好きです、死んでください

著者 :
  • 双葉社
3.96
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本棚登録 : 635
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575246728

作品紹介・あらすじ

無人島のコテージで織りなす男女の恋模様を放送する恋愛リアリティーショー「クローズド・カップル」は世間から注目を浴びていた。俳優、小説家、アイドルなど、様々な業種から集められた6人の男女は島での交流を深めていくが、撮影3日目、一番人気の女優・松浦花火が死体となって見つかる。設置された無数の定点カメラをすり抜け、衆人環視の中、一体誰が彼女を殺したのか?本土と通信を絶たれ「孤島」化した島で、さらなる犠牲者が――!?連続殺人×恋愛×クローズドサークル 衝撃の結末が待ち受ける孤島ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 内容は本格ミステリで面白かった。だけど、もう少し舞台の特異性を活かした展開があっても良かったなと思った。正直、恋愛リアリティーショーである意味はそんな感じられなかった。好きです、死んでくださいというタイトルと、中身がそれほどリンクはしてないなと。
    孤島のクローズドサークルとしては秀逸だったと思う。

  • 時々ジャケ買いするけどこれはタイトル買い
    (言い方合ってるか分からんけど^^;)
    好きです、死んでください って!
    普段絶対言わないし聞かないよね。
    まぁ、好きって感情がひどく厄介なものってのは分かる。恋愛と殺人も執着から起こるもの。
    『コクハラ』て言葉も初めて知った!
    意味知ってビックリ。

    無人島のコテージで男女が繰り広げる恋愛リアリティショー、クローズド·カップル
    出演者、全員キャラがハッキリしていて読みやすかった。
    探偵役の小説家が少々頼りなかったけど
    面白かった〜。

  • 無人島のコテージを舞台にした恋愛リアリティーショー「クローズド・カップル」の撮影が始まった。俳優、作家、アイドルなど、個性豊かなメンバーは交流を深めるが、人気女優・松浦花火が密室で殺されて──。

    孤島(クローズド・サークル)×密室殺人×恋愛リアリティーショーというまさかの組み合わせで魅せるミステリ。斬新な切り口と話題性だけでは終わらない。まさに現実でも問題になっているセンシティブなテーマを、ミステリの骨格に織り込んでいる巧みさ。今だからこそ読んでほしいと切実に思う物語だった。ぼくたちはSNSで言葉の矢を射れば、誰もが加害者になり得る世界に生きている。だから、弓に矢をつがえる前に自分に問い、考えなくてはいけない。自分の放った矢は、誰かを傷つけたりはしないかと。そもそも、矢である必要があるのだろうかと。

    ただの舞台設定として恋愛リアリティーショーを選んだのではなく、それがテーマにもドラマにも活かされている。撮影されているという特殊環境下でこその関係性と、映像が結果的にアリバイ証明にもなっているのが面白い。恋愛が絡むからこそ、好きな人のために事件を解こうとする意志が生まれ、またその反対に怪しい人物への憎しみや疑惑も深まっていく。猟奇的な香りで矛盾したタイトル。その意味を知った時、矛盾ではなく繋がっているんだという重みに押し潰されそうになった。

    ミステリとしての仕掛けも張り巡らされてあって、思っていた以上にやられたなと。カメラじゃなくて自分の頭を回しておかないと、砂浜のように足を取られる。途中で別の視点を何度か挟む構成も上手い。ラストが奇麗すぎるかなと思うけど、テーマ的には明言されてしかるべきなのかもしれない。

    p.237
    「……いや、なんでもない。また詮ない後悔をしていただけだ。俺は今プロデューサーのことを悪しざまに言ったが、よく考えたらそんな資格はないのかもしれないと思ってな。俺自身、結局全て見て見ぬふりをしてきたわけだから。芸能界で生き残るためには仕方がない──そんな風に言い訳をしながら、メディアやエンタメの被害者となった人たちの声に耳をふさぎ、目をそらして通り過ぎてきた。そういう自覚がないと言えば嘘になる。そういう意味では、俺も加害者の一人なのかもしれない」

  • 頼りないけど、優しい探偵がちゃんと推理するところいい。
    犯人が分かった後の問題提起と綺麗なラストも良き。タイトルはもうちょっと違っても良かったかもしれん。

  • No. 24は031F,7
    読了日:2024年  3月13日

    白い砂浜、青い海。
    絶海の孤島で恋愛リアリティーショー「クローズド・カップル」は撮影されていた。
    出演者として呼ばれた作家の小口栞は他の出演者と少しづつ親睦を深めていく。そんな中、女優 松浦花火が死体で見つかり。
    ---
    孤島と三年×組と物語が交互に進んでいきます。関係ない出来事だと思っていたことが伏線だったりして、とても驚きました。

  • 恋愛リアリティーショーの撮影をするために孤島に集まった出演者とスタッフの8人。出演者のうちの1人であった女優の死体が見つかり、それに加えて島は本土と隔絶された“クローズド・サークル”の状態になってしまう。
    “クローズド・サークル”ものが大好きなので、さっそく買って読んでみた小説。恋愛リアリティーショー自体はあまり知らなかったが、よく描かれていて知らない者でも楽しく読めた。各章の合間にあるサブ・ストーリー?のようなものの真意も最後まで読んで驚かされた。恋愛リアリティーショーから生まれてくる殺意やネット上の匿名での誹謗中傷など、それこそ現代のリアルかと思わされた。

  • キャラクターをしっかり立たせており、動機もしっかりと語られていて丁寧な作りの作品でした。


    現代に生きる人であればこそ読んで欲しい作品。

  • ほぼ一気読み!
    真相は全くわからず…やられたー!(嬉)
    なるほどねー!
    解決の部分で少しもやる部分もあったけど、総じて面白くてキャラも立っててめちゃ好みの作品でした!!
    あの作品のオマージュなのかな…?
    次作も楽しみな作家さんに出会えた!

  • ラノベよりの恋愛小説かと思記や、孤島本格ミステリだった。

    恋愛リアリティーショー×推理劇in無人島
    Whoは分かってもwhyとhowは分からなかった。
    盛沢山の要素のなかの連続、二重の密室殺人事件。恋愛リアリティーショーが内包する危うさ、それを見る側の匿名の攻撃。
    ミステリの向こうにある警告に心がざわつく。

  • 2023/12/29読了

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著者プロフィール

90年生まれ。2013年、『ロジック・ロック・フェスティバル ~Logic Lock Festival~ 探偵殺しのパラドックス』で星海社FICTIONS新人賞を受賞し、デビューする。

「2017年 『ラスト・ロスト・ジュブナイル ~Last Lost Juvenile~ 交錯のパラレルワールド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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