晩鐘(上) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517798

感想・レビュー・書評

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  • Rさまオススメの乃南さん
    風紋から7年後のお話。上中下巻の上巻。
    内容としてはさらにとんでもないことになって先が気になるところ。
    しかし、真裕子のその後が危うすぎて悲しいのと苛立つのともやもやしてしまう。
    大輔の年齢とのバランスには自分の想像力が追い付かない。
    二人ともこのあとどうなるのか?
    一気に読むというより、じっくり読み進めたい。

  • 風紋(上・下)の続編。
    7年後のそれぞれを描く
    上・中・下の3冊

    前回の犯罪加害者の奥さんは
    気持ちよいほどの変貌を遂げる。
    子供は祖父母へ預け
    働いてはいるが自由奔放に生きる。

    一方、被害者の娘は・・・
    相変わらず心の傷が深く
    ひと言で言えば・・・
    ソロソロ立ち直っては?
    と言いたくもなるが
    たぶん・・・このかわらなさから
    物語が始まるんだろう。

    クドクド続くが
    先が気になって
    辞められない。。。
    これが「はまる」と言う事だろう。

  • 感想は下で

  • 風紋から7年後、加害者と被害者の家族のその後を描いた名作。
    母を殺された真裕子。新聞記者・建部。父が殺人者となった大輔。それぞれの人生は途方もない道筋を辿っていく。
     レビューをわけていない為、3冊通した後の感想をわけて掲載する。

     加害者の子供(大輔と妹)達は、祖父母の家で暮らし、父親が殺人犯である事は知らない。
     母親も事件後、生活が大きく変化し、実家に子供を預けたまま。
     少年はとても大人びており、少しずつ運命に導かれていく。
     彼の描写は何処か危なっかしい。既に身体は大人と同様であり、周囲から少し際立っている。
     少年の葛藤描写は少ない(葛藤というか、心理描写はたくさんある。)が、描かれていない祖父母の慟哭、母親の後悔はありありと感じてしまう。
     不幸な人物達を更に不幸に描いており、被害者家族には救いがない。最後、父親は何を思い、感じたのだろうか。

  • まさかあの時の加害者家族が、今度は被害者家族になるなんて…。7年前の事件が読んでいる方にも未だに未解決に感じ、あの時の被害者はいつかは幸せを感じる時を過ごせるようになるのか…。いろいろな思いを感じながら読んだ上巻。これから中、下とどう進み結末を迎えるのか。

  • 小学生の心情としてはかなり大人びててピンとこない…


    真裕子は前回の風紋より人間味が出ててよかった。
    前回は真裕子という人物像がつかめなかったから。

    真裕子を取り巻く人間が勝手過ぎてそりゃー人間嫌いになるわ。

    風紋で父と姉が散々クズだったけど、今回も反省してると思えない態度や言動で、私なら縁切りたくなるわ。

    挙句に後妻や血のつながらない弟までできてるし。
    よくあんな父親に再婚相手みつかったわ。
    その弟もかわいげないし。
    全体的に取り巻く人たちにイライラした。

    けど、それなりにハマる。

  • 息子がいるから、読みながらどんどん辛くなってしまって、先へ先へ救いを求めて手が止まらなかった。なんと悲しい結末なんでしょう。これが現実なのかな。。。

  • 被害者遺族だった真裕子が少しずつ幸せへと向かう中、
    加害者の家族はどんどん不幸の方へと向かっていく。
    結果、主婦殺しの高校教師は、
    その息子の姿を持って己の罪深さを、心底悔いるのだが、
    それは何ともつらい結末でした。

    加害者家族も、被害者家族も、
    どちらの家族もある意味、事件の被害者であり、
    それはどこまでも、どこまでも、死ぬまで苦しめるという事を、
    改めて感じた作品でした。

    心の繊細な動きの描写は、
    さすが乃南アサさんと言う感じでした。

  • 風紋の続きとは知らなかった。

    失敗したら面倒だし、冷静に考えても、苦痛や恐怖は嫌だった。だから生きている。それだけだ。

  • 「風紋」では被害者の家族。こちらは加害者の家族に焦点を向けた作品。主人公は加害者の息子、当時幼稚園位だった子が小学校高学年になっている。私学の教師の妻だった加害者の妻はやはり落ちるところまで落ちてしまって、子供を実家に預けっぱなし。この息子は自分の父親については知らない。化粧が厚い時々くる“おばさん”が母親とも知らない。ひょんなことから自分の父親が人殺しと知ってしまう。その後、自分の妹を圧迫死させる。蛙の子は蛙なのか…連行される時、影で父親が涙を流すが、犯した摘みは計り知れない。浅はかな行動で全てが狂う

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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