賢慮(けんりょ)の世界史 国民の知力が国を守る (PHP新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569849065

作品紹介・あらすじ

北方領土は返ってくるのか。情報機関なき日本の劣勢は挽回できるか。大国間交渉と分析のプロが語り合う必読のインテリジェンス対話。

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優さんの本100冊以上読んだ中で
    共著は45冊を超えます。
    岡部伸さんは初めて。

    岡部さんは産経新聞社モスクワ支局長、社会部次長、編集局編集委員、ロンドン支局長等を歴任、現在は同社論説委員。
    今までの共著とは違う発見がありました。

    たとえば私は池上彰さん出口治明さんの本を読んで
    EU離脱は成り行きで決まっちゃったし
    いつかイギリスはEUに戻るんじゃないかと思っていました。

    でも岡部さんは「必然の出来事」「イギリスの実質的な勝利といってよいでしょう」と言います。
    残留派と離脱派が拮抗しているのだから
    こういうことは当たり前なんでしょうが、
    やはりいろんな人の意見を聞いてみるものだなと思いました。

    他にもいろいろ面白かったです。
    佐藤優さんも、相手によって新しい意見を言う
    それは矛盾しているということではなくて
    この相手にたいしてはこの引き出しから取り出して述べる
    佐藤優さんの共著はとても良いなと
    改めて思いました。

  • 外交史と現在の世界情勢をベースとした対談。

    政治学や交渉論のほか、「信頼せよ、されど検証せよ」などといった含蓄のあるフレーズも所々引用されており、好奇心が刺激されるものとなっている。

    外交上の振る舞い方や検証については、同心円を小さくすれば参考になるところも多いのでは、と感じた。

  • 元外交官の佐藤優と新聞記者の岡部伸によるインテリジェンスについての話。

    双方が特定のテーマについて語る形式だったため、内容はやや散漫だったものの面白かった。

  • まとめと一部感想

    北方領土交渉
    北方領土返還のチャンスを逃して久しいが、返還請求側が交渉では有利なことを前提に、米中関係とロシアの介入等地政学的変化も考慮しつつ引き続き交渉を続けるべき。

    国際情報戦
    ゴーンの逃亡に際して国際的な共感が得られた背景にキリスト教宗派が関係している。そのあたりの分析する視点がソフトパワー利用には必要になると感じた。
    イギリスがファイブアイズをして日本を取り込みシックスアイズにする可能性を示唆している。日本としてはこの体制には情報交換の幅が拡がるのみでなく、イデオロギーや価値観を共有する各国とサプライチェーンを構築できる経済的な連携のメリットがある。一方、同盟国のエージェントが日本国内で不正を働いた場合の対応がおそらく生ぬるいことになる。また、情報機関が事実上不在のため、フェアな情報交換ができるか不明だと思う。

    EU
    イギリスのEU離脱とコロナの影響で、EU各国の分断が浮き彫りになった。アメリカの混乱も影響して、EUの足並みは特に対中国対応でびらぼら。ドイツは中国への投資。イタリアは中国のマスク外交に感謝。スウェーデンは独自に中国に対峙。イギリスはファーウェイ排除。

    米対中
    イデオロギーの対決で考えると見誤る。
    帝国主義対帝国主義の国益の衝突で考える。
    日本も米国との同盟のメリットを享受する帝国主義勢力の一角である自覚が必要だと感じた。

    日本の教育について
    教育についての章は外交等の場面でのエリートの力不足を前提に、強化すべき教育体制を論じている。この章については、あまり同意しない。優秀な官僚の確保やイギリス式エリート教育だけが日本に有益なのか不明なため。また具体的な解決策も見えてこなかった。

  • なかなかいい組み合わせだと思う。
    最後の教育に関する章。イギリスの教育が紹介されていたが、日本は何やってんだって感じ。
    詰め込みは必要。大事なのはその先。

  • アクティブラーニング。今後の教育のヒント。

  • p38 チャーチル首相は、ヤルタ密約はルーズベルト大統領とスターリン首相が直接取り決めたもので、すべての事項がすでの合意されたあとに会議終盤の昼食会で知らされた。 私達は取り決めにまったく参加しなかった

    p131 バイデン大統領 アメリカ史上、ケネディに次ぐ二人目のカトリックの大統領

    p179 アマゾンプライム MI-5 英国機密諜報部

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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