贖い(上) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575521368

作品紹介・あらすじ

7月1日東京・杉並。小学校の校門に男児の切断された頭部が置かれていた。2日埼玉・和光。林で、中学生の少女の刺殺死体が発見された。3日愛知・名古屋。ス-パーで幼児が行方不明になる。これらの事件を追う捜査員の姿を丹念に描き、事件の背景、犯人の動機を重層的に炙り出す五十嵐ミステリーの新たな金字塔。ベストセラー『誘拐』で活躍した星野警部が、新たな相棒とともに難事件に挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 五十嵐貴久『贖い(上)』双葉文庫。

    『誘拐』にも登場した一風変わった刑事の星野警部補が再び難事件に挑む警察小説。

    一言で感想を述べるなら何も見えて来ないという面白さというのが妥当だろう。上巻に描かれる同時期に発生した三つの殺人事件。怪しい人物は冒頭から提示されているのに犯行動機が全く解らないので、犯人ではないのかもという思いも……事件の真相に一番近付いているのはやはり星野警部補なのだろう。

    杉並の小学校の校門に小学生男児の切断された頭部が置かれる猟奇事件、和光の林で発見された中学生少女の刺殺死体、名古屋のスーパー駐車場から消え、コインロッカーで発見された幼児の死体……三つの事件が同時進行で描かれる。小学生男児の頭部切断事件を鶴田里奈と共に捜査する星野警部補……冒頭から登場する定年間近の会社員・稲葉秋雄がこれらの事件の鍵を握っているのだろうか。

    タイトルの『贖い』の意味は……
    下巻に急ぎたい!

  • 面白かった!
    「贖い」は「あがない」と読みます
    タイトル通りの物語です

    上巻のストーリとしては
    東京、埼玉、愛知で子供が殺される事件が発生

    7月1日 東京の杉並で小学校の校門に男児の切断された頭部が置かれる事件
    2日には、埼玉の和光で林の中で中学生の少女の刺殺死体
    3日には、愛知のスーパーで1歳の幼児が行方不明になり、コインロッカーから死体となって発見

    それぞれの事件を刑事たちが追います
    東京の事件を追う星野と里奈、
    埼玉の事件は神崎と由紀、
    愛知の事件では坪川。

    そして、星野がマークする会社員稲葉
    事件の犯人は?
    稲葉はどうかかわっているの?

    それぞれの捜査が切り替わって話が展開していきます。
    真相にたどり着くことができるのか?
    さらに、この刑事たちの想い、そして過去。
    捜査を進めていく中で、その過去が明かされていきます。この辺も本書の読みどころ!
    特に、上巻の山場は由紀でしょう。
    逃げる参考人を骨折させるほどの暴力をふるった由紀
    その窮地を救った神崎
    ちょっとほっこりします(笑)

    とはいうものの、捜査はなかなか進展せず、このまま三つの事件が関連なく進んじゃうの?
    って上巻が終わってしまします(笑)

    ということで下巻に続く

  • 神崎と由紀の急展開に顔がにやけてしまった
    犯人や動機も気になるけど2人の今後も気になる
    下巻も楽しみ

  • 下巻へ続く。

  • 上巻、一気読みでした。東京、埼玉、愛知で起きた殺人事件。犯人は誰なのか?連続殺人なの?別々の事件なの?わからない糸が絡み合ってどんどん頁をめくっちゃいました。東京の星野警部と里奈、埼玉の神崎と由紀、愛知の坪川。それぞれの刑事を応援しながら下巻へ。掴み所が無いようでいてどしっと構えている星野警部が気になる!こちらを読み終えたら、星野警部シリーズ、第1弾の【誘拐】も読みたいな。

  • そのジャンルの豊富さと、ストーリーテリングで一度手を取ったらもう最後、気付けば最後まで読み進めてしまう、ジェットコースターノベルの担い手、五十嵐貴久さんの一作。
    文庫で約800ページというなかなかの長編ではありますが、とにかく読ませる読ませる❗️
    私、1日で読了してしまいました(^^)

    一都二県に跨って起こった幼児・児童殺人事件。
    その関連性は、そして犯人の動機は?
    事件自体はシンプルなものですが、それだけに余計な事を考える必要もなく、また作者お得意の場面転換が心地よくあっという間にグイグイ引き込まれてしまいます。
    犯人と思われる人物に前半から焦点が当てられているので、犯人探しのミステリーというより、ポイントはその動機という所になりますが、それですら、もしかしたらミスリーディングの可能性もあるので最後の最後まで感情移入できるのもgood pointでした。

    ただ前半部分、特に最初の30ページは事件が事件だけに読むのがキツかった…
    エンタメとしてよりも、目を背けてはならない現実の問題として向き合いましたが、作品中で触れられる組織の問題やイジメの構造・心理についての描写、そしてタイトルである“贖い”、これらを鑑みると、恐らくそれも作者の狙いかなと。

    作品としては《星野警部シリーズ》第二弾にあたるもので、(個人的に古畑任三郎を連想させる)この星野警部のキャラクターが何とも言えず素晴らしく第三弾の刊行が待ち遠しい。
    上下巻まとめての感想となりましたが、この作品が肌にあった方には、作品同士の関連性はそこまで深い訳ではないですが、第一弾の『誘拐』も面白いのでオススメですよ。

  • どう考えても犯人らしき人物が早めに出てくるのだけど、先の展開が全然読めず、でもテンポがよくて面白かった。

    怪しさしか感じないけど、動悸はなんなのだろう?
    もしかして実は犯人じゃないとか…?
    などなど考えながら読み進めていました。

    3つの事件が並行して進むので、いまどの事件の話だっけ?と混乱することはあったけど、続きが気になる。
    早く下巻も読みたい。

  • 複数の場所での事象が並行して話が進んで行く。そのため、かなりの登場人物が出てくるのだが、多過ぎて把握が大変なことこの上ない…
    読むのに時間がかかりました(ーー;)
    巻末か目次の後に登場人物のラインナップがあるとありがたかったなぁと。
    ただ、ぜひ根気強く読んでいただきたいです。
    下巻は面白い展開に。

  • 東京、埼玉、愛知で立て続けに殺人事件が起きる。
    被害者は、それぞれ小六、中二、一歳の子供。
    当初から、犯人らしき者が登場し、「WHAT」よりも「WHY」を主眼に置いた作品のようだ。
    物語は、犯人を追及する警視庁や各県警の刑事たちの地道な捜査活動が、交互に詳述される(誰がどこの警察の所属なのかを確認するため、人物一覧表を作ってしまた)。
    その刑事たちは、それぞれ何らかの過去を抱えており、行動に支障をきたす場面もあるが、捜査の過程でそれらが次第に明かされる。
    星野警部が犯人を確信しているような行動を続けるが、動機が解明されるのは、次巻のようだ。

  • 3つの事件と稲葉を知る人の目線で物語は進んでいく。
    3つの事件が短いスパンで切り替わるのでたまにゴチャゴチャした。
    普通に考えて稲葉が犯人なんだろうけど。。
    どんな真相が隠されているのか。。
    下巻はきっと辛い話なんだろうな。。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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