日本の怨霊

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 59
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582466027

作品紹介・あらすじ

この人たちは、なぜ怨霊となったのか?天皇家をめぐる暗闘に斃れ、正史から隠された死者たちの怨念の実相。鎮魂の古代史があきらかにする怨霊研究の白眉。

感想・レビュー・書評

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  • 怨霊好きなら読んどけ。って感じの一冊です。
    奈良時代(ちょっと平安も入る?)の三代怨霊、井上内親王・早良親王・藤原広嗣の三部構成ですがどれも怨霊に感情移入を感じられて面白いけどちょっと落ち着いて、って言いたくなるレベル(いい意味で)。
    それまでも早良親王に関しては色々調べてたけどこの本で初めて見る内容もありました。全体的に万葉集への思い入れが強い印象。
    かなり怨霊主体な論調だし独特の世界観でかなり強引だなーという部分もあるんだけど、それほど押し付けて来ないし「結局わからないから想像をたくましくしてみたよ!」みたいな感じで親しみがもてます。

  • タイトルからはオカルト的な内容かと思ったが実は勉強になる天皇にまつわる日本史の本。難しすぎず軽くなりすぎずの私にはちょうど良い感じの本で読みやすく面白かった。昔は天皇に権力があったから即位には陰謀策略で争いがあり死者が出た。無実なのに罪人として殺された人間は多数いただろう。この本を読むと怨霊とは生き残った人間が良心の呵責で作り上げたのものなのではないかと思った。

  • 井上内親王=白壁王呪詛
    皇后だけど斎王経験もあり不思議な世界に通じていそう

  • 読みかけとなっていた本です、最後まで読みたいと思っておりますが、現在このような本に部屋が占領されてきており、苦渋の決断ながら処分することに至りました。近い将来、この本を読破できる機会が来ることを願っています。

    2017.12.31作成

    途中までですが、気になったポイントです。

    ・藤原氏の戦略に都合の悪い制度があった、当時は一夫多妻制の皇室であったが、そこにはルールがあった。后一員、妃二員、夫人三員、嬪四員、后と妃は皇族出身、夫人は三位以上、嬪は五位以上が条件であった、この制度を変えさせようとする藤原氏と、長屋王に何等かの対立があったのかもしれない(p19)

    ・死後三年目というのは、土葬の場合、白骨化する。仮埋葬の形で葬る「埋め墓」と、その後に本埋葬する「本墓」は、瀬戸内海地域で広く行われていた葬送習俗であった、三年経過しても死にきれない者が霊となってこの世に舞い戻ってくるというのが、怨霊三年目出現の理由であろう(p26)

    ・驚きびっくりすることを「たまげる」「たまげた」と表現するが、これは「魂消る」「魂消え」、魂が体から抜け出た状態を指す言葉からきている(p31)

    ・即位後、桓武天皇になった彼が、奈良の都を捨てて、長岡京、平安京へと遷都していったのも、通説では東大寺を中心にした仏教勢力を敬遠し、天武系に染まった都から脱出するためといわれている、また伊勢神宮からも遠ざかる(p89)

    ・主人公の光源氏が都で犯した罪を贖うために、須磨・明石で謹慎生活を余儀なくされたのと同じ発想であるのは、奈良の都から大和国うち郡に幽閉されたのと似ている。須磨・明石は、大化の改新で都の西の境と設定された地である(p95)

    ・阪神大震災の1日前の夜(1995.1.16)、NHKの画像が酷く乱れて波が幾重にも重なっていた、夕方小さな地震があった(p116)

    ・空はいつも冬の夜明けと違って、異様に重い色に閉ざされていた。空は暗紅色や紫色に色分けされて、鈍く澱んでいた、淡路島の早良親王の怨霊が怒ったのか?(p117)

  •  奈良~平安期にかけて、天変地異や流行病の原因、つまりは「怨霊」とされた、政争の犠牲者たちの実相を照らし出そうと試みた、怨霊鎮魂の書。
     怨霊に対し、客観的にではなく同情的に書いている内容のため、専門書というよりもエッセイ寄り。なにより、怨霊研究を進めていく過程で、明らかに【怪談】としか言うほかない、自身に起きた不可思議な出来事も交えて書いているので、専門的な本が苦手な人でも、怪談が好きならば一度は目を通して欲しい、と思う本。

     奈良~平安期の怨霊史を書いた『日本の怨霊』を、『闇の考証』が補完してくれている感を受けました。扱っている歴史の範囲が半分以上被っているなんて、私、知らずに購入したのですが……。
     これも、怨霊のなせる業なのでしょうか?

     この2冊。セットで読むと、面白さ倍増。

  • 細部まで力のこもった筆圧。
    読み応えもよく、まとまりもあって良かった。
    もっと、読みたいくらい。

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