- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575241068
作品紹介・あらすじ
大ヒット作『横浜駅SF』の著者による連作小説! 平成よりちょっと先の未来、国民は99%の働かない<消費者>と、働く1%のエリート<生産者>に分類されている。労働の必要はない時代だけど、仕事を斡旋する職安の需要は健在。いろんな事情を抱えた消費者が、今日も仕事を求めて職安にやってくる。斬新だけどほっこり、近未来型お仕事小説の登場!
感想・レビュー・書評
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未来の職安で働く目黒さんと大塚さんの話。職安の仕事がつまらなすぎて面白い。
機械化が進むとどんな世界になるんだろうと考えていたことが具体的に描かれている。
でも一番ハッとしたのが、次の内容。「将棋のプログラムを作るのにAi に何万、何億もの棋譜を記憶させるのに、人間は一万局も指してないのにソフトと互角なのは、実は凄いこと」
少ない経験で優れた知能を開発する事を将来は研究するんだろうなと思った。がとっくにやってるんだろうと思い至った。
藤井6冠はすごいんだと改めて実感。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近い未来は実際にこうなっているかも…
本作は平成から少し先の未来の話
(令和ではないです!)
国民の99%が生活基本金をもらって生きる消費者、働いている生産者は1%となり、労働のほとんどが機械に代替された時代
(消費者は必需品の購入を生活基本金だけで足りるので無理して仕事を求める必要もない)
つまりは、特に働かなくても生きていけるということ!
それでも職安に来るやつはいる
金がほしいやつ
退屈してるやつ
社会貢献したいやつ
しかし、働く必要もない時代、労働のほとんどが機械化された時代に紹介できる仕事はあまりない…(^_^;)
って言うかしょうもないものしかない…w
例えば、
・日々、防犯カメラに映る仕事
・廃村に住む仕事
・火星開拓民と通信会話をする仕事
・自動運転の車が事故をしたら責任をとって仕事を辞める仕事
などなど…www
これらの仕事もこの時代ならではの大事?な仕事なのかもしれないが
あっ!?
ちなみに猫も機械化してますw
ネコッポイドと言うみたいです
本来の猫は生猫らしいですw
その他、近未来ならではの様々な法律、制度、システムも登場し、作者の発想力が面白い作品となってます(๑´ڡ`๑)-
お先ですw( ̄ー ̄)ニヤリ
「まずは牛を球とする」を読んでから気になって湯葉さん借りてみました!
面白かったですよ^_^
車が事故をしたら責...お先ですw( ̄ー ̄)ニヤリ
「まずは牛を球とする」を読んでから気になって湯葉さん借りてみました!
面白かったですよ^_^
車が事故をしたら責任をとって仕事を辞める仕事って「まずは牛〜」にも出てきた話じゃんって思いながら読んでましたw
この仕事、近未来では大切な仕事なのかな…w(^_^;)
この作品もネコッポイドも買っちゃいますか(#^.^#)2023/03/04
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装丁が好みだったのと、タイトルから連想される就職活動に興味があったので手に取った。
著者は生物学者との兼業作家だったが、最近作家専業になったとのこと。面白かったので他の本も読みたい。ただ、最寄りの図書館には置いてなくてショック。
本書は平成時代がレトロと言われる時代の物語。ロボティクス技術がさらに進化して人間が仕事をする必要がなくなり、99%の働かない消費者と1%の生産者(エリート) に分類される世界。そんな世の中でも職を求めて職安に来る人達を職安勤務の主人公「目黒」視点で切り取った作品。
AIやIOTが進化した未来について授業の一環で考えたことがある。技術が進歩すれば生活レベルが上がるので仕事の内容や身の回りの問題の質は上がっていると考えた。この物語は授業で考えた世界とほぼ同じ環境だと思う。生活レベルは上がっていても生活リズムの違いで疎遠になったり、行政制度の理不尽さに怒ったり…悩んでいることは現代と同じに思えた。言われてみれば、いつの時代でも人の悩みは変わらないんだな。人の本質は何も変わっていないことにホッとしつつも、悪いところもそのままになっていることに少し悲しく感じた。 -
読んでる途中にSNSを見て、遅れてるななんだこの時代はと思えるくらいに世界観にすーっと引き込まれた。要所要所に筆者の伝えたい事柄が書いてあり、いつの時代でも「その人自身」が幸福である人生を歩むことが大事なのだと思った。働きたくはないけど。
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ゆるふわ近未来お仕事小説。シンギュラリティの向こう側で、人々のほとんどは仕事をしなくても生活ができるようになった世界。それでも「人間」の需要はちょっとだけ、でも根強く残っていて、それを顧客に斡旋してやる「未来職安」のお話。
設定そのものについては、こんなに楽観的な未来になるのかと疑問に思うが、細部の生々しさが楽しい。
個人的に面白かったのは第5話の「未来医療」で、シングル・ペアレントを希望する来客と会話しながら生命倫理の問題にちょっと触れるところ。それから、なんとなくゆるふわで楽観的な福祉設計にも、裏では政治が絡んでいたり、ちょっと毒がみえる描写も少し。
全体的に文章が気持ちよく、読みやすかったです。よい作品だったと思う。ただ誤植の多さが目に余る、ここは出版社ががんばってほしい…… -
本当は働く必要のない未来ゆえに、ほぼワケありな人しか来ない職安で働く女性の独白体で繰り広げられる脱力系SF。働くてもいい世界だから、働くってなんだろうってなるわけだけど、特に深くはそこは追求されない。その緩さがなかなか良い。
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タイトルが気になり借りる。こんな未来がきたらどうなんだろう。働かなくてもお金に困らないならありがたいけど。働くってなんだろうなぁと思う。登場人物は東京の地名にちなんだネーミングかな?
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なるほど、未来は消費者の時代かぁ~新しい父が嫌で市役所に入った目黒は、担当する自動車が事故を起こしたため責任を取って辞職したが、先輩に紹介された職安も大して儲かっておらず、最低賃金の一部を自主返納せざるを得ない。経営者はアセクシャルの大塚さんで副社長、社長は生猫だ。家族を持つのが嫌で、99%は消費者で最低生活費を貰っているが、1%の生産者も楽ではない。未来の民間職安、就職活動、家族、作家、医療、雇用~面白いね。大学勤務の研究者らしいけど、名前は読めそうもないので、書いておこう「いすかり・ゆば」