- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569820040
作品紹介・あらすじ
なぜ日本を代表するアルピニストは「富士山の世界遺産登録」を嘆くのか。日本が誇る霊峰の驚くべき現状と私たちがいまできることとは?
感想・レビュー・書評
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伊勢神宮が世界遺産に登録しない理由がわかる。
世界遺産は世俗のことなんだと教えられる。
物事の本質を知るべきことを思い知らされる本質。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思索
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アルピニスト野口健。といえば、富士山のゴミ拾いに積極的なのは知っていた。
その流れで、世界遺産になることを目指していたのだと思っていたが、違ったのね。
この本を偶然、図書館で見つけて、著者名とタイトルに違和感を覚えたのがきっかけで、読んだ本。
この本にも書かれているけれど、世界遺産になることは、その環境を保護して、後世に残すことが必要なはず。
だから、世界遺産になると聞くと、「これからが大変だよね。人が多く来すぎて、保護が難しくなる。」と思っていた。
でも、実際は、観光客が増えること、増えたことばかりがクローズアップされていて、違和感があった。
この本を読んで、やはり、「お金」「人間」「利権」が絡んでいるんだなーと納得。
富士山が文化遺産を取れた時の条件は、2016年2月1日までに、富士山をどう守るか?どう環境をまもっていくか?の報告をすることになっていたようだが、それは、どうなったのだろうか?気になるところ。
あと、入山料の使い道は、決まったのだろうか?
登山電車構想は、どうなったのだろうか?
気になることばかり。。
今年、富士山に登ってみたい!と思ったが、これを読んで、安易すぎたなーと反省。
でも、読んだからこそ、登ってみたい気もしてきた。
もちろん、ゴミはきちんと持ち帰り、入山料も払ったうえで。
ちなみに、余談だが、私にとって富士山は、母なる山というイメージが強い。 -
実際の目で見て聞いたことが書いてあったので非常に勉強になった。富士山頂が私有地なのも面白い。自分も人間だが、やはり人間は仕方がないって思う。ただ、ゴミ拾いはしようかな。
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野口健がこのように考えているとは。。。
世の中の大半の人が彼の思いを勘違いしていると思うし(自分もその中の一人だった)、もっとこの富士山の世界遺産登録に関しては論じられてもいいと思う。
結局、利権がらみなのね。。。
と悲しくなるなぁ。 -
新聞の書評欄で紹介されていたので読んでみた本です。
著者の野口健氏は、日本の代表的なアルピニスト。最近は、エベレストや富士山の清掃登山等、環境問題への取り組みでも注目されています。
本書は、その野口氏が、富士山の世界文化遺産登録をひとつのシンボリックな材料として、日本の環境保護問題の課題を浮き彫りにしたものです。そして、本書において著者が求めているのは、「富士山を世界文化遺産」として維持し続けるという点ではありません。それは、むしろ手段であり、究極の目的は「環境保護」にあるのです。 -
恥ずかしながら「知らなかった…」ということの連続でした。もともと「富士山を世界遺産に」と呼びかけていらしたアルピニスト野口健さんの現在の胸の内。彼がこんなことを考えていると知り、なおのこと重い。
富士山が登録された世界遺産って、当初の「世界自然遺産」から「世界文化遺産」に変えて登録が叶ったという経緯をご存知でしたでしょうか?(私は恥ずかしながら迂闊にもきちんと理解していなかった次第です)
では、富士山のどういった「文化」が評価・登録の対象となったのかご存知でしょうか?
登録叶ったとはいえ、かなり「条件付き」の登録であり、「改善命令」が付されていること、また指定の期間までにその改善がなされないと登録が抹消される可能性も大きいことをご存知でしょうか?
もし、全部「YES」であればこの本を読む必要はないかもしれません。
でも、1つでも「NO」であれば、この本に書かれている世界遺産登録を巡る裏の事実、そして野口健さんの主張を知っておいた方が良いと思わざるを得ませんでした。日本人ならば。
やはり富士山は「日本の象徴」ですからね…
その富士山がどういうことになっているか?日本人全員が関心を持つべき課題と言えます。