮮、アメリカなどの発行地の今となっては珍しい新聞がある。写真では「満州日日新聞」「琉球月報」「沖縄砂糖月報」などのタイトルがみえる。
「練馬区立牧野記念庭園」
https://www.makinoteien.jp/
「東京都立大学牧野標本館」
標本は画像データベースになっていて検索できる。
https://www.biol.se.tmu.ac.jp/herbarium/
「東京大学大学院法学政治学科研究科附属 近代日本法制資料センター(明治新聞雑誌文庫、原資料部)」
http://www.meiji.j.u-tokyo.ac.jp/collection.html
2017.11.24初版第1刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
素晴らしい本を読んでしまった!!!
<本から>
私はかつて「帝国大学新聞」にこんな事を書いた事があります。それはすなわち「私は植物の愛人としてこの世に生まれ来たように感じます。あるいは草木の精かも知れんと自分で自分を疑います。ハハハハ、私は飯よりも女よりも好きなものは植物ですが、しかしその好きになった動機というものは実のところそこに何もありません。つまり生まれながらに好きであったのです。(以下略)
朝夕に草木を吾の友とせば
こころ淋しき折節もなし
わが姿たとえ翁と見ゆるとも
心はいつも花の真盛り
「花に対すれば常に心が愉快でかつ美なる心情を感ずる」
「何事も心が純正でかつ何時も体が健康で、自ら誇らず、他をねたまず、水の如き清き心を保持して行くのは、神意にかなうゆえんであろう」 -
牧野富太郎の伝記だが,タイトル「植物博士の人生図鑑」にあるように,富太郎の著作(詳細な植物画や手紙)や写真(人物,植物,蔵書)などが豊富に掲載されていて,文字通り「見る図鑑」となっている。だから,読みやすい。詳細な植物画には改めて驚かされる。すごい才能だ。
各ページには,簡単な解説があったり,『牧野富太郎自叙伝』からの引用があったりして,『自叙伝』を読んでいなくても,牧野富太郎の人生をある程度たどることができるだろう。
オニバスの幼株を首に掛ける博士の写真(1939年,77歳)は,富太郎を象徴している写真だなあ。
巻末には,「牧野富太郎略年譜」「おもな著作一覧」も掲載されているので,もう少し富太郎のことを詳しく調べてみたいという人の手引きとなるだろう。 -
バラの本で,日本の植物分類学の草分けとして牧野富太郎をしり,この本を読んでみる.四国の造り酒屋に生まれた牧野が植物に傾倒し,学歴がないにも関わらず日本の植物学の草分けになっていく.学者ではなく夢中人という感じか.来年には朝ドラの主人公になるらしい.
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植物を愛して、一生を過ごした人の記録。
表紙の写真をはじめ、どの写真も穏やかでとても幸せそう。
一つのことに愛情を注いで生きられる人生。
大変なことだけれど、羨ましくもある。 -
わたしは何かを続けることが苦手なのに、らんまんだけは見続けることができた。
わたしは案外植物が好きなのかもしれないと感じ、図書館へ向かい牧野富太郎の書籍を探した。
読んだあとより一層の植物と触れたい。近づきたい。そばに居たいと心から感じた。 -
たくさんの美しい植物画・牧野氏・関係者の写真。読みやすい文章。莫大な借金や学会との軋轢をものともせず植物愛に突き進んだ牧野氏の人柄が偲ばれます。「雑草という名の草はない。」名言
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摂南大学図書館OPACへ⇒https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50108484
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/718149