経営戦略論入門 経営学の誕生から新・日本型経営まで (PHPビジネス新書)
- PHP研究所 (2013年4月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569812199
作品紹介・あらすじ
戦略系経営コンサルタントの第一人者が「経営戦略のすべて」を解説し、日本企業が生き残るための「経営戦略」を考察する。
感想・レビュー・書評
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古今東西、経営戦略論の誕生から現代に至るまで様々研究されてきた経営学を、その学派が生まれた必然性を時代背景と共にまとめながら一定の軸で整理し体系化した一冊。
新書のボリュームでここまで美しく整理されると感嘆しか出てこないレベルでスマートにまとまった内容。
最近読んだ経営戦略全史で長々と書かれていた内容がギュッと凝縮されてかつ整理・体系化されているような読後感でとても気持ちのよい読み味。
作れば売れた時代から段々他のこともやらなきゃ成長できなくなって、ある程度飽和してくるとどうやって競争相手と戦うかという問題に直面してきた経営の流れに沿うように、経営管理→経営戦略(多角化戦略等成長戦略が軸)→競争戦略と経営学がシフトしてきた流れがよく分かる。
現代においてはイノベーションとグローバル化という2つの壁に対して、日本的経営をどう活用するかというテーマで持論も展開されており、これも過去の経営戦略論の歴史から体系建てて説明されていて納得度が高い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
経営戦略に関して、時間軸、切り口、そして最新の課題をコンパクトにまとめたまさに入門書。経営企画部門に長く在籍する者として、自分自身のやってきたことを振り返るとさまざまな経営理論をそれなりに実践してきた者としても、その振り返りとして大変参考になった。また、最新の課題としてのグローバル化、イノベーションについても単なる紹介ではなく、著者の肌感覚としての切り口が提示されており、示唆に富む内容だった。
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【星:5,0】
長年戦略系コンサルタントとして活動してきた著者による経営学の入門書である。
著者は冒頭この本を書くに当たって「分かりやすいこと」「体系的であること」「現実的である」ことを念頭に置いたと記載があるが、まさにそのような1冊に仕上がっている。
まず本当に「分かりやすい」。初学者の私でも十分に理解できた。
そして学術としての経営学としてしっかり体系立てて説明しつつも、現実のビジネスに根ざした内容となっている。
そして200ページの新書にこれだけの内容をしっかりと書き尽くしているのがすごい。
経営学、経営戦略、マーケティングなどを学びはじめるというなら、最初の1冊はこれで決まり! -
コスパ良し。経営学部の学生に超おすすめ。
新書なのに体型的。ここで興味をもった理論は個別に原著を読んでいくことが必須かと思われる。 -
マネジメントとリーダーシップの違いをググってたら見つかった本。経営戦略の歴史を学べて良かったと思う。
定型タスクを管理するのがマネジメント、非定型タスクをゴールへ導くのがリーダーシップかなと理解しました。
あと気になったところ。
ホーソン実験。
→労働環境が悪くなっても働き続けたとか。
サムスンでは若い社員を毎年ほぼ二〇〇人ずつ強制的に国外に派遣して 、一年間 、現地で暮らすことを義務づけている 。
→やっぱりこれくらいやらないと身につかないよなー。生き残ったやつが使えるやつ。なまぬるいやり方では人は育たない。修羅場は必要。 -
経営学を歴史的な視点から体系的に俯瞰したいと考えていたので、そういう面でバッチリな書籍でした。
経営学やマネジメントってなんだろうか、というレベルの初学者にピッタリの一冊だと思います。
戦後の企業活動について、その当時の時代背景と、生み出された理論が、整理されています。
自分もいままで社会人学生として学んできた経営学を、時間軸で整理することが出来ました。
また経営学は、戦略・組織・心理学など かなり学際的な学問であり、企業の実践と密接に関係付けられています。今後も、その時代のニーズと共に歩むのだなと、あらためて感じました。
逆説的に、歴史を学ぶということの重要性も痛感。
第二部として、現代の経営課題として、イノベーションとグローバル化の解説があります。
現代のテーマのため、明確な指針はありませんが、双方共に自社の課題でもありますので、本書の解説をヒントに考えていきたいと思います。
著書の主張する"アンビション(志向)"を足がかりに!
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経営戦略論について、その発達の過程と類型を整理している。
有名なフレームワークについて、ある程度頭に入っていないと、話についていくのはもしかすると難しいかもしれない。なので、「入門の次の一歩」という位置づけのように思う。
内容としての肝は、第Ⅰ部の後半で、複雑に入り組んだ経営戦略論の体系をシンプルに整理したことだと思う。
プランニング学派(計画による戦略)とエマージェンス学派(創発による戦略)、ポジショニング学派(外側に対しての動き方)とリソース・ベースド・ビュー学派(内側から考えた動き方)とに分けたことが、非常に重要な見方。
第Ⅱ部は、第Ⅰ部と比べると、それほど大きな感動は無かった。ただ、米国と日本でのイノベーションを生むためのプロセスの違いや、文化・組織といった観点から見た日本的経営のあるべき姿(創発型×コア・コンピタンス型、長期的視野に基づく経営)などは、今後も意識していきたいテーマだと思った。
(読んだタイミングも良かったが、)学んだこと・発見したこと・考えたことがそれぞれいろいろとあり、良い本だった。
「理論は端的であり、現実の経営は重層的である」という言葉の通り、戦略というのは知識として学べる類のものではなく、知識として蓄えたフレームワークやアプローチ方法を地図とし、自分で考えて走りながら掲載していくものなのだと思う。 -
経営戦略について、成り立ちから、当時の背景を含めて(だからこういうフレームワークが発達し、次はこういう方向へ世界が動いた等)が時系列で分かりやすくまとめられている。
また著者の提言もとても分かりやすくしっくりくる。
入門書としてはとても良い一冊。 -
経営戦略について理解が浅いと対応できない仕事が若干増えてきたため、経営戦略論の変遷を時代背景とともに整理して理解したく、この本を読む。
感想としては、時代の移り変わりに応じて、その時代にどのような経営戦略が求められてきたかを、とても分かりやすく体系的に整理して理解できた。
さらには、あまり深い内容ではないが、欧米企業と日本企業を取り巻く環境の違いから、新・日本型経営を提言されており、参考になった。