- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575519358
感想・レビュー・書評
-
小さな嘘で周りの人をどんどん幸せにしていくスーパーおばあちゃん。
いろいんなエキスもところどころに仕込まれていて、読んでいてどんどん引き込まれていきます。
立禅をやってみようと思いました。
コミカルですが、老若男女 みんなにおすすめの一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全く関係がないのに、最近読んだ本とつながっていくのでとても面白いんです。
今週読んでいた「医療ビジネスの闇」、とても読み応えがありました。
この中で、日本はどんどん貧しい国になっていっている、それでも、まだ他国にない貴重な財産があってそれがあるから、だからまだ日本は救われる、というようなことが書かれていました。
これは、お金のことしか考えていないロックフェラー、ゲイツと対比して言っていました。善意と見せかけて、実は搾取と己の利益追求。
アフリカを救う、と見せかけて資源を根こそぎ略奪している中国を連想しました。
話が逸れました。
その本の中で日本が持つ貴重な財産のことを「社会資産」と言っていました。人々の間で信頼と安心、というお互いが抱く資本であり、この資本が少ない地域ほど犯罪が多く、さらに健康度も低い。
社会の最下層に位置付けられ、いくら努力しても這い上がれない現実を突きつけられた人は、犯罪により生きていくしかなくなる。そんな国はたくさんありますね。
なんとも悲しい現実です。
そのような社会になってしまうと、ピラミッド頂点にいるお金持ちの健康度も下がっていくと言われています。
さて、本書「ひかりの魔女」。
このおばあちゃんは、極めて自然にひとのこころを動かしていきます。
実に気持ちがいいです。
人を動かすのはお金ではなかったですね。
車を買うときに、車が気に入って買うのではなく、あの営業マンが喜んでくれるなら買おうかな、と思ったことはないでしょうか。
人柄、人脈、感謝。
あの人が喜んでくれるなら、やろうかな、きっと喜んでくれるに違いない。
喜んでくれたら私も嬉しい。
そうするとお金も、イワシの煮つけもついてくる。
なにより毎日健康でおいしく、楽しい。
同じ生きていくなら、おいしいほうがいいですよ~ -
とても心温まるストーリー。
最近、年齢を重ねてきたためか、ほんわかした優しいストーリーの本がお気に入りです。
とかく、自分の考えとか思いと異なる事を否定し、そのような発言をしてしまう事が多くなりがちですが、温かく見守るという強さを改めて感じた本でした。
ひなた弁当、ひなたストアに続いて読んだ山本甲士さんの本。
今回も楽しませてもらいました!!!
おススメです。 -
浪人生の光一は、地元の会社に勤める父ちゃん、惣菜店でパート勤めをしている母ちゃん、中三で反抗期の妹・光来と四人暮らし。
少し体の不自由だった父方の伯父が急死し、同居していたひかりばあちゃんが、25年ぶりに光一たちの住む家に戻ってくることになった。
今でもばあちゃんを心から慕う書道教室の元教え子たちを訪ね歩くうち、光一は少しずつ、いつもにこにこと笑顔のばあちゃんの秘密を知り、只者ではないと思うように…
山本甲士さん、初読。
いるかさんのレビューのおかげで、初めて手に取りました。
少しコメディタッチで、トントンと話が進んで、軽い気分転換にちょうど良かった。
ばあちゃんの処世術は、ちょっと人たらし術っぽいところもあるけれど…とびきり美味しいご飯やお惣菜を作ること、杉板を軽く割るまでの鍛錬なども、只者ではないわけで。
“薄い紙も重ねれば分厚い束になる”というのは名言だと思った。
苦労して育てた息子二人が、ばあちゃんの教えを受けて成長したにしては要領の悪いところがあるのはちょっと不思議だけれど…
少なくとも光一の父ちゃんは、子供二人に「光」の字を入れて名付けたくらいだから、母親のことは大好きだったんだろうなぁ。
“ばあちゃんのマインドコントロール”のカラクリに気付きつつほぼ信者になっている光一くんが、この先どう成長するのか、続きも読んでみたい。 -
こんな、ひかりおばあちゃんみたいな人がいるとしたら、それは本当に魔女!優しい嘘を使って相手の為に…ステキなでしゃばり方?をして最高の結果をもたらす。
やっぱり魔女でないと…人間ではこうはいかないな。でも全体的に嫌味じゃなくて優しい気持ちで読めたのは良かった。 -
また、まんまとしてやられたという感じ。
山本甲士さんの気軽に読めるこの本には確かにハッピーになる魔法がかかってますね。 -
双葉社文芸Webマガジンカラフル2013年1月〜12月掲載のものを2014年3月双葉社から刊行。シリーズ1作目。2016年10月双葉文庫化。新刊さっちゃんの巻を見かけたので1作目を読んで見ました。光一の家族が、幸せになって行くのが、昔話のわらしべ長者のようで面白い。これは、魔法の物語で、おばあちゃんは確かに魔女です。下杉正子さんの表紙絵も素敵でした。
-
このばあちゃん、タダ者じゃない!!!
自宅で浪人中の光一のもとに、85歳のばあちゃんが引っ越してきた。認知症になったり、転んだり、迷ったりされたら困る……母からばあちゃんを1人にしないよう言いつけられ、光一は出かけるばあちゃんに付き添うことに。そして少しずつ、ばあちゃんの本性が現れはじめる。瞬間移動、宗教じみたポーズ、人心を離さない術、なんでも解決してしまう術、家にあるお米で信じられないくらい美味しいごはんを炊く術、、、
このばあちゃん、いったい何者なのか!?
本当に楽しく読みました。
おばあちゃんが、ご飯を炊いてくれるシーンがあるのですが、もうお腹が空いて空いて、頭の中が白米でいっぱいになりました……。
出てくる登場人物が、見事におばあちゃんの信者になっているのですが、本当に魅力的なおばあちゃん!!
人に対してとる態度、じぶんも見直してみよう!そう思いました。
なんて楽しい本なんだ〜わたしもばあちゃんの信者になりました(笑) -
浪人生の光一一家は離れて住んでいるばあちゃんを引き取ることに。
渋々同居を始めた一家だが次第にばあちゃんの魅力によって幸せに変わっていく。
こんなスーパーばあちゃんがいたら頼りたい。ぼのぼのするお話でした。 -
読みやすい文体でさらっと読むことができました。
語り手である主人公がなかなか想像力豊かなので、読者としてはばあちゃんにツッコミを入れる主人公にツッコミを入れつつ読む感じになります。
「優しいうそ」というのは、とかくギスギスしがちな世の中で人の心を包み込んでくれるものなのだな、と思いました。
少しでも自分の都合を考えてしまうと優しいうそはなりたたないように感じます。
さらっとした人情話を読みたい人にぴったり。