Learned from Life History 38億年の生命史に学ぶ生存戦略

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569845753

作品紹介・あらすじ

数々のヒット作を発刊してきた気鋭の植物学者・稲垣栄洋が、38億年の生物の歴史の中に企業の競争戦略のヒントを読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 適切な大学に入ることは、実現ニッチではなく、基本ニッチを手に入れることができ、本来のポテンシャルを活かせるということなのか。

  • 個々の種がどのように競争に勝ったのかの記述が少なく残念。日本で最も種が多いという意味で成功している哺乳類はコウモリという話や、ニッチ獲得のためのハードルの超越、ニッチを得た中でまたさらに分化して構造が生まれていく話、群生する日本タンポポの付近には西洋タンポポは生息できていないなど、題として明らかに面白い話があるのに、詳細に全く触れず、時折「詳細はまだわかっていない」で済ませてしまう。専門家としての推測でもいいのだが…。それゆえかテーマが散在しており何が言いたいのかわからない。わずかな量の段落で著者が実践している、繁栄している種を取り上げて謎を解いていく構成にした方が面白いのでは。
    あとがきで自身でも触れられているが、ビジネス戦略は著者の専門ではない。にも関わらず既知の薄いビジネス戦略の話が延々と続く点には辟易する。コカコーラの戦略やAppleの戦略について表面的な内容は語り尽くされており、著者の洞察はその域を出ない。

  • 生物の生存戦略とビジネスの生存戦略の共通点についてわかりやすく解説しています。(片山光徳)

    日本大学図書館生産工学部分館OPAC
    https://citlib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000288141&opkey=B169881682275883&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=0

  • 生き物たちの生存戦略に興味があったのでもっと割合が多いと嬉しかった

  • 非常に興味深い内容。生物史の流れをひもときつつ、ビジネス戦略に活かすという思考は、生物本来の生き方を学びつつ、ビジネスにも活きるものと勉強させられた。
    ただ、著者が生物側の学者の為、やはりビジネス視点においては弱いように感じた。

  • BizArtsにて読了。生物の生存戦略と人間の世界でのビジネス戦略が同一のものであることは当然のことであるとゆう。宇宙から俯瞰すればビジネスは人間の営みであるため当然の摂理とのこと。差別化、棲み分け、ニッチ、ずらすという方法が生物の進化、生き残り、多様化繋がる。企業の生き残り戦略と一致する。

  • ○生物みなNo.1
    ○オンリーワンの場所
    オンリーワンの奪い合いの結果、No.1
    ○ニッチ=No.1になれるオンリー1の場所=違い
    ○無駄な競争を避ける
    ○ポジショニング
    ○ニッチを欲張るな、小さいニッチを探す
    ○戦わない=ニッチシフト、生物戦略の一つ
    ○ダーウィン、唯一生き残ることができるのは、変化できる者
    ○差別化と集中
    ○ランチェスター戦略、強者の戦略、弱者の戦略
    ○みみずだって おけらだって あめんぼだって
    ○チーター
    ○キリン
    ○ゾウ 大きさNo.1
    ○ラクダ 砂漠 水分
    ○ナマケモノ 動かないNo.1
    動かないものとして映るから天敵の目を逃れている

  • 植物や動物の成功戦略は、ビジネスの成功戦略でもある。太古の昔から今日まで、進化し、生き抜いてきた自然界の生き物に、ビジネスで成功するための秘訣を学ぶ書籍。

    自然界では「ナンバー1しか生き残れない」。
    すべての生き物は、どこかでナンバー1で、その場所は、それぞれの生き物だけのオンリー1だ。このオンリー1の場所を「ニッチ」と呼ぶ。ニッチはもともと生物学の用語。

    1つのニッチには1つの生物種しか棲めず、生物たちはニッチを巡って激しく争う。そのため、ニッチを確保しても永遠にナンバー1でいられるとは限らない。そこで、生物は自分のコアなニッチを軸足に、近い環境や条件でナンバー1になれる場所を探す。この「ずらす戦略」を「ニッチシフト」という。

    ビジネス戦略で重要なことは、「強みを活かして差別化する」と「強みに集中する」の2点だ。これは、強みの周辺でナンバー1を目指す、生物のニッチ戦略そのものである。

    雑草の多くは、自分の花粉を自分につける「自殖」と、他の個体と花粉を交換する「他殖」の両方を、環境に応じて使い分ける。どちらの選択肢も準備するこの戦略は「両掛け戦略」と呼ばれ、予測不能な変化を生き延びるための戦略である。

    生物が増殖していく戦略には、多くの卵や子どもを産む「r戦略」と、少ない卵や子どもをしっかり育てる「K戦略」がある。変化が大きい環境では、数が多いほどどれかが生き残る確率は高くなるため、数で勝負する前者の戦略が環境変化の早い現在では有利となる。

    大企業は、安定を求めるため、失敗するリスクがあるものには挑戦しにくい。だがGAFA は、大企業でありながら常に挑戦し続けている。小さな挑戦と撤退を繰り返し、変化し続ける。これが、予測不能な時代に成功を収めているGAFAの戦略だ。

  • オンリーワンはおのずとナンバーワンになれる。 
    現存している生物は創意工夫をして生き残っている。出来る限り戦わない。強そうにない生き物が溢れている。時間や場所をずらして生き残る。夜に餌を探すや空に逃げるなど。古い→新しいの進化の中で歪みが生存スペースとなる。持ってる強みを活かす。地面ばかり見ていると空のニッチに気づかない。 
    結論:自分達の強みを活かしたニッチを見つけ、(視点をズラして余白をみつける)世の中や環境が進化するプロセスや過程にもニッチが存在する。ない市場を見つけ、または作り、弱者でも生き残る術をみつける。世の中が見ている方向と視点をズラすことで見えてくるモノがある。

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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