京都府警あやかし課の事件簿6 丹後王国と海の秘宝 (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569901879

作品紹介・あらすじ

丹後の海賊の襲来、化け猫が見た予知夢、そして狙われた祇園祭…夏の京都を舞台にした大人気あやかし警察小説シリーズ待望の第6弾!

感想・レビュー・書評

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  • 大の成長著しいです。

    珍しい栗山と大の共闘、塔太郎の物語、祇園祭の丁寧な描写等、内容が盛りだくさんで事件自体の解決は7巻以降になりそうです。京都信奉会からの新たな手強い刺客にあやかし課の面々がどのように闘っていくのか楽しみです。

    辛い境遇でも周囲の「人」に恵まれ育った塔太郎、是非幸せになって欲しいと思います。

    両片想いの大と塔太郎のジレジレした感じも可愛らしいです。
    前作はやたら塔太郎が身を引こうとしているのが不要に感じましたが、大と同様に伝えてはいないもののしっかり想いを認めている様子は読んでいて応援したくなります。

  •  やっと読み終えることが出来ました(-"-;A ...アセアセ

     塔太郎の重たい過去とスサナオ神の言葉。

     私は特定の宗教を持たない人間ですが、こうした話を読むのは大好きです。

     続きは手元あるから、さっそく今晩から読みたいと思います。

  • シリーズ第六弾。

    今回もいつものように、連作四話と序&幕間&終章が収録されておりますが、実質第一話とそれ以降(第二話~第四話)での、二部構成のような印象です。

    表題作の第一話「丹後王国と海の秘宝」では、京都北部の海沿いにある丹後地方に出張した大達が、伊根地区担当のあやかし課隊員・花村兄妹(妹の葵ちゃんはイルカに変身できちゃう!)と力を合わせて、“秘宝”を狙う海賊を撃退するお話で、いつもの洛中での雰囲気とはまた違った爽やかさがありましたね。

    第二話~第四話は第一話の明るい雰囲気から一転して、剣吞なムードが漂います。
    化け猫・月詠の不穏な夢から始まり、大と栗山くんが、「京都信奉会」の幹部(四神)・船越にボコボコにされてしまうという、あやかし課にとってショッキングな展開に。
    船越の狙いは祇園祭を訪れた人達を人質にして山鉾を奪う事らしく、あやかし課総動員で警戒にあたることになりますが・・。
    この巻は、祇園祭と塔太郎のストーリーといっていいかもしれません。
    塔太郎自身にはまったく非はないのに彼の実父が「京都信奉会」のトップであるという事で、塔太郎の半生が、あまりにも辛いものだったという・・いやもう、塔太郎が不憫すぎます・・。
    それでも京都を愛し、京の人達を守る為に心身を削っている塔太郎にはマジで幸せになって欲しいです。
    総代くんには悪いけど、大と塔太郎がお互いを想う気持ちの深さには、誰も間に入れないと思うんですよね~。

    因みに、シリーズ二作目でも祇園祭が舞台でしたが、この時は「宵山」がメインでした。
    今回は、七月の始まりから1か月かけての長い行事・神事としての祇園祭の様子が描かれているのが興味深くて、地元の人達がどれだけ祇園祭を大切に思っているかが伝わってきますね。
    「京都信奉会」との激突は次巻に持ち越された感じですので、今後の展開を楽しみにしております!

  • 第6弾。

    月詠が見た予知夢とは?「伝説の秘宝」とは何ぞや。
    あやかし課隊員達はどう解決するのか?

    読んでのお楽しみ‼︎

    是非手に取って下さいねー。

  • まさかあそこまで大ちゃんと栗山くんがボコボコにされる展開になろうとは。
    最初の丹後王国の話がなまじほのぼのとした、それでいて食事が美味しそうで、敵もどこか憎めない感じのコメディ系な話だっただけに(まあ神様の力は怖かったけれども)そのギャップが凄かった。
    帯にある「最強の敵」は、まさしく嘘偽りない話だった。
    それゆえに、今回は敗北からの事前準備までで続きものとなっている。
    確かにあれほどの相手、一冊では収まるまい。

    敵の動向も気になるが、より気になっているのは三角関係の行方。
    どう考えても総代くんに勝ち目はないし(大ちゃんはもう塔太郎に対して、本人に聞こえていないとはいえ「愛している」発言しているし)彼のことだ。
    大ちゃんの想い人も、その想い人が大ちゃんをどう思っているのかも見えていると思う。
    芸術家は「目」がいいはずだから。
    それでも、引けないんだよね。
    恋心は難しい。

    唯一勝ち目のある展開があるとすれば、塔太郎が身を引くパターンだろうが、一度それに近いことをやっちゃっているので、多分この先はない。
    それに、そもそも大ちゃんにとって総代くんは「ライバル」であり、仕事仲間として嫉妬する場面は多々あっても、異性として認識は恐らく全くされていない。
    この時点でもう色々お察しで……不憫である。
    二人が結ばれるのが先か、敵との決着がつくのが先か、それとも総代くんが自分の気持ちに折り合いをつけるのが先か。
    そういう意味でもこの先の展開が楽しみだし、とても待ち遠しく思う。

  • 塔太郎。
    よかった、本当によかった。
    苦しい立場だけど、一回りも二回りも強くなった。
    大との仲、次は、きっと、もっと。
    恐ろしい敵が登場したことが、絆を深めていく。
    さぁ、決戦の日は近い。

  • 大も塔太郎もとにかく真面目でとにかく頑張るという結構前のめりな頑張りが伝わってくる。任務は危険だし信奉会の事件もあるしで大変なのは分かるけど、物語的にもいっぱいいっぱいって感じなので、もうちょっと力が抜けると良いかなと思います。

  • 京都信奉会との戦いが明確になった6巻目。次巻でこの戦い完結するのかな? 塔太郎の生い立ちが明らかになる。大きな戦いのプロローグって感じ

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著者プロフィール

作家。京都市生まれ。小説投稿サイト「エブリスタ」で発表した作品が話題になり、「京都府警あやかし課の事件簿」で作家デビュー。
同書で第7回京都本大賞受賞。著書に、『京都府警あやかし課の事件簿』シリーズ(1〜6 PHP)、『京都丸太町恋衣屋』(双葉社)など。

「2022年 『京都へおいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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