タカラモノ (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
4.08
  • (124)
  • (113)
  • (67)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 1555
感想 : 130
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575522358

作品紹介・あらすじ

ママはときに男と出奔する、どうしようもない母親だ。けれどその自由な生き方に魅了され、誰もが彼女を愛してしまう。人を好きになるということは? 勇気を与えるということは? 「幸せになりたいんやったら、誰かのせいにしたらあかん」「どうぞ、グレてください」型破りなママから、わたしは人生でなによりも大切なことを教わっていく――。著書累計220万部超のビジネス書作家が贈る、最高のエンタメ小説!
(※本書はポプラ社より『ママの人生』として単行本刊行された作品を改題・改稿したものです)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なにがその子にとって
    一番良い人生なのか?

    親だって自分の人生で
    経験した事を知るのみ。

    そのわずかな経験値に
    照らして、

    ああしろ、こうしろと
    五月蝿く言わないこと。

    その子の人生はその子
    だけのもの。

    世間とか、常識とかは
    まったく及ばないこと。

    そんなことよりもその
    ままのあなたを愛して
    いると伝えたい。

    もっともっとたくさん。

    子どもはそれを杖とし、
    この先の人生を歩んで
    いくのだから。

  • 母親はこうあるべきっていうカチカチに凝り固まった世のお母さん像を爽快にぶち破ってくれる作品。
    この母親がね、無茶苦茶なの。でもね、愛はあってね。
    人の目なんか気にしない母。常識がないと思われようが、周囲に自分の娘が可哀想だと思われようが関係ない。
    それで苦労してきた面があるにも関わらず、娘が母を大好きなのは、無茶苦茶な母だけどとても魅力的で、何より自分を愛してくれていると知っているからなんだろうな。
    母の胸を打つ名言がいっぱいあった。
    私も自分の気持ちに正直に生きていきたいな。

  • ☆4.5

    最初は破天荒なママの言動に驚かされてしまい、なかなかついていけなかったのですが…いつの間にかママの魅力に惹かれていて、ママの真理をつく言葉の数々にすっかり魅了されておりました!(印象に残ったママの言葉に付箋をつけていたのですが、気付いたら本が付箋だらけに!?)

    また何回も読み返したいと思える、素敵な作品に出会えました(*´˘`*)

  • 面白かったです。
    母親と娘の関係にちょっと理解出来ない部分もありましたが。
    真っ直ぐに生きている正直な母親を娘が大好きなのが分かります。
    ちょっとお母さんのしたことが何となくで許されてしまっているのが???でしたが。
    自分自身を愛する事を教えてくれる素敵な母親なのだろうなと。

  •  破天荒、自由奔放な母親と自分に自信をもてない次女の関わりを中心とした家族の物語で、とても自己肯定感が上がる内容でした。
     娘が小学生の時から社会人になってまで、「あなたはママの〝タカラモノ〟」と言い続け、どこまでも味方になり励まします。子どもの成長の発達段階に合わせ、前向きになれる助言は、時に笑いを誘いますが、痛い思いをしてたくさん失敗した母親のものだからこそ、じわじわと心に沁みて感謝につながっていきます。本書の中には、こんなママの名言が実にたくさんあります。
     仕事、人間関係、生き方等々悩みを抱えている人に、一読をすすめます。きっと前向きな気持ちになれると思います。

  • 少し型破りな"ママ"
    でもいつだって真っ直ぐで嘘がなくて、間違いなく子供を愛している。
    そして、一歩間違えばグレてしまうような環境でも、ママの愛情を間違えずに受け止めて素直にそだった主人公。
    とても心温まる話だった。

  • 親子ってなんだろうか?
    主人公の「ほのみ」にとって、ママは、「お母さんという気配を全然身につけていない女の人」だが、ママにとって、ほのみは大人になっても「タカラモノ」だ。
    ママは、ほのみが困ったときに、ママなりに励まそうとする。的外れなことを言ったりもするけれど、そんないつも明るく振舞う姿を、ほのみは心のどこかで信頼しているし、だからみんなに好かれている。
    言葉は、プラスにもマイナスにもなる。ただ、プラスになることは、自分が元気じゃないと、なかなか言えない。
    辛いことがあっても、子供の前でも明るく振る舞うことの大変さは、大人にならないとわからないものだ。
    時間が経ってみないと、わからないことは多くて、その瞬間が訪れるたびに、人は成長を実感する。ほのみも大人になって、自分が「プラスのかけら」を集めてできていることに気づいた。
    全編を通して、自分の中で特に気に入った、ママの言葉は「相手の思う壺に入ってるのと同じ。ママの壺貸そか?」だ。
    「思う壺」は例えだけれども、実際の壺を想像してみると、うわ、やだな。と拒否したくなる。でもそれにはなかなか気づけない。気づけないからこそ相手の思う壺なんだろうと思う。だから、思う壺に入りそうになったら壺を想像する。変な解決策だけど、効果覿面のような気がする。
    また、ママのセリフで「素直になったらわかるで。自分のど真ん中に聞くの。」も素敵な表現だと思った。
    何かを決めなければならないとき、その後のことをどうしようか考えたり、後になって振り返って後悔しないようについつい考えてしまうもの。だけど、そうじゃなくて今の自分の素直な気持ち、過去や未来じゃなくて、「ど真ん中」にある自分の気持ちに問いかけることが、答えを見つけることなんだと。「現在」ではなく「ど真ん中」という表現を使ったところが、ママらしくていいな、と思った。
    本の至る所に落ちていた「プラスのかけら」そのカケラを拾って渡せるような、そんなママのような人間になりたい。だからまずは、自分の周りにあるカケラを集めることから始めようと思う。

  • 自由奔放なママと振り回される娘、ヤレヤレと面倒をみる娘なんて有りがちな展開と思いきや、ママの発言の数々に頭が下がる。
    初めはそのセリフも何となく読み飛ばしていたが、ドンドン入ってくる。ママ自体は意識か無意識なのかわからないが、娘を思う言葉が優しい。本当に愛してるのが伝わる。それも押し付けがましいわけでも、説教くさい訳でもなくママ自身の言葉なんで嘘がなく素直に聞ける。

    最後はまさかのママの退場には驚いたが、ほのみもパパとうまくやっていけそうで良かったのでは。
    年始めに最高の一冊でした。

  • 普段、自分からはあまり手に取らないであろう雰囲気の本だったが、立ち寄った書店で大変目立つ積まれ方をしていたので物は試しに購入。

    なるほど、主人公・ほのみの人生を、小学生時代からすっかり大人になるまで我々が伴走する感じの作品か…どれ…お母さんのキャラがキレッキレだな…お父さんはわかりやすい嫌われ者だな…お姉ちゃんともほのみは上手くやれるのかね…しかしお母さん凄いな…

    お母さん凄いな!

    飄々としたお母さんの口から数多放たれる、含蓄に富むお言葉の数々がとにかくいちいち胸を打つ。
    大袈裟でなくお母さんの発言の5割くらいがお洒落な言い回しや格言のようなもの。
    これだけキラキラした存在感を放ち物語を動かしてきた、’読者にとってさえ’お母さんのようなキャラが退場するとなったら、そりゃ読者としても喪失が大きいし情も移っているしシンプルに悲しい。

    それはその通りなのだが、どうにも作品全体のバランスとして、なんだか歪さも感じてしまったのは否めない。

    厳密には母子家庭ではないにしろ父親との関係はほぼ決裂しており、自然と母娘の距離が縮まるのはわかる。わかるのだけど、これだけ奔放な母に対してのほのみの感情が単純化されすぎてやいないだろうか。
    2章最終盤・大学受験を間近に控えたタイミングに母が出奔した時点でほのみは強い怒りや失望を抱えた筈だし、事実私も身構えたのだが、なんと3章が始まって2ページ目で母は帰って来た。しかもその時に母が焼いたエクレアを食べ終える頃には「涙がまたエクレアにぽとっと落ちて、じんわりとしみ込んでいった。」(p109)と、和解してしまっている。あっけない。


    母から授かった金言・一緒に過ごした時間が『タカラモノ』であり、それらはしっかりと娘に受け継がれ、また他人にも伝播し…というストーリー自体を否定はしないが、じっさい母と姉の関係はどうだったんだろう、とか、これ程の見識を持った母を惹きつけたミヤタの真の魅力は何だったのかとか、もっと描いてほしかった部分もあります。


    「『わたしはすばらしい』って」(p151)相手に思わせられるような夫でありたいし父でありたいし自分でありたい。


    1刷
    2022.7.10

  • とても自由人で、娘に平気で迷惑かけるくせに、いつでもどんなときでも、ほのみちゃんに自信を与え、一番の味方であり続けたママ。変わってる親娘関係だけど、義務とか責任とかでできたカタチだけの親子愛よりいいと思う。

全130件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

和田裕美(わだ・ひろみ)
作家、京都出身。
外資系教育会社での勤務経験から『世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本』を上梓しデビュー。著書の累計は230万部を超え、女性ビジネス書作家の先駆けと呼ばれている。『ファンに愛され、売れ続ける秘訣』『人に好かれる話し方』『人生を好転させる「新・陽転思考」』小説『タカラモノ』、そしてロングセラーとなる『和田裕美の営業手帳』など著作多数。華々しい経歴の陰にあった家庭環境や自身の極度な引っ込み思案を背景に書いた絵本『ぼくはちいさくてしろい』は、道徳科教科書『いきるちから』に掲載されている。NHK Eテレ「芸人先生」レギュラー出演、FM FUJI「WADA CAFÉ」パーソナリティーなどメディアでも活躍。
2023年、自身の小説『タカラモノ』を舞台劇化した。

「2023年 『2024 W's Diary 和田裕美の営業手帳2024(サックスブルー)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

和田裕美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×