幹事のアッコちゃん (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
3.83
  • (86)
  • (199)
  • (132)
  • (13)
  • (1)
本棚登録 : 1904
感想 : 128
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575522600

作品紹介・あらすじ

アッコさん節、次々とサク裂! 妙に冷めている男性新入社員に、忘年会プロデュースの極意を…(「幹事のアッコちゃん」)。敵意をもつ取材記者に、前向きに仕事に取り組む姿を見せ…(「アンチ・アッコちゃん」)。時間の使い方が下手な“永遠の部下”澤田三智子を、平日の習い事に強制参加させて…(「ケイコのアッコちゃん」)。そしてアッコ女史にも一大転機が!? 大人気シリーズ第3弾待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 知らなかった!アッコちゃんシリーズ3冊目があることを!

    やらないよりやった方がまし=やらまし

    仕事はキリの良いところで終わらせる。この時間で終わらせると決めたら、目いっぱい集中して、終わっても終わらなくても帰る
    もちろん期限のあるものは100%守る!

    今回もアッコちゃんに振り回される人たち

    今までとの違いは、アッコちゃんの弱さとか本当の姿も垣間見えたところ!

    面白かった!

  • 『五日もあれば人は変われるの』という言葉を聞いてあなたはどう感じるでしょうか?

    『このあとおかしなセミナーに勧誘されるのではないだろうか』、『壺を買わされるんじゃない』だろうか、そして、『逃げるなら、今だ』、そんな風に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、よく考えると一つ気づくことがあります。”人は変われる”というこの言葉、もし、変わる必要など全くない、と思う方であれば、私は変わる必要などない、と胸を張って言い返すことができるはずです。そうではなく、この”変わる”という言葉に反応して、”逃げ”の行動を起こそうとするのは、”変わる”という言葉を自分自身の中で強く意識していることの裏返しなのではないでしょうか?人は現状に満足する生き物ではありません。現状が不幸せだと思うなら幸せになりたいと、幸せだったとしたら、もっと幸せになりたいと願うものです。そんな風に現状維持ではなく、常に変化を願う、それが人間という生き物なのだと思います。しかし、そんな変化が起こるためには、何かしら自分自身がアクションを起こす必要があります。”幸せは歩いてこない、だから歩いてゆくんだね”、まさしくその通りだと思います。しかし、どんな形であれ、変化には、そのはじめの一歩、起点が必要です。”変わりたいのに変われない”、そんな風に思っている人の多くは、その起点がないことに悩まれているのではないかと思います。そんな起点を何に見るかというのは人によって異なります。食事に、モノに、そして旅に、と人は何かしらにその起点を求めます。そんな中でも、それを人に求める場合が一番多いのではないでしょうか?

    ここに、そんな起点を提供し続けてくれる一人の女性がいます。それが、黒川敦子さん。『みんなアッコちゃんとかアッコさんって呼んでるよ』というその女性。そんなアッコちゃんが主人公たちの人生の”変化”の起点になっていくこの作品。柚木麻子さん『アッコちゃん』シリーズのトリを務める物語です。

    『大根、ちくわぶ、卵、ええと、はんぺんも。からしたっぷりで。焼酎のお湯割り梅干し入りもお願いしまーす』と鍋を覗きながら注文する営業二課の先輩である澤田三智子を横で見る久瀬涼平。『健気で、人の懐に入るのが上手い。一生懸命やれば必ず報われるといった風情』の三智子が時々無性に癇に障るという涼平は、『こんな知らないビルの屋上で、並んでおでんを食べるはめになっ』たことが不満な様子。『冷たい夜風に「おでんREMI⭐︎REMI」と店名が書かれたのぼりがはたはたと揺れ』る『狭い屋上』。その『三分の二を埋め尽くすような大テーブルで、三十名ほどの初老の男たちが楽しそうに』酒を酌み交わしているという場で、『生ビールサーバー』を背負って回る女主人。そんな光景を見ながら『ここ、いいお店でしょ。ネットで知ったの』と言う三智子は『ある人がプロデュースに携わって、こうして冬だけおでん屋さんになったんだって』と語ります。『あんまり会えないんだけどね、その人。あ、私の元いた会社の上司なの』と続ける三智子は『ほら、久瀬くんも、お酒飲めないにしても、何か食べれば?』と促します。『じゃあ、ロールキャベツ。こういうところって、なんだか不衛生な気がして嫌なんですよね』と返す涼平は除菌ティッシュでカウンターを拭きだしました。『えー。なにそれ、ひどくないですかあ?うちは毎日、お鍋もお皿もちゃんと消毒しているし』と割り込む女主人。『おでんっていうだけで、コンビニのレジ前を連想する』、『絶対に埃が入ってます』と言う涼平。そんな涼平に『あ、あのさ。忘年会のお店、決まった?』と訊く三智子。『実のところ、憂鬱でたまらない、一秒でも先延ばしにしたい度ナンバーワンの案件』と思う涼平は『…明日あたり、ネットで探して、評判の良い場所を予約します』と返します。『ちょっと適当すぎる…』と不満げに言う三智子に『モラハラじゃないですか。プライベートを割いてまで、社内の人間と過ごしたくない。そんな時間があるのなら、勉強やリサーチに充てた』いと言い切る涼平。『いい加減酔ったせいか、やり込められたショックなのか』テーブルに突っ伏してしまった三智子。そんな時『そこの君、話が聞こえてきてたけど、先輩を言い負かすなんて若いのになかなか骨があるわね。気に入ったわ!』とよく通る低い声がして振り向いた涼平。『あ、アッコさんだ‼︎いつからいらしたんですか?気付かなくてごめんなさい!』と瞳を輝かせる女主人。『澤田さんの元上司の黒川敦子さんっていって、あの「東京ポトフ&スムージー」の社長さん。みんなアッコちゃんとかアッコさんって呼んでる』と紹介を受けた涼平。『成功者と呼ばれる人種に生まれて初めて認められた気がして、大げさではなく目頭が熱く』なった涼平。そんな涼平は、翌日『あなた、幹事を嫌がっているんですってね。なら、いいことを教えてあげるわ。忘年会の極意』とアッコさんに話しかけられました。そして『今日から四日間、私の忘年会に参加なさいな』と指示された涼平。『え、今日から四日間も…』と不満げな涼平。そんな涼平がアッコさんが幹事の忘年会に通う日々の中で、その考え方が大きく変わっていくことになる、そんな物語がスタートしました…という表題作〈幹事のアッコちゃん〉。アッコちゃんはもとより、澤田三智子、そしてビールサーバーを背負った女主人・レミーなど懐かしい面々が登場して、読者を一気にアッコさんの世界に連れて行ってくれるこのシリーズらしさに溢れた好編でした。

    「ランチのアッコちゃん」、「3時のアッコちゃん」に続くシリーズ三作目として刊行されたこの作品。柚木麻子さんの代表作として私も大好きなアッコちゃんシリーズのトリを務める作品です。そんなシリーズの特徴は、『アッコちゃん』と書名にも冠される黒川敦子が、存在感は圧倒的だけれど決して主役にはならないという点です。この「幹事の」は四つの短編から構成されていますが、そのいずれの中でも、あくまで脇役に徹するアッコさんが、主人公の人生を前に進める役割を演じていきます。

    例えば表題作の〈幹事のアッコちゃん〉では、自分には『先を見越す能力』があると自信たっぷりなのに、会社には『古くさい体質が染みついている』ため、『部内で「つかえないやつ」呼ばわりされ』ていると、現状を屈辱的に感じている久瀬涼平が主人公を務めます。当初、『先輩を言い負かすなんて若いのになかなか骨がある』と涼平を褒めたアッコさん。しかしこの時点でアッコさんは涼平が抱える課題を見抜いています。そして『今日から四日間、私の忘年会に参加なさいな』と自身が幹事を務める様を見るよう指示をするというところから物語は動き出します。これが、このシリーズの典型的なパターンです。その短編の主人公がどういう人物か、何が課題なのかが読者に提示される週始め。そこから月〜金の五日間をかけてアッコさんと一緒に行動する中で主人公は何かしらの”気づき”を得ていきます。そして、週末には、前週の自分自身から一歩前に進んだ主人公の力強い姿を読者が見ることになる結末が描かれていくという、完全にパターン化された構成がこのシリーズの特徴です。そんな”水戸黄門”的なパターン化は、完全に美学とも言える領域に達しており、読者を心地よいリズム感の読書へと誘ってくれます。

    そんなこの作品は、実質的にこのシリーズの幕引きをはかる?位置付けの作品となっており、そんなパターンのヒントについて興味深い話が表題作〈幹事の〉の中でアッコさん本人から語られます。『私が五日間にこだわるのはね、小学校の頃の経験のせいよ。私は九歳までアメリカで育ったの』と語るアッコさん。両親の仕事の都合で先に一足先に帰国したアッコさん。『学校では浮いた存在だったわ』、『学校ではほとんど保健室で過ごすようになっていた』というアッコさんの貴重な幼少期の姿は今のアッコさんからはまるで想像がつかないものです。そんなアッコさんが立ち直っていくきっかけとなったのが給食(ランチ)にあったというその説明。この詳細は是非本編を読んで感じ入っていただきたいと思いますので、ここではこれまでとしたいと思いますが、ランチを何よりも大切にし、週末ではなく、月〜金の五日間での人の心の変化にあくまでこだわるこのシリーズの考え方の原点を知ることができました。

    そんな四編からなる作品の中で、異色に感じたのが、二編目〈アンチ・アッコちゃん〉でした。悪い人が登場しないこのシリーズにおいて、天下無敵のカリスマ的存在であるアッコさんがまさかの弱みを見せるこの短編。そこには、『あの女は優秀な経営者などではない。ただの「人たらし」なのである』というアッコさんへの辛辣な見方が登場します。シリーズを通して、悩んで立ちすくむ数多くの主人公たちに、再び前を向く瞬間を提供してきたアッコさん。そんなアッコさんに勇気づけられてきた読者も多々いらっしゃると思います。そんなアッコさんという存在に対して、この短編の主人公である編集者の赤井温子は、こんな風な見方で鋭く切り込んでいきます。『「コーチングの達人」としてネット上ではたくさんの逸話が流布されているけれど、彼女の言うルールにのっとって、ぽんぽんとステップアップするのは「もともと出来る」人間だけなのだ』というその考え方。良い人しか登場せず、パターン化された物語に対して右斜め上からの鋭い切り込みとも言えるこの表現。それは、『人は誰かの安直な励ましや美味しい食事なんかでは、変われない』という真意をもって語られるものでした。小説をたくさん読んできて、食事や、モノ、そして旅などをきっかけに何かを掴んで再び前を向いていくという主人公を描いた作品を多々目にしてきました。この語りはそんな全てを否定してしまうほど厳しい考え方でもあります。このシリーズを否定しかねない厳しい見方を入れていく柚木さんの気概を見せつけられるこの作品では、『この女の駄目でいい加減な部分をもっともっと知りたいだけ』、『知れば知るほど、黒川敦子は駄目な女だと思う』という暗い感情の中で行動する赤井温子のマイナスの感情が語られます。それは『黒川敦子のこの能力の正体とは一体なんなのだろう』という温子自身が抱く疑問を解き明かしたいという願望からくるものでもありました。”白・柚木”の代表作である『アッコちゃん』の物語に、まるで、”黒・柚木”の感覚を持ち込むかのようなこの短編。シリーズ最終作として、『アッコちゃん』の設定で展開できる物語のさらなる可能性を感じさせてくれる短編でした。しかし、この作品は、そんなマイナス志向の世界観を上書きする力を終盤に向かって見せつけていきます。

    『私は会社員時代からとにかく上の人にガミガミ言われる性格で、そんな先輩たちの集合体が「アッコちゃん」です』と自らの会社員時代を振り返る柚木さん。そんな柚木さんがおっしゃる通り、このシリーズを読んでいると、特に会社員をされている方には身につまされるような描写が数多く登場します。『仕事が終わるまでやろうと思うから、いけないのよ。仕事にキリのいいところなんかないの。自分で切り上げないかぎり、終わりなんて永遠に来ないのよ』と語るアッコさんの言葉、そしてそれを肉付けして、読者に強い説得力を持って語るシーンの数々には何かしら思うところが残る方が多いのではないでしょうか?そうです。その感覚。それこそがあなたの気づきの瞬間です。あなたが”変わる”起点となりうるものです。

    『変わらない。自分はきっと変われない』そんな風に自分自身で思い続ける限り人が変わることなどあり得ません。他人はどこまでいっても他人であり、自分に向き合うことができるのはどこまでいっても自分自身だからです。また、そもそも自分だけが『変わらない』というのは見方によっては随分と凄い能力がある人とも言えます。世界の多くの人間の中で、なんとあなただけが『変わらない』ということがあるとすると、それはとんでもない特殊能力とも言えます。そう、そんな特殊能力を持った人がいるはずもなく、人は誰もが平等に”変われる”能力を持っています。しかし、どこまでいっても”変わる”には起点が必要です。数々のテレビヒーロー達も起点がなければ変身することはありません。そんな起点を与えてくれるもの。それは、人それぞれです。食事であり、モノであり、そして旅である、それはなんだっていい。大切なのは”変わること”。そして顔を上げ再び前を向いて歩いていくこと。そんな起点をアッコさんという女性に見出すこの作品。パターン化された物語の中に、丁寧に描写される人の心の変化とそれを説得力のある描写の肉付けによって読み応えのある物語として描き出したこの作品。

    次回作は?という問いかけに『「またどこかでお逢いしましょう」という感じですかね』と答える柚木さん。アッコさんに逢えるなら是非ともまた会いたい。でも、もし会えなくてもこのシリーズを読み切った読者ならもう大丈夫。アッコさんが伝えようとしてくれた数々の気づきは、読者それぞれの胸の内にしっかりと刻まれたはずだから。

    …とレビュー後半にちょっと熱くなってしまいましたが、「幹事のアッコちゃん」、そしてこの『アッコちゃん』シリーズは、人が生きていく中で大切なことを気づかせてくれる、前を向くためのきっかけをくれる、そして、読者の心の中にいつまでも残り続けるであろうとても素晴らしい作品だったと思います。

    柚木麻子さん、素晴らしい作品を、そして素晴らしい気づきの機会を与えてくださって、どうもありがとうございました!

    そして、アッコさん、またいつの日かお会いできることを楽しみにしています!!

    いつまでもお元気で!!!

  • 3冊サクっと読んでしまった。
    後味良し!テンポ良し!隙間時間に良し!
    女性には尚良し!かな?

    この作品に出てくる女性は、何処にでも普通にいるような、特別な女性でもないのに、どんどん変わっていく。

    ひょっとしたら、自分にもそんなチャンスがあるんじゃないか?って思ったり、どこか前向きな、明るい気持ちに変えさせてくれる作品。

    会社の休み時間に読んでいたら、隣の部長から、
    あ!それ面白そう!終わったら貸して!!っと言われた(笑)
    確かに、うちの部長が好きそうな作品かもしれない。貸してあげよう(*^^*)

  • 久しぶりに読んだシリーズものなので今までの話を思い出せるかなと心配したけれども、これなら前作を読んでいなくても楽しめるかも。
    一癖二癖ある登場人物に主人公はこれまた真剣に関わり変わらない前向きさと貪欲さが暑苦しくないのは彼女も沢山傷ついていてそれを隠さないからなのかも。彼女に関わった人達は劇的に変わらずともほんの少し前を向けるようになり自分を自分で認めてあげれるようになっていく。素直さと好奇心と立ち止まらなければ人は幸せになれるのかな。彼女の言葉はするどくてけれども温かい気持ちになれる。

  • 今回も強烈な風体(黒電話の受話器のヘアスタイル)のアッコちゃん(黒川敦子)の振る舞いに元気をもらう。冷めた男性社員に飲み会の幹事の方法を伝授、アッコに憧れる記者にコミュニケーション方法を伝授、毎日夜が遅い女性社員に時間の使い方を伝授、アッコの会社にM&Aを持ちかけるアッコの可愛い後輩に、自分の落とし方を伝授する。ただ、従業員157人のトップに立つアッコの孤独、大変さも認識でき、楽しく仕事をすることの大切さを教わった。最後、アッコがヤンキースタジアムで恵方巻を売る姿に商売人としてのプロの姿を感じた。

    • アールグレイさん
      ポプラ並木さん
      ・・・・最低~!まさか本当に副反応に悩ましされるとは・・・・・
      昨日朝、なんかポッポッして・・・37、9℃。ヒェー(>_...
      ポプラ並木さん
      ・・・・最低~!まさか本当に副反応に悩ましされるとは・・・・・
      昨日朝、なんかポッポッして・・・37、9℃。ヒェー(>_<)
      頭痛もしてきて・・・・
      昼間は38、1℃。腕は前回より痛いし、吐き気がなかったのがせめてもの救い。
      まだ怠いし、少し頭痛が残ってる。
      昨日が日曜で良かった!
      もう少しで読了してレビューupできたのに。
      あ~ァ((・o・)
      2021/09/06
    • ポプラ並木さん
      ゆうママさん、最低!って、自分の事だと思ってよく読んだら、コロナワクチンの副作用でしたね。経験者は語るで、ちゃんと言ったじゃない~、副作用あ...
      ゆうママさん、最低!って、自分の事だと思ってよく読んだら、コロナワクチンの副作用でしたね。経験者は語るで、ちゃんと言ったじゃない~、副作用あるよ~って。でももうすぐ治まると思うよ。ゆっくり休んでくださいな。UPはそれからでも大丈夫です。ではでは。元気なUPを期待して!!
      2021/09/06
  • 前作を読んでから ずいぶん時間が経ってしまって すぐにアッコちゃんの世界に入り込めるかな?と思いつつ読み始めたけど 心配ご無用 瞬時にアッコちゃんの世界へ。面白かった〜。しかも ものすご〜く濃い〜 笑。
    柚木さんの本はどれも大好きだけど 中でもアッコちゃんはやっぱり別格。
    読み終わってすぐ思ったのは これってハウツーアッコちゃんじゃない?。ハウツーというか アッコちゃんの成分というか アッコちゃんはこれで出来ているみたいな 笑。
    ランチのアッコちゃん 3時のアッコちゃん は読むだけで何故か元気になれる 元気がもらえる。
    そんな有り難い本だったけど アッコちゃん本人については そんなに詳しくなかった記憶が。
    いまいち正体不明だけど アッコちゃん読むとなんか元気がもらえる的な 笑。
    今回は 元気がもらえるだけでなく その元気がもらえる秘密とアッコちゃんの正体が明かされた そんなイメージが湧きました。
    なので すごーく残念だけど アッコちゃんは三部作で終わっちゃうのかな?という喪失感も。
    なが〜いスパンでいいので たま〜にアッコちゃんに会いたいなぁ。会って背中を押して欲しいし ガチガチに固まったアタマや肩をガツンと揉み解して欲しい。柚木さーん ときどきアッコちゃんの処方箋をお願いしまーす。

  • シリーズ三作目。
    相変わらずバイタリティ溢れるアッコさんですが、今回はちょっと違った一面を見ることができました。
    三智子は社会人として一皮剥けましたね。
    終盤、シリーズの読み手としてはグッとくるものがありました。
    これで終わってしまうのかどうなのかは分かりませんが、綺麗な幕引きだったので寂しいです。
    個人的には続いてほしい作品です。

  • アッコちゃんシリーズ第3弾。厳しい中にも愛があるアッコさん。いつもカッコいいアッコさんだけど、脆いところもあって、こんな女性の下で働いてみたいと感じた。
    最後の章は、ちょっと切なくなってホロリとした。


    時間の使い方に対し印象的な場面があった。
    アッコさん→“FacebookもLINEもTwitterも楽しいわよ。アプリも役立つ。でも、一日30分以上もスマホとにらめっこに奪われるのは、私のライフプランには無駄だと判断して、ある時、全部やめたの。私がネットに触れるのは朝と夜のメールチェックと、仕事とプライベートの情報収集を兼ねた15分のネットサーファーのみ”

    三智子→そこまでストイックに徹する自信はまるでない。しかし、無意味に端末を眺める時間をかき集めれば、単行本一冊くらいは読めるし、ネットのそちら側からやきもきして眺めている相手に直接会う事が出来るのは明白だった。

    本当にその通りで、私もなるべくスマホを眺める時間を短くしようと実行中なので、共感できた。



    今回も相変わらず、登場してくる食べ物が美味しそうで、梅干しを入れて炊いたおにぎりやアッコさんが作ったソースで作る焼きそばが食べたくなった。

  • アッコちゃんシリーズ3作目。4つのお話が収録された連作短編集。
    ちょっと出来すぎかなってくらい上手く話がいくんだけど、本当に読んで元気になれる小説。

    ゆとり社員が任された荷が重い忘年会の幹事「幹事のアッコちゃん」
    雑誌記者が目論むいじわるなアンチ記事の「アンチ・アッコちゃん」
    素直なアッコさんの部下相手ではない2篇のお話から、アッコちゃんこと黒川敦子さんの素顔が少しずつ明らかになっていきます。

    あとの2篇は三智子をお助けする「ケイコのアッコちゃん」
    そして「祭りのアッコちゃん」。
    最後の方は寂しくて泣けてしまった。

    いつもながら、ご飯の描写が美味しそう。
    つやつやの梅干しご飯と焼きそば、秘伝のソース。
    いい匂いがしてきそうでした。

    「どんなに離れた場所にいたって、私たちは相棒、コンビなんだから。M&Aは三智子とアッコ、のイニシャルでしょ」
    こんなこと言っちゃうアッコさん、やっぱりかわいいな。


  • シリーズ③
    これで完結⁈それも納得だ。

    アッコは威圧的で自信満々だけど、他者を見下したりしない。何より愛があり、自分に素直、そして年齢問わず相手を尊重する。

    表題他に【アンチ・アッコちゃん】【ケイコのアッコちゃん】【祭りとアッコちゃん】全4話。

    本書は第1弾「ランチのアッコちゃん」の澤田三智子が成長して全話に登場。
    【祭りの…】ではアッコと三智子の関係に感激した。

    そこらの(失礼)自己啓発本よりよほど勇気と元気をチャージできるシリーズ!
    特に「ランチの…」と本書「幹事の…」が好み♡
    ありがとうアッコちゃん♡

全128件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×