- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575242904
作品紹介・あらすじ
文久二年(1862年)。酒を巡る騒動から6年、江戸は仄暗い不安に揺れていた。討幕の動きが日に日に強まるなか、甚夜は妖刀を巡る事件をきっかけに、幕府に忠義を捧げる会津藩士・畠山泰秀と出会う。泰秀は幕府存続という目的のため、鬼を使役する武士だった……。大人気和風ファンタジーシリーズの第四巻。武士と鬼――滅びゆく者たちの美学を描く幕末の物語。
感想・レビュー・書評
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甚夜の幕末は、こうして過ぎていく。
その傍らで微笑む人を得て…
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あの2人が、蕎麦屋に出入りしなくなって、何年経っただろうか…
幕末の江戸。
甚夜はなじみの蕎麦屋で店主から、蕎麦打ちを習っていた。
そこへ持ち込まれた、妖刀にまつわる不穏な噂…。
幕末の様相と妖刀が交わったとき、見えてきたものとは…?
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「鬼人幻燈抄」シリーズ第4弾。
本自体には通し番号はありませんが、帯で「シリーズ4巻目」であることがわかるところが良かったです。
また巻数が進んだので、江戸編、幕末編などの印字を手掛かりにすれば、帯をなくしてたとしても、時代の流れを追って順番に並べやすくなりました。
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鬼の力を得た甚夜とそうではない人々との生きる時間がちがうこと。
ただそれだけで、訪れてしまう別れがあります。
そうとわかっていても、やはり時間という誰も抗えないものによる別れは、しんどいもの。
甚夜は現代まで生きる間に、一体何度、こうした別れを経験するのかと、せつなくなりました。
表紙・裏表紙絵も、今までの物語から見ると有り得ない絵に感じましたが、本編を読んで「なるほど、そういうことだったのか」と納得しました。
倒した鬼の力を取りこむ(同化する)ときに、その鬼の記憶が垣間見えてしまうことも、せつないです。
倒したあとに見える鬼側の理由…そんなものを知らなければ「敵」として、ただ斬り捨てるだけでよかったのに…
甚夜の「同化」という能力は、心が強くなければ、使えない力だと感じました。
「鬼人幻燈抄」という物語は、まだまだ続いていきます。
ここらで第4巻の感想はおしまいにして、第5巻へいくとしましょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明治編がどんな展開になるのは気になりすぎて
すぐ読もうと思う!
野茉莉ちゃんかわいすぎる
野茉莉ちゃんに優しい甚夜もいい!
鬼は長く生きる分色々経験するから苦しいことも多いんだろうなと思った。
定長の亡くなる前の語ってる部分めっちゃいいなと思った。義理でもあんなけ仲が良くて良い親子はいいなーと思った! -
シリーズ4作目。
前回間違えて5作目から読んでしまったのだが、5作目につながる伏線がすでに張られていて「あぁ、これが後に繋がっていくのねぇ」という感じに読めたのでこれはこれで間違って読んで正解だったのかも。
主人公は千年の時を生きるという鬼ではあるが、人と語り合い、人の中で生きる。必然別れも訪れ主人公は生き残っていくのだがそんな主人公の背中をそっと押してくれる人間に涙。主人公、周りの人間に恵まれすぎてていいな!と思う。
そして景色の描写の中に色んな花が出てくるところがいい。作者のこだわりなんだろうね。僕は花の名前には詳しくはないんだけど、こんな花かなぁ?と想像しながら読むのが楽しい。なので、敢えてググらない(めんどくさいからとは言えない笑)。 -
幕末になり、世の中が荒れる中、鬼も跋扈する。
天邪鬼の優しさにより、赤子を育てることになった甚夜。
弱さ故に強くなる。
江戸時代に出会った人々との訣別までの話。 -
物語の鍵となる妖刀『夜刀守兼臣』や岡田貴一はじめ個性的な鬼達が登場。夕凪のエピソードが美しく、土浦の願いがとても切ない。変わらないものなんてない。寿命の違いや時代の流れによりそれぞれの居場所や在り方も大きく変化していくことに。
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結構話が飛んだから、一冊飛ばしたかと思った。
誰かさんはいつのまにか夜鷹と結婚し、誰かさんはいつのまにか子持ちになり。
あと、現代のくだりは伏線なのかしら?なんか紐付かないんだよなぁ
2022.9.25
141 -
幕末編が完結。今回も悲しい別れがあり。次の明治編はどんな展開になるのか、さすがに明治では剣を振り回すわけに行かないだろうし。
チラチラと幕間で語られる現代編の様子も気になるところ。 -
どんな生き方でも、
それが間違っていると言われても、それでも
生きていくしかない。
愛する人を奪われた憎しみは消えないけど、甚夜の考えがすこし柔軟になったのがよかった。