教養としての「中国史」の読み方

著者 :
  • PHP研究所
4.23
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569847221

作品紹介・あらすじ

保阪正康氏、推薦!
「中国を知る最良の方法とは何か? それは中国特有の歴史構造を読み解くことだ。本書はまさにその最適な書である」

最も近接し、否応なくつきあわねばならない大国――中国。
中国を知ることは、日本人が現代の世界に生きていくうえで必須喫緊の課題であり、いま求められている教養です。

なぜ中国は「一つの中国」に固執するのか。
なぜ中国はあれほど強烈な「中華思想」をもつのか。
なぜ中国は「共産党一党独裁」になったのか。
なぜ中国はあれほど格差が大きいのか。
なぜ中国は「産業革命」が起きなかったのか。

「対の構造」をはじめとする中国の個性がわかれば、こうした疑問を解き明かす道筋が見えてくる!

東洋史研究の第一人者が明快に語る隣国の本当の姿。

感想・レビュー・書評

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  • 中国と日本はなぜ相入れないのかを儒教の考えを根拠にわかりやすく説明している。
    俯瞰的に見ているつもりでもバイアスがかかった指点で物事を見ていることを実感した。この本を読む少し前に異文化理解力を読んだため尚更実感した。中国と政治的にわかりあうには時間がかかるな、、
    4.2

  • 読んで良かった。中国と日本の価値観の根本的な違いをはじめに明示した構成が特に良かった。
    清以降の部分も、もう少し踏み込んで頂きたかったが、全体的に納得感のある内容だった。

  • 統一と分裂、異民族支配が織りなす中国の歴史はダイナミズムがわかりやすく解説されています。
    中国との付き合い方について考えさせられる一冊です。

  • 日本は一つの国と言わなくても一つの国と納得できる。
    確かに中国に実際行ってみて、政治と国民は別だと感じた。

    儒教の話が2016年の著者の本よりわかりやすかった。

    自分の専門分野的にスペシャリストの立ち位置なので、ちょっと詰んだ。p93

    日本人がつくった漢字の単語を中国が逆輸入したのは分かりやすかったからかぁ。別の本にもその話は触れられていたが、本書はより詳しく説明している。面白い。p110あたり

    現在も謎多き遊牧民。
    モンゴルは戦わずして征服したのか。すごい

    いつの世も競争が激しい中国。

    文章の構成は著者の世界史の本と結構似ている。

  • 歴史を通じて中国を理解するものになっています。
    なぜ中国は一党独裁なのかもこの本読む理解できますし、実は日本の漢字が中国に逆輸入されたというのも驚きました。
    中国を理解することは結局、韓国の理解にもつながりますので、今後を日中韓の関係を考えるうえでも良書だと思います。
    さらにこの本の考えをベースに中国関連書籍を読むとより深い理解ができるかもです

  • 別紙参照

  • 長い歴史を持つだけに時系列の理解も危うい中国史だが、いい意味で細かい所は目を瞑り、俯瞰的な視点で中国史を分かりやすく解説している。
    それでも現在に至るまでの肝となる、儒教だったり中国という言葉の意味、そして気質や人種などについて最初から最後までしっかりと押さえてるので、中国という国と人種についての本質的な理解を助けてくれる。

  • 一気読みしてしまいました。「中国」という文字が作り出す意味。そして、なんと中国の本流は漢民族ではなく「胡漢一体」。冷静に考えれば当たり前ですよね。民族が入り乱れる大陸国家なのだし。筆者指摘のとおり、私も西洋史観で毒されていることを実感。大陸の両端で地球規模の気候変動が歴史に影響を与えてきた、という指摘は今風で魅力的。そして、とにかく、素人にも大変分かりやすく解説して頂き、ありがとうございました。

  • 中国の個性とは一言では「対の構造」である。
    南北、漢胡・華夷、士庶、中体西用(←和魂洋才)、等々。
    明・清時代から共産党政権への「近代・現代」への変革を解りやすく興味深く解説。
    「中国国民」意識をもたらせた「梁啓超」の話など興味深い。小説「蒼天の昴」の主人公か?

  • 儒教が「中華と外夷」「エリート層と庶民」を分断し、いかに中国の歴史に多大な影響を与えてきたかがよく理解できた。中国人にとって儒教は歴史そのもの。官民(エリート層と庶民)の乖離、コミュニティへの強い帰属意識、(連邦制や地方自治を許さない)一つの中国の追求など、元をたどると儒教による考えが根幹にあることに気づかされれる。

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著者プロフィール

1965年、京都市に生まれる。現在、京都府立大学文学部教授。著書、『近代中国と海関』(名古屋大学出版会、1999年、大平正芳記念賞)、『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会、2004年、サントリー学芸賞)、『中国経済史』(編著、名古屋大学出版会、2013年)、『出使日記の時代』(共著、名古屋大学出版会、2014年)、『宗主権の世界史』(編著、名古屋大学出版会、2014年)、『中国の誕生』(名古屋大学出版会、2017年、アジア・太平洋賞特別賞、樫山純三賞)ほか

「2021年 『交隣と東アジア 近世から近代へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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