- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569855899
感想・レビュー・書評
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東日本23県の特徴ある武将のエピソードにまつわる話をまとめた本作。300頁強で1県1名、計23人分もの話を収録しているため、1話に対してやや物足りなさを感じるものの、「すり替わった大名」「百匹の犬を飼う城主」「狂戦士化する武将」「風林火山を掲げる越後の虎」「鼻毛で守る国」など、ちょっと変わった話も多く、それなりに満足できた。マイベストは静岡の「義元の影(今川義元)」。東日本編の最後にはやっぱり真田信幸を持ってくるあたり、今村翔吾さんの真田愛を感じる笑
それにしても、多くの話に北条家がでてきており、東日本の各国において、いかに北条家の影響が大きかったかを窺い知ることができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これはダメだわ
これは良くない
47都道府県それぞれに縁の深い戦国武将を取り上げたショートストーリーを東と西に分けての『戦国武将伝』
企画としてはすごいな〜とも思うし、こんなことができるのは今村翔吾さんくらいだわ!とファン心理爆発で贔屓の引き倒しなんですが、良くない
さすがの今村節で全部面白い!ことごとく面白い!ハズレなし!ほんと良くない
だってあれよ?
全部これこっからさらに面白くなりそう!ってとこで終わってたり、これ膨らましたらかなり面白い長編できんじゃね?ってものばっかりなのよ!
辛い
なにこのお預け状態
ペットのワンちゃんが「待て」を覚えたのが嬉しくて何回も「待て」しちゃって延々とご飯を食べさせない飼い主か!
そしてわいは忠実に「待て」し続けるかわいいワンちゃんか!-
2024/01/10
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2024/01/11
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2024/01/11
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図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。
しかも年末年始の休館日を挟んだお陰で、通常より長期間借りられることになっている。
ありがたい。
東日本編と西日本編を合わせて47都道府県の武将(47章)。
「知らない人物」の章でも、『八本目の槍』のようにジワッとくるものも有ったが、やはり「知っている人物」の章の方が読みやすい。
戦国武将に知り合い(知っている人物)は居ないのは言わずもがなだが、そこはそれ、有名どころという意味で。
今村翔吾氏だし、歴史小説だから、とにかく見開き2ページがパッと目に入った時に漢字の占める割合が多い。
段々疲れてきて、とうとう「知らない人物」のうち、茨城県と北海道の章は読まなかった。
西日本編にはまだ全く手をつけていない。
『塞王の楯』も『幸村を討て』も私はちゃんと読めなかった。
『教養としての歴史小説』を読んで、読みたくなった歴史小説を沢山メモってあるのだが、こんなことでは自分が読めるかどうか自信がなくなってきた。
歴史小説は面白いし好きなんだけれどなぁ…。 -
東日本の戦国武将23人を描く短編集。
長野業正、徳川家康、北条氏政、里見義弘、織田信長、
矢島満安、今川義元、最上義光、太田資正、武田信玄、
富田長繁、上杉謙信、津軽為信、佐々成政、金上盛備、
竹中半兵衛、宇都宮国綱、佐竹義重、蠣崎慶広、
伊達政宗、北信愛、前田利常、真田信幸
その武将の人生の一コマを切り取って描いたような、
味わい深い短編集です。それぞれが実に短い物語なのに、
その後にある史料・文献から得た想像力での創作は、見事。
主人公の視線、近しい者たちの視線が鮮やかに語る。
親子や兄弟、夫婦や男女、主従の、信愛と確執。
心情溢れる者が居る一方で、乱世の怪物も居る。
彼らによる、国のため、民のため、己のため、
愛する者のため、尊敬する者のための、喜怒哀楽の発現。
里見義弘と正妻になる女性。今川義元の運命の妙。
百匹の犬の伝令。佐竹義重の鬼に成り切った生き様。
武田信玄「暮天の正将」と上杉謙信「蒼天の代将」の心の交錯。
自らの兵法に完璧を求め、追求する竹中半兵衛の姿。
領地と己を守るための伊達政宗と前田利常の腹芸。
北信愛の妙案と心意気。真田で始まり真田で終わる物語。
読後、これらの武将の評伝を読みたくなってしまう、誘いも。
でも、その前に西日本編を読まなくちゃ。 -
戦国武将伝、東日本編。武田信玄、上杉謙信を始めビッグネームが溢れているが、竹千代時代の家康と信長の場面は大河ドラマより見せ場だった。また著名な武将の隠された人間性も初めて知り、僅かのページなのに膨らませて描かれた今村氏の力量に今更ながら感服。個人的には武州太田資正の項がほのぼのとして好きだった。
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短い原文から物語を膨らませる。
本当にこうだったら、面白いなというストーリーでした。
1つのエピソードが短すぎるので、少し読み応えがない印象です。読みやすいので、あまり歴史に詳しくない人は逆にいいかもしれないですね。 -
1話10分で読める短編集。
ちょっとした合間時間に読めて、「もうちょっと読みたい!」と思わせるさじ加減が絶妙。
都道府県ごとに1人ずつ歴史上の人物を取り上げる、ならともかく、
「戦国武将」に限定するあたりがすごい。
超有名武将でも、超有名エピソードの裏側を独自の解釈で描くなど、
筆者のリサーチ力とイマジネーションが冴え渡っている。
ほぼ同時代の人物たちなので、
互いに影響を及ぼし合っていることもしばしば。
武田信玄「暮天の正将」上杉謙信「蒼天の代将」
竹中半兵衛「完璧なり」黒田官兵衛「未完なり」(※黒田は西日本編)
など、タイトルも内容も響き合っていてしびれる。
かと思えば、「風の中のレラ」のような冒険小説風の作品もあって、
しかもどうやらこのレラは、別シリーズの登場人物らしい。
同じような仕掛けがまだ隠されているのかも。 -
文献をもとにした逸話を、さらに色をつけた歴史小説の東日本武将編。
家康や信長、北条氏政、今川義元の逸話をそういう風にもっていったか、面白い。
武田と上杉の物語も連なっていたり、お互い讃え合っている感がしびれた。
22冊目読了。
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新作紹介で見た時正直?疑問しかなかった。また発売されて実際に手に取ってみても?どうしても違和感があった。それは著者作品の時代背景や人物描写、登場人物の心の機微、ここまで深く表現できるのか、という今村ワールドの大フアンの私としては23作の短編小説どれぞれに物足りなさを感じるのではないか?という不安であったかもしれない、しかし実際に読み始めて正直驚いた!それぞれから著者作品の世界観が伝わってくる、それどころか歴史上名前は聞いた事はあるし、どういう役割を果たしたか、という知識はあっても、小説の主人公として描かれる事のなかった武将なども息遣いが伝わってきそうなほどしっかりと描かれている。これはこれで圧巻と言うしかない。読後すぐに「西」を買いに行く!
幼い頃、お寺の和尚さんが縁側にて日替わりで語りかけてくれる様なホッコリする印象をうける!
中でも上杉謙信、前田利常、北信愛などの話は良かった! -
都道府県の武将を描く掌編集の東日本編(23編)。
西→東の順で読みましたが、各編独立しているので、どこからでも大丈夫な構成です。
ケレン味たっぷりの上杉謙信と武田信玄の話がよかったです(この2人はできれば近いタイミングで読むのをオススメします)。
知らない武将もたくさん出てくるのですが、だんだん慣れてきてスルスル読めるようになりました。