101のデータで読む日本の未来 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569851129

作品紹介・あらすじ

●人口減少、グリーン化、テクノロジー革命――。
●日本人が勘違いしている「3つのメガトレンド」の本質とは?
●元IMFエコノミストが101のデータから示す「日本の針路」!
「日本人は世界経済の大きな潮流を理解していない」。国際通貨基金(IMF)を経て、現在は東京都立大学教授を務める著者は、その結果が日本経済の停滞を招いたと語る。
そこで本書では、世界と日本を激変させる3つのメガトレンド――①人口構造の変化、②地球温暖化対策によるグリーン化、③テクノロジーの進歩について、その影響を各種データとファクトから徹底的に検証。日本人が勘違いしている「世界経済の変化の本質」を理解した上で、日本社会の現在、そして未来に迫る。
気鋭の経済学者による日本経済再生のヒントが、ここにある!

感想・レビュー・書評

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  • 現在から近い将来に向かう過程で日本が直面する諸問題について実証的に説明を加えている。少子高齢化、DX 高度化、気候変動、財政破綻。また、これらの根本的な問題から引き起こされる食の問題、農業問題、年金問題、地方の過疎化等々課題は山積していく。もう既に色々な局面で話題になっている諸課題。それらの認識の整理にはなったと思う。これらの問題は既に顕在化している。

    これらの諸問題に対する、我々でも実践できる処方箋が見たくてこの本を手にしたのだが、ページの大半は課題の分析に費やされて処方箋のページはほとんどなかった。

    労働市場の改革、教育の改革、技術革新に対するイニシアチブ等々。もっともなことだと思う。でも、かなり現実の政治の状況からはかけ離れており、自分たちができることは限られている。時間も相当にかかるだろう。難しい問題だ。私が実践できるような明確で実践的な処方箋は見つけることができなかった。

  • 様々なデータをもとにした日本の未来予測についての本。
    どっちかというと日本の未来は暗いのだろうなと思った。

    高齢化率とか本当、高い。今でも国民の3.5人に1人が高齢者(65歳以上)と書いてあって、そんなに多いのかと驚いた。街中歩いていてもそんなにいるようには思えないけど、高齢者は外に出づらいのかな。
    それにしても、2045年には秋田県では50%が高齢者という推定って…。半分が高齢者だと、どういう街並みになるのだろう…。

    借金が多いのもいろいろ意見あるだろうけど、決してよくはない状況なんだろうなと思う。お金を彫ればいいだけとか、国民からの借金なので問題ないとか聞くけど、いずれ返す必要はあるだろうし、お金を彫ったら円安になるだろうし。

    日本は人口当たりの病床数がかなり多いというのは初めて知った。コロナ禍で入院できる病院がないと言われていたけど、日本はもしかしてマシなほうだったんだろうか。
    まあ、医者自体は不足しているので、ベッドが多くても入院日数まで長くなってしまってるみたいだけど…。

    それにしても、ここ20年での農業従事者数の減少がやばい。2020年で136.3万人だそうだけど、2000年は240万人だったので、100万人も減ってるらしい。しかも、そのうちの約7割が高齢者だという…。
    農業従事者が少なくても、一人当たりが扱える面積が増えてるなら問題ないような気もするのだけど、どうなんだろう。さすがにこの減り方は大変な状況なんじゃないかと思えてきた。

    教育への投資が少ないのも、日本の問題だよなと思う。大学の学費だって、昔と比べて高くなってるようだし。

    なお、生産関係における男女の補完関係には、同性2人で仕事をする場合よりも、男女ペアで仕事をしたほうがより多くの付加価値を生み出すとのこと。うちの会社、男ばっかりなのだけど、もっと女性社員がいたら、売上はあがるのだろうか…。本当、去年も今年も新入社員が男だけで、いったいどれだけ女性に選ばれない会社になってるんだよと思ったりする。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1302295

  • 世界情勢の激変具合をメガトレンドと呼んでいる3つの変化を軸にわかりやすく説明されていて参考になった。

  • 内容はよくある表層的な話ばかりで、テレビや新聞、財務省が喜ぶ事ばかりが並べられている。とにかく少子高齢化と財政危機と環境問題でいかに日本がダメかという事が並べられている。
    データの使い方も自分に都合のいいものだけを取り上げているように感じる。個人的に国の財政を家計に置きかえる詭弁を使う人は信用できないが、筆者は典型的な例。負債ばかりを責め、資産や国債の内訳などにはほとんど触れず、30年間経済が成長していない事に対する考察もうやむや。
    どの分野もほとんど批判ばかりで改善策の提示は少ないが、結局1番言いたかったのは消費税増税のようで、しかも30%まで狙ってる。国民負担率の話もしないし、この筆者がメディアに出てたら要注意。

  • 目がトレンドについて、根拠となるデータを他国との比較など周辺の情報とともに示してくださっている。
    一般的な本よりも具体的であり、学ぶところが多い。
    そのデータの詳細さから故、特に具体的な対策案など提示してくださるにつけて未来を明るく感じられない気持ちになってしまう。
    日本においてはプレゼンスを高めること、個人においては日本にとどめず広く学ぶことだなと。

  • 世界経済を取り巻く3つのメガトレンドの変化(①人口構造の変化②地球温暖化対策によるグリーン化③テクノロジーの進化)を日本がいろいろな分野でどう捉え、どうすれば経済再生に結びつけられるかについて解説する。
    日本は、世界で最も高齢化が進み、経済や雇用のシステムは旧態依然、労働市場も硬直的なままで課題が山積している。
    本書はメガトレンドが影響を及ぼす7つの分野(経済成長、財政、医療・健康、農業・食料、教育、エネルギー、地方・住宅問題)ごとに日本の現状と課題、対処のしかたを論じている。
    どちらかというと、現状を憂えるスタンスから書かれており、大風呂敷を広げ大胆な提案をする内容ではない。また、論点は新聞や他の書物で既に述べられているものが多い。一方で、知識の整理や再認識ができる堅実なコンテンツが詰まった本といえる。

  • ブクログで他の方が書いているように、確かに知っていることは多いが、データを使ってしっかり整理いただいた印象。自分が関心あるからかもしれないが、特に日本の労働環境についてはとても為になった。皆さんの評価が2点台だったことに少々ビックリ。
    ※これを書いた時点の話で、あくまで主観です。

  • 332.107||Mi


  •  基本的に悲観的な未来が書いてある。
     そして、こうしていったらよくなるよ!という希望的な意見もほぼない。笑 
     日本の未来は良くないんだなあ。
     
     借金まみれの経済、介護医療など高齢化、人口、気候変動と肉、公的投資の低い教育、空き家、雇用

     留学して、税収をあげて、企業でヘルスケアに取り組んで、農業のテクノロジー化を進める。

     「朝、目が覚めたら、世界が自分を見ていることを思い起こし、今日は何をしでかそうかと考えてほしい」p10

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著者プロフィール

東京都立大学経済経営学部教授、専門は労働経済学、マクロ経済学、日本経済論。日本経済、特に労働市場に関する意見はWall Street Journal、Bloomberg、日本経済新聞等の国内外のメディアでも紹介されている。
1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、米国ウィスコンシン大学マディソン校にて経済学博士号取得。国際大学学長特別補佐・教授、東京大学公共政策大学院特任准教授、国際通貨基金(IMF)エコノミストを経て現職。

「2023年 『日本の財政政策効果』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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