- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575519112
感想・レビュー・書評
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あらすじを読んで「入れ替わりネタか、よくある話かな…戦争関係の話は重いし暗いからちょっと気が進まないな」と思ったのですが、読み進めるとさすが荻原さんといったところ。
たしかに重くて暗い部分もありますが、その中での幸せやおもしろさを心地よく散りばめてくれて、「つらいから読みたくないな」という気持ちにはなりませんでした。
むしろ、これからどうなってしまうのか、続きが気になって止まりません。
荻原さんは、自分が経験されたわけではないのに、対象のもの、雰囲気をリアルに描写されるのが本当に上手なので、戦争、サーフィンを経験したことのない自分も、まるでその場にいるような臨場感を味わえます。
他の方の感想で、この小説を元に映像化された作品があることを知れたので、探して見てみます。 -
おもしろかった!
時代が変われば、考え方も変わるのかな。
自分の考えとか言っているけど、それは周りの環境にかなり左右されているわけで。
産まれた時からスマホで何でもできる子ども達はどういう考えになるんだろう。
最後の終わり方が…気になってしょうがない!! -
予科練の特攻隊員と現代の若者が入れ替わってしまうタイムスリップもの。
最終的に特攻は回天になるんだけど、最初から回天の練習生にしなかったのは「特攻」のイメージと「回天」の一般への知名度の問題だと思う。マニアの壁を考えなければ、最初から「回天」にするだろう。特攻隊員が現代に来たときに「異世界」であると少年倶楽部の小説から思いつく。当時から「異世界」という概念はあったのです。
で、この物語の仕掛けは、入れ替わるということで、同時並行で現代と太平洋戦争末期が描かれるます。この手法は使えるかなと思うのです。異世界転移したときに現代人が異世界に行くだけではなく、異世界から現代の方にもやってくる。等価交換、質量保存の法則みたいな感じで。
それが魔王討伐中の勇者でもいいし、なにか異世界で重大な役割をもっていた何かする。
そして、現代、異世界両方の世界をクロスさせ描写する。全然関係ないと思われる場面を描き、それが1本の物語に収束していく形は、高野和明氏の「ジェノサイド」とかホラー、サスペンスなどで多く使われている手法なのだけど、ちょっと違うか……
この手法はWEB小説には向かないと思うし。
お互いが違う世界で困惑し元の世界に戻ろとする話はありかと思う。 -
1944年に生きる海軍兵の吾一と、2001年に生きるフリーターの健太が、飛行機の墜落とサーフィン中の事故によりタイムスリップで入れ替わってしまう。それぞれの時代に慣れるべく必死な2人の努力はコミカルだが、現代人だからこそわかる戦争の愚かしさや、戦時中の人間だからこそわかる現代人の平和ボケが、小説なのにリアルに伝わるのが面白い。ラスト、2人は元に戻れたのだろうか。
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現在と過去のギャップ、その現実に必死になって適応していく健太と吾一。少し笑えて少し泣けて、戦争の愚かさが悲しくて切ないとっても良い小説でした。5つ星⭐️どころか10っこ星⭐️でした。
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え、え~。
後は、読者に任せるってか!
でも、なんかいい。
出てくる子たちもいい子だね。
こんな話もあって、そして読んでほしいねえ。 -
最近のお気軽読み本の中ではいちばん面白かった
オーソドックスなテーマであり、ベタベタなストーリーで、展開はひとつしかないのだけれど、
エンディングはそうくるか?!ということで賛否併記ができますね
でも、ミナミちゃんのある一言で、どちらが戻ってきたか分かるようになっているような気がするのだけれど……
うがち過ぎかもしれないけどね
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“根拠なしポジティブ”の現代のフリーターと、昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れかわった!それぞれの境遇に順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが…。おもしろくてやがて切ない、愛と青春の戦争小説。