小説 この世界の片隅に (双葉文庫)

  • 双葉社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575519433

感想・レビュー・書評

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  • R2.7.24 読了。

     この作品は、テレビドラマで観て好きになり、アニメ映画でさらに好きになった。ノベライズはテレビや映画では見えなかった細かな心理描写もわかるのが良いですね。
     すずさんのおっとりとした雰囲気や戦後の食糧難な時でも前向きに生きようとしている姿にいつも勇気をもらえる。
     そして戦争の悲惨さや大切な人を失う絶望感や悲しみもけして忘れてはいけないし、繰り返してはいけないと思う。いつか広島市にも呉市にも行ってみたい。

    ・「わたしのこの世界で出会ったすべては、わたしの笑うまなじりに、涙する鼻の奥に、寄せる眉間に、振り仰ぐ頸に宿っている。」

    • sagamimusashiさん
      原作コミックもまた味わい深い名作ですよ。
      原作コミックもまた味わい深い名作ですよ。
      2021/03/06
  • 色々出ているなぁ、、、
    「この世界の片隅に」【原作コミック】こうの史代 | 双葉社
    https://www.futabasha.co.jp/introduction/konosekai/index.html

    株式会社双葉社|ノベライズ この世界の片隅に
    https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-51943-3.html

  • 呉から見た原爆。おっとりしてちょっとおっちょこちょいで絵を描く事が得意な「すずさん」。呉にある家に嫁ぐことになり、ボケをかましながらも暮らしていく。ワンシーン毎は短く軽いタッチで進んでいくが戦時中の「生活や暮らし」というものがすずさんの目を通してリアルに伝わってくる感じ。アニメ映画にはなかったシーンもあり作品の深みも増して満足。内容知ってても最後らへんは泣いてしまうね…。人類はどこに向かうんだろうね…人と戦ったり、ウィルスと戦ったり、病と戦ったり、社会問題と戦ったり…戦いの連続。どう生きても何かしらの問題は浮上してくるよね。生きるって大変よ…。そんな中で自分はどう生きるか見直すいいきっかけになる作品かと思う。

  • 連綿と続いていく生活

    朝と夜をなぞるだけの毎日で、ただただ消化していく時間。
    学校や仕事で家を出て、終われば帰ってくる。そんな繰り返し続いていく毎日が詰まらないものと思っていた。

    でも、そんなことはないんだと思わされる。

    理不尽に大切なものを奪われたりしたことがないからか、当たり前に過ぎていく毎日を、当たり前に感じてしまってる。
    それがダメだとか、昔を忘れないとかではないけど、昔は良かったではないけど、もっと大切に生きていきたい。

  • 僕は元来読み飛ばす癖があるのか、深読みが出来ないのか。ダメですね。
    この小説を読みコミック(それにアニメ)で読み取れなかった部分が補完されて満足しました。

  • 映画を観て,色々考えさせられたので,もうちょっと詳しい背景を知りたいと思い,まずは小説版を読んでみました。

    映画ではカットされていた,周作さんとリンさんのエピソードも述べられていました。
    このエピソードはあった方が,作品としても深みが増すと思います。

    実は心に残るセリフもあり,映画を一度観ただけでは流してしまっていたなあと少し反省。

    声高にテーマを主張していないのに,心に訴えかけてくる素晴らしい作品です。
    一度訪れたことのある呉の街を,また訪れたくなりました。
    次は原作である漫画を読んでみます。

  • たとえ戦時中であっても、たとえ愛する人を亡くしても、人は日常を生きていかなければならない。一人の女性の平凡な物語にこれほどハラハラしたのも初めて。電車の中とかで読むとヤバイです。涙腺崩壊します。

  • 面白い

  • 戦時中の人たちは本当に現代の私達とは比べものにならないくらい、タフだったと思う。

    配給制の食料、竹槍の訓練、警報、防空壕、消火活動

    それらが“日常”である日々は、どれだけのストレスを抱えて、神経を擦り減らして生活していかなければならないのだろう。

    すずさんの、天然でぼんやりとした感じが大好きだったから、右手を失う事故があったあの日を境に、すずさんが変わってしまったのか悲しかった。

    誰のせいでもないのに大切なものが失われて、奪われていく。明日は自分かもしれない。それでも今日を大切に大切に生きていこうとする人々の懸命な姿勢が丁寧に描かれた作品でした。

    映画を先に見ましたが、細かな描写や聞き取れなかった方言の部分の補填用にノベライズ版も読んでみました。映画の中の風景がそのまま文章に落とし込まれたような感じで、非常に読みやすかったです。

  • 「この世界の片隅に」こうの史代原作・蒔田陽平著、双葉文庫、2016.10.16
    246p ¥610 C0193 (2019.02.01読了)(2019.01.28借入)(2017.02.14/7刷)
    マンガの『この世界の片隅に』を読んだついでにアニメ映画のノベライズ版も読んでみることにしました。アニメ映画は残念ながら見ていません。
    内容は、マンガとほぼ同じようです。とは言え、マンガでは、直接ストーリーには関係の無いカルタやスローガン、時代風俗のようなものがありましたが、この部分は、アニメ版では省かれたようです。
    また、マンガ版では詳しく描かれていなかった周作とリンの関係や晴美さんがの死亡の場面が詳しく描かれています。広島に原爆が投下された直後の地面の振動の様子もマンガでは描かれていなかったように思うのですが、アニメ版では詳しく描かれているように思います。従って、物語としては、アニメ版の方がわかりやすい気がします。
    昭和8年の章で、すずが料理屋に海苔を納めに行きますが、納めに行く前に海苔を一枚使ってしまいます。マンガ版では、料理屋さんが一枚足りないと言っている場面があったように記憶しますが、ノベライズ版では省かれています。

    【目次】(なし)
    1 昭和8年12月22日
    2 昭和10年8月15日
    3 昭和13年2月18日
    4 昭和18年12月26日
    5 昭和19年2月23日
    6 昭和19年3月28日
    7 昭和19年4月17日
    8 昭和19年4月20日
    9 昭和19年6月15日
    10 昭和19年7月1日
    11 昭和19年8月
    12 昭和19年9月
    13 昭和19年9月18日
    14 昭和19年9月24日
    15 昭和19年11月
    16 昭和19年12月
    17 昭和20年2月
    18 昭和20年2月26日
    19 昭和20年3月19日
    20 昭和20年4月3日
    21 昭和20年5月5日
    22 昭和20年5月14日
    23 昭和20年6月21日
    24 昭和20年6月28日
    25 昭和20年7月1日
    26 昭和20年7月
    27 昭和20年7月28日
    28 昭和20年8月6日
    29 昭和20年8月15日
    30 昭和20年9月17日
    31 昭和20年10月6日
    32 昭和20年11月
    33 昭和21年1月
    34 昭和21年1月

    ☆関連図書(既読)
    「夕凪の街 桜の国」こうの史代著、双葉文庫、2008.04.20
    「この世界の片隅に(上)」こうの史代著、双葉社、2008.02.12
    「この世界の片隅に(中)」こうの史代著、双葉社、2008.08.11
    「この世界の片隅に(下)」こうの史代著、双葉社、2009.04.28
    (2019年2月4日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    すずは広島の江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19年、18歳で呉に嫁いだすずは、戦争が世の中の空気を変えていく中、ひとりの主婦として前を向いて生きていく。だが、戦争は進み、呉はたびたび空襲に見舞われる。そして昭和20年の夏がやってきた―。数々の漫画賞を受賞した原作コミック、待望の劇場アニメ化。戦時下の広島・呉を生きるすずの日常と軌跡を描く物語、ノベライズ版。

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著者プロフィール

こうの史代:1995年デビュー。広島市生まれ。代表作は「さんさん録」や、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞作「夕凪の街 桜の国」、アニメーション映画のヒットも記憶に新しい「この世界の片隅に」など。

「2022年 『ぴっぴら帳【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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