木材・石炭・シェールガス 文明史が語るエネルギーの未来 (PHP新書)
- PHP研究所 (2014年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569817972
作品紹介・あらすじ
歴史をひもとき、エネルギーの原理を考えれば、再生可能エネルギーが環境に悪いのは明らか。文明史からエネルギーの未来を読み解く。
感想・レビュー・書評
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この2世紀で世界人口は10倍、世界平均寿命は2倍になりましたが、これはエネルギー革命の恩恵だと知らされます。つまり、エネルギーを大量に消費しながら種を繁栄させるのは人類の業ということですね。そんな中、もてはやされる再生エネルギー(太陽光・風力等)の致命的なまでのエネルギー効率の悪さを明らかにします。バラ色の救世主は存在せず、冷静に将来を見据え、経済合理性に基づいて対処すべき事を説いています。筆者自身も、一部感情的に筆を走らせた箇所もありますが、多くの知見があり、示唆に富んでいると思います。
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SDGs|目標7 エネルギーををみんなに そしてクリーンに|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/691693 -
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「エネルギー反革命」の時代/第2章 再生可能エネルギーの世界史/第3章 第一の反革命ー再生可能エネルギーは環境に悪い/第4章 第二の反革命ーシェールガス革命/第5章 第三の反革命ー「石油の世紀」の終焉/第6章 エコという迷宮/第7章 エネルギーの将来 -
<目次>
まえがき 歴史と原理がないがしろにされている
第一章 「エネルギー反革命」の時代
第二章 再生可能エネルギーの世界史
第三章 第一の反革命 再生可能エネルギーは環境に悪い
第四章 第二の反革命 シェールガス革命
第五章 第三の反革命 「石油の世紀」の終焉
第六章 エコという迷宮
第七章 エネルギーの将来
あとがき
2014.04.22 新書巡回で見つける。
2014.05.19 読了、秀逸。 -
読了。2014年発行の本。2016年4刷とあった。売れているのかな?
勉強になる。原子力全廃は合理的でないとの主張と思う。2018年の状況について、著者に聞いてみたい気がする。 -
データに基づき、エネルギー問題の全体像がわかる。特に再生エネルギーの限界や世の中の誤解が丁寧に説明されている。再読したい。
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(後で書きます。参考文献表あり)
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「エネルギー問題は奥深くて、一筋縄ではいかない。各エネルギー源は、全てそれぞれ独自の大きな欠点・問題を抱えており、魔法の杖、救世主のスーパースターはどこにも存在しない。それは、現代社会の人口が巨大すぎ、経済規模が巨大すぎ、必要エネルギーの量が巨大すぎて、言わば「猫の手も借りなければ、やりすごすことができない」からだ。
窮地に陥ったときに、最後にスーパーヒーローが現れて、見事に危機一髪ですくわれるというのは、ハリウッド映画や「水戸黄門」などのお約束のテレビドラマだが、現実の世界は甘くない。
ヒーロー待望や技術ファンタジーに依存すると、結局は、悲劇に見舞われることになる可能性が高い。「地獄の道は善意で敷き詰められている」、「ユートピアに見える地獄への入り口」というのが、人類史の極めて重要な教訓の一つだろう」
と、筆者は安易な再生可能エネルギー代替神話を、むしろ環境を破壊するものとして退ける。ただ3.11以降、原子力が大きく復権する可能性は低く、短期的にはLNGの比率を増やしながら、落としどころとなるベストミックスを探るというのが、ざっと結論になるだろうか。
IPCCが政治化しており、コンピューター・シミュレーションに依った予測が必ずしも正確ではない、という主張については、確かに可能性としてはあるのだろう。ただ筆者も述べるとおり、CO2の温室効果が実験室レベルでは定説であるから、環境負荷を減らす方向で動かないといけないことに変わりはない。
緑化と省エネ。エネルギーの使い手である私たちは、一過性の感情的な判断を避けるために情報を集め、まずは身の回りの地道な努力を続ける必要がある。 -
15/2/12読了