[図解]IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569840574

作品紹介・あらすじ

「自分の会社や取引先は大丈夫か?」。会社再生のプロが、ビジネスで必須の経営分析、財務分析を図解形式でわかりやすく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 会計の立場にいた身からすると、一つひとつにウンウンと頷ける。ただ抽象度が高いので、これを部下に読ませて理解できるのだろうか…。

  • 経営分析の具体的な方法論が学べました。
    事業経済性(規模の経済性等)に対する漠然とした認識も改まり、今後自分の頭で活用を繰り返すことで定着を図りたいと思います。
    特に架空のトマトの卸売り企業を題材に、財務諸表を基点した事業経済性の分析例はわかりやすかったです。

  • 経営分析をする上で

    ・いきなり財務分析ではなく、事業のイメージし、仮説を持って分析すること。定量と定性。3Cや各フレームワークで分析。決定プロセスとか
    ・業界でもビジネスモデルが異なるので、単なる比較は意味ない。分析はテーラーメイド
    ・業界構造・肝を理解すること
    ・本気で分析するのは、経済性(持続的に儲けられるか?リスクは少ないか?)、健全性(なにかあっても耐えられるか)

  • はじめに―あなたは本当の経営分析ができますか?
    第1章 リアルな経営分析とは何か?
    第2章 リアルな経営分析の進め方
    第3章 生き残る会社と消え去る社会〈実例に学ぶ分析枠組み編〉
    第4章 生き残る会社の数字の作り方〈ケーススタディーで分析訓練編〉
    おわりに―「会社」も「事業」も無形物

  • IGPIの3冊目。登録して気づいたが、実は2012年の文庫本版を読んでいた。本書はそれに改定を加えて2018年に新たに出版されたもの。

    感想。
    おもしろい。昔読んだ時よりも備忘録多い。

    備忘録。
    ・世の中に経営分析本はたくさんあり、どれも正しいことが書いてある。しかし、世の中にたくさんあるDD等の分析資料は正しい経営分析がされていない、イタイ内容のものが多い。しっかり使えるかどうかがカギで、本書はその為のの本。

    ・パワーのかけどころは、全体比1%の部分ではなく、全体比10%の比重がある部分にしたい。コストで言えば全体の1%しか占めないコストについて、いかに正しく分析し指針を示しても、効果は限定的。

    ・例えばJALの場合、細かな・マニアックな論点が数多くあったが、結局は固定費の多くを占める人件費にメスを入れたのが効いている。その結果、東日本大震災で稼働率が下がってもしっかり黒字。

    ・大企業と異なり、中小企業の分析は一筋縄では行かない。◎◎比率が悪すぎると言っても、中小企業ならではの人に紐付く問題もあったり、そもそも優先順位が違うとか。大事なのは数字の背景にあるストーリーを理解すること。

    ・簿記はすべての基本。自分で手を動かして財務3表連動のモデルを作れるくらいは必要。

    ・一番大事なことは、現場を見て、それと数字を突き合わせること。目の前で起こっていることと経営上の数字。この突き合わせは現場で経験を積むしかない。

    ・IGPIが分析者側からから、投資家やコンサタントとして企業側に立場を変えた時、今度は企業側から批判される。財務3表を自分でプランニングして、管理する立場になると、既得権益をもった社員から相当叩かれる。そういう真剣勝負の経験が力になる。

    ・規模が効くか。売上や顧客数が増えても、増えない共有コストがあり、かつそのコストがコストの相当割合を占める場合。

    ・規模の経済とバイイングパワーはちょっと違う。バイイングパワーを高めても、各拠点への配分費用や管理費用が増える場合が多く、この場合規模は効かない=規模の不経済。

    ・規模の経済と稼働率も少し違う話(←難しい)。ホテル、バス、飛行機、不動産賃貸は稼働率がテーマ。「不動産賃貸で本社機能が一定で済むから規模が効く」は間違いというか的を得てない。1つ1つの稼働率が的。

    ・付加価値率がポイント。会計でいうところの付加価値に占める、自社でコントロール可能な費用がどの程度あるか。ここが少ない、例えば卸とかは苦しいし、規模の経済も効かない。卸が統合を進めているのは、規模を大きくして、ITや物流センター等の投資を進め、事業効率を高めている。

    ・また、範囲の経済も卸に効いたりする。1顧客当りに提供する商品範囲を広げ、どうせ配送して回るならいろんな商品を届ける=高瀬物産とか。

    ・M&A時のシナジーは、規模の経済や範囲の経済から語られることが多いが、現実化することが少ない。それは働いている人間の問題が介在するから。簡単ではない。

  • 規模の経済、範囲の経済 ネットワークの経済
    分析はPLからSKUまで落とし込み、商品・サービスの売買実態を想像する。
    簿記2級レベルは必須

  • 財務分析、現場の想像、現場での理解と実践

  • 経営分析の一般的なイメージとしてPL、BSの数値を四則演算などによって指標化し、業界内で比較すると想像していた。しかしながら、本書はそれら一般的かつ大学の教科書で使用されるような経営分析本と違い、数値からなぜそのような数値になっているのかを、ビジネスの実態(オペレーション人員はどのくらい?保有すべき車両はどのくらい?などに現場レベルまで因数分解する)まで落とし込んで考えていくことが本当の経営分析だという。

    数値をもとにビジネス実態がどうなっているのか、一般的なモノサシやデータを使って財務諸表上の表面的な数値を、単位当たりの意味のある数値に分解していくことは一種のフェルミ推定のような考え方に近いと感じた。

  • 経営分析を財務指標とフェルミ推定的な要素の両面から追うことで、実際の経営分析につながることを事例を交えて書いてある本。
    多くの事例を交えているので、多くの業界についても触れることができる。

  • リアルな分析を学ぶ

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著者プロフィール

冨山 和彦(トヤマ カズヒコ)
株式会社経営共創基盤(IGPI)グループ会長
1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。ボストン コンサルティング グループ、コーポレイト ディレクション代表取締役を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画し、COOに就任。2007 年の解散後、IGPIを設立。2020年10月より現職。日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役社長、パナソニック社外取締役、経済同友会政策審議委員会委員長。財務省財政制度等審議会委員、内閣府税制調査会特別委員、内閣官房まち・ひと・しごと創生会議有識者、国土交通省インフラメンテナンス国民会議議長、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議委員、経済産業省産業構造審議会新産業構造部会委員などを務める。主な著書に『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(PHP新書)、『コロナショック・サバイバル』『コーポレート・トランスフォーメーション』(いずれも文藝春秋)などがある。

「2022年 『両利きの経営(増補改訂版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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