働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569841007

作品紹介・あらすじ

「死ぬまで現役」な人生100年時代。あなたはどう働く? 「AIが人を喰う」時、どんな仕事をゲットできる? 生き残り方をリアルに紹介!

感想・レビュー・書評

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  • 社会は今後世界的にハードモードになっていく。
    なぜならリベラル化に伴って今まで犠牲になっていた層が競争に参加してくるから。そんな世界をどう生き残るか?
    ギバーとなる、何を与えるの?人的ネットワークを構築して人と人とを繋げていくことをやって行くとともに少しづつでも資産を築くということ。
    まあ確かにそうだよね。


    Amazonより
    「死ぬまで現役」な人生100年時代。あなたはどう働く? 「AIが人を喰う」時、どんな仕事をゲットできる? 生き残り方をリアルに紹介!

  • 日本の働き方はとっくに周回遅れだよという本。
    人種や性別などの先天的要素による差別をなくした結果が学歴主義・自己責任・能力主義という主張に納得。

    働き方1.0→年功序列、終身雇用
    働き方2.0→成果主義
    働き方3.0→スペシャリストの離合集散
    働き方4.0→フリーエージェント
    働き方5.0→機械が働く

  • 働き方について驚きのことが見つかるかもしれない一冊。海外と日本の対比、女性と男性の対比などをとおして、以下に今の日本社会が不条理で非効率か、流動性がないかといったことが書かれていたのが印象的でした。じゃあどうするか、という点についてはフリーランス・自分の能力・評判で働くというホリエモンさんもよくいう展開になっています。「ーすべき」的な言い切りな表現が多いので苦手な人もいるのかなと思いました。

    ●なんと!勤務時間で均すと男女平等
    本書では男女の昇進について勤務時間で補正すると男女差がなくなるそうです。勤務時間で評価されるってまだそんなことやっているのかと思いますが、理想と現実の差を埋めるのは本当に難しいことです。他にも専業主婦
    は実は・・的な話題もあり、専業主婦全員に当てはまるわけではないと思いますが考えさせられました。

    ●定年はしがみつき
    はっきりと本書では無駄であると書いてあり、その先に給与減で再雇用するのも無駄だといっています。その一方で年金問題を解決するには長く働くことともあり、それまでに自分ができることをいかに増やしていくかということを考えさせられました。

    ●自分ができること?
    フリーランスになるには、どこまでできればいいのだろう。どこまでスキルが有れば食えるのだろう。そりゃスキルがあればあるほど強いのだろうけど・・。フリーランスに興味がある方がおそらく絶対に立ち止まるポイントではないでしょうか。そこで勇気を出すのが働き方4.0への第一歩なのでしょう。
    横並びに慣れているわたしは今の状況を変えたいのですがちょっと怖い気持ちもあります。さらにその上の管理職をさせている世代の方はなおさらでしょう。
    変えること・変わることを楽しめる社会が働き方4.0なのではと感じました。そしてそれは上梓から3年たった今ではないですね。

  • 知らないこともたくさんあって、面白かった。
    好きなことでないと学び続けるのは無理っていうのはその通りだと思う。

    どんどん世の中変化していくなか、その変化に抵抗しないことが大事なのかなあと漠然と思った。

  • 人はみんなで集まって働きたいという思いがある以上、それを仕切る人が必要であり、それをできるのは管理職を経験したスキルは非常に有効である。これをオンラインサロンなどで活用していけば自分の居場所が見つかるのかもしれない。

    本書では、今の日本で行われている働き方改革は、日本特有の戸籍制度を廃止しない限りは、中途半端な改革に終わってしまうと警鐘を鳴らしている。戸籍とは個人ではなく家父長制度を元に作られた制度であり、日本人(婚姻関係含む)以外は日本国籍を取得できないため、一流の移民が日本にやってくることはないと主張する。また、専業主婦を奨励するような制度になっているため、いつまでたっても日本人女性の中に(正社員の対比としての)専業主婦が減らないという現実がある。さらには、終身雇用、年功序列といった正社員のみを守るための制度が、会社と(正社員を守るための)労働組合によって守られているため、非正規社員にばかりしわ寄せがいってしまう。このような働き方は先進国では日本だけであり、速かれ遅かれこのような制度は崩壊するであろうと著者は述べている。

    世界の最先端では、既に会社もプロスポーツ化してきており、社員は選手と同じように自己努力によって成果を挙げたものだけが会社に残ることができ、成果がでない社員は解雇されるという働き方が出てきている。この場合、解雇されても解雇された会社が一流であれば、プロスポーツと同様にそこに箔がつくため、次の就職には有利になるという。一方、日本では終身雇用を守るため、一流でもない社員を使いまわすことを優先することで、社員は疲弊し会社も成果を上げられないという負のスパイラルに陥ってしまう。
    このような世界の潮流の中では管理職はいなくなるのかといえばそうではなく、より多様化した社員を束ねるためには管理職は必須だという。その理由は以下の3つである。
    ①世界がひどく複雑になり、変化のべースが速くなったこと。このような世界で生き抜くには調整やすり合わせ、根回しが重要となるが、それを全部ソーシャルメディアで代替することはできない相談で、橋渡し役となるミドルマネージャー(トランスミッションべルト)がどうしても必要になる。管理職は、小さな問題を解決し、大きな問題を上司にあげ、上の指示を噛み砕いて下へ伝え、下の言い分をうまく上に伝え、交渉し、討論し、その他諸々のソーシャルスキルをあちこちで発揮することで、組織の仕事をスムーズに回し、つっかえたり滞ったりしないように気を配る。
    ②大方の人間は数字やアルゴリズムだけでは納得しない。たいていのひとは、無味乾燥な数字よりも、説得力のあるストーリーやエピソードに心を動かされる。これは消費者だけでなく従業員も同じで、賢い企業は顧客に対してだけでなく社員に対しても高度な説得術を駆使する。
    ③会社(組織)が存在するいちばんの理由は、人間というものはいっしょに働き、助け合うのが好きだからだ。社会がどのように変わったとしても、大多数のひとは、どこかに集まって「みんなで」働きたいと思うだろう。だとすれば、誰かが仕切り役を買って出て、うまく意見をまとめてみんなに分担を割り当てなくてはならない。

    人生100年時代には、原理的に、好きなこと、得意なことをマネクイズして生きていくほかありません。もちろん、すべてのひとがこのようなことができるわけではありません。だから私は、これを「残酷な世界」と呼んでいます。

    人が市場で富を獲得するには、金融資本と人的資本の2つしかない。前者は投資。後者は、スキル向上、長く働く、共働きの3つしかない。その中でも簡単に実現できるのは後者の2つ。長く働くためには定年制を廃止するか、定年後も働ける専門性を身に付けておく。3つ目は専業主婦から正社員とは言わなくても、非正規やフルタイムパートで年収200万円を目指す。

    こころの病は長く働くことが原因ではありません。「いやなこと」をえんえんとやらされるから苦しいのであって、好きなこと、楽しいことであれぱどれほど長時間労働でもまったく苦になりません。「いやなこと」は、大きく3つに分けられるでしょう。
    ①なんの意味があるのかわからない仕事。すなわちブルシットジョブです。
    ②人間関係。「今日もまた怒られるのか」と思いながら会社に通ったり、「顔も見たくない」同僚が隣の机に座っているのは苦痛以外のなにものでもないでしょう。
    ③自分の能力を超える仕事の責任を負わされること。内向的な社員が重いノルマを課せられ、同僚と営業成績を競わされるような場面を思い浮かべるでしょうが、それだけでなく日本の会社ではこうしたことがあちこちで起きています。
    あらゆる仕事で高い専門性が要求されるようになるなかで、「ゼネラリスト」としての経験しかないサラリーマンが、必要な知識やスキルを獲得できないまま年功序列で役職を与えられています。そうなると、「この仕事をやりとげるだけの能力が自分にはない」と思いつつも、誰にも不安を打ち明けることができず、上司や同僚、部下、クライアントの視線に戦々恐々としながら日々をやり過ごすようなことになりかねません。
    プログラミングの知識がほとんどないにもかかわらず、多数のプログラマーを束ねる大きなプロジェクトを任されたら、うつ病になっても不思議はありません。こころを病めば仕事がら外れることができ、ウソがばれずにすむのですから。

    多くのひとが感じている生きづらさの根源にあるのは、知識社会が高度化し人間関係が複雑化していることです。保守派やコミュニタリアン(共同体主義者)は「むかしのようなふれあいがなくなった」と嘆きますが、これはそもそも事実として間違っています。小さなムラ社会で農業しながら暮らしていれば、顔を合わせるのは家族と数人の隣人たちだけで、ムラの外から見知らぬ人間(異人)がやってきたら大騒ぎになるでしょう。
    しかし今では、(少なくとも都会で暮らしていれば)日々、初対面のひとと出会うのが当たり前です。こんな「異常」な環境に私たちは適応していないので、それだけでものすごいストレスになります。問題は「ふれあいがなくなった」ことではなく、「ふれあいが多すぎる」ことなのです。
    日本をはじめとして先進国で急速に進む「ソロ化」はここから説明できます。日常生活での「ふれあい」に疲れ果ててしまうため、プライべートくらいは一人(ソロ)になりたいと思うのです。

  • 納得する点が多かった。

    現在、私は自分の働き方がこのままではだめだと感じている。

    確実にこれからの社会は変わっていく、仕事との関わり方、人との関わり方は、自分次第で良い方向に変わっていく予感がした。
    しかし、日本の雇用形態はすぐさま変わるとは思えないので、先手必勝、早めに策を打ち、自分の好きなことでフリーエージェントとして生きていきたい。まずは自分の資本を上げなければ。

  • 思想が前面に出てきすぎて読みきれなかった。
    海外との働き方の違いを客観的な視点で説明してほしかった。

  • 興味深い!
    特にサラリーマンにとっては。

    ・長く働く
    ・どこでも誰とでも働ける
    ・成果主義は反差別から生まれた
    ・戸籍制度は日本独自のもの。親権がなければ自分の子ではなくなるため、養育費も不要。2割は払っていない。
    ・知識や人脈を惜しげもなく共有。なくならない資源。
    ・会社を離れると give できるものがなくなる
    ・自分を理解して自分を売る
    ・ずっと学び、ずっと働き、自分の趣味を全うする

  • ・日本と海外の働き方の違いを学んだ。
    ・日本は戸籍制度から成り立っていて、税金、働き方を始めとして様々な仕組みが、「個人」を基調とした他国の制度とは違っている。
    ・働き方1.0〜5.0を知ったうえで、どこを目指して行くのか。人生100年時代、グローバル化、ITが浸透、ギグワーカーが増える中で
    再度考えるきっかけになった。
    ・今後は、個人がどれだけ仕事を任せたい人間であるかが重要視されるのだろうと改めて実感した。
    ・周りに人脈と知識をどれだけgiveできるのか、ネットワークを持てるのかが重要なスキルの一つになる。

  • 結果論、フリーエージェントを勧めていた。会社で働くのも責任がないし、安定、安心できるのでいいが、なんせ現代社会は人間関係が複雑。ゼネラリストではなく、スペシャリストを目指そう。
    日本の雇用実態、特に正社員、派遣、パートタイムの身分の差があることが、海外では労働時間の対価により支払われる、ある意味平等なところや現地採用が国籍差別としていて、現地の安月給は認めるものの、中国が日本企業買収で日本に現地法人を置き、言い訳として現地採用で安月給という話になれば、倫理に反するとしていて、日本の考え方や採用方法、働き方に疑問を感じた。

    アメリカでは、Netflixは最高の結果を出せる人だけが会社に残り、Googleはは自分より優秀な人を採用する。そんな日が日本に来る日は程遠いが、グローバル化が進む中で、ギクエコノミーも参入してきており、益々競走が激しくなるだろう。

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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