日曜日の王国 (わたしたちの本棚)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569787527

作品紹介・あらすじ

学校へ行けなくなった、小学五年の繭。スケッチクラブ「日曜日舎」に通い絵を描き始める。絵を描くことで繭の心に変化が生じる……。

感想・レビュー・書評

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  • 子ども時代に出会いたかった本。
    子どもが読むファンタジー本デビューに良さそう!また、絵を描くのが好きだとか、絵画教室に通っているというお子さんにオススメかも。絵や画材、スケッチブックの話が出てくる。

    学校に行けない小学5年生の女の子・繭が、〈日曜日舎〉という不思議な画材店へ導かれる。
    そこには日曜日だけ開催されるスケッチクラブがあった。集まるものも奇妙な人たち。しかもそこの柱時計は狂っている。
    ーーという設定で、繭がこの不思議な日曜日舎に通うようになり、絵を描くことが好きな自分を再認識し、親や不登校に向き合っていく心温まる話。ラストの伏線回収にも納得。

    好きな場面は、「透明水彩絵の具を使うといいよ」と勧められ、クラブの仲間が繭のパレットに次々と絵の具を出して分けてくれるところ。新しいパレットがたくさんの色で埋まり、まるで宝石箱。
    悩める繭の心にもぱっと色がついたように思えた。

    絵を描く魅力が描かれているので、描きたくなる。子どもの頃に読んでいたら、習いたいと親にお願いしたかも。絵心はないが透明水彩絵の具が気になり、文房具屋の画材コーナーを覗いてきた。色とりどりの絵の具チューブを見て、心弾んでしまった。
    絵の具はないけどインクや色ペンならあるので、何かイラストでも描いてみるかな〜。

    • 地球っこさん
      なおなおさん、おはようございます♪

      おお、今の私たちにぐっとくるお話のようですね。
      「透明水彩絵の具……」の場面、なんだか胸がキュッとなり...
      なおなおさん、おはようございます♪

      おお、今の私たちにぐっとくるお話のようですね。
      「透明水彩絵の具……」の場面、なんだか胸がキュッとなりました。綺麗だね。

      でもこの本を読んじゃったら、きっと透明水彩絵の具気になってしまうよね。
      絵も描きたくなるよね。

      あ、なおなおさん、それで「明治のいろ」も見つけちゃったのね~


      2022/07/15
    • なおなおさん
      地球っこさん、おはようございます!

      私は絵も画材についても知識がないのですが、透明水彩絵の具の魅力が描かれていて気になってしまいました。
      ...
      地球っこさん、おはようございます!

      私は絵も画材についても知識がないのですが、透明水彩絵の具の魅力が描かれていて気になってしまいました。
      それで昨日、絵の具もインクも見てきたわけなんです。
      もちろん今の本命は"インク"です(^_-)-☆
      今日は休みで、またちょっと沼活しますゞ
      ブクログおすすめのインクの本(なんとカラーのインクが6本付いている!)と、つけペンhocoroというのがどうしても気になり、確認してきます。確認だけよ〜^^;
      2022/07/15
  • 学校に行けなくなった繭が、日曜日だけ開いているスケッチクラブの仲間と出会い、自分の道を見つけ出す物語。
    学校に行かなくちゃ、お母さんを元気にしてあげなくちゃ、笑わなくちゃ…わかっているけど、何も言えない、一歩も動けない。そんな繭の苦しい気持ちがよくわかる。
    スケッチクラブの仲間と出会い、少しずつ元気になっていく繭の様子に、
    自分の大切なものを見つけることは、そのためなら何でも頑張るぞ!という勇気と元気を与えてくれるんだなぁと思いました。
    高学年向け
    215ページ
    読み終わるのに1時間

  • ある日、突然理由もなく学校へ行けなくなった小学生の女の子が主人公。
    主人公の繭は、不思議な人物が集う画材屋「日曜日舎」で行われている、日曜日だけのスケッチクラブに参加することになる。
    学校へ行けないことにより起こる家族とのギクシャクした関係や、絵を描くことの楽しさが語られている物語。繭の母親の「……また、暗い顔」から始まる言葉に、心臓が抉られてしまい、一旦読むのを止めていたが、日曜日舎の面々と繭が楽しく絵を描く姿に救われて読了できた。挿絵のやさしい雰囲気も良い。

  • 2021.09.05

  • 19:学校に行けなくなってしまった主人公が不思議な場所に誘われ、そこでの経験によって一歩を踏み出すことが出来る……と書けばありきたりなのだけど、王道のストーリーを彩るちょっとした描写がふくよかで鮮やかで、物語に厚みと説得力を持たせているように感じました。
    誰だって、いつだって、生きることは不安で「慣れる」なんてことはない。それでも「好き」の火を絶やさずに。

  • ある日、家の近所に見慣れない矢印を見つけた繭。矢印をたどっていくと、そこは日曜日だけの不思議なアトリエだった。そこに集まってくる不思議な仲間たちと繭は一緒に絵を書く。大人であれば、途中でこの読物の構造に気がつくと思うけれど、それをさしひいてもよい話だと思う。
    学校に行けない繭が最後、自分自身の気持ちを両親に打ち明けられるようになるのも成長である。
    日向理恵子さんの児童書は、ファンタジーと温かさと現実がほどよくまざっていて大人の心も打つ。

  •  繭は、原因不明だが学校に行けなくなってしまい、両親に申し訳なく思っていた。
     ある日まっ赤な矢印を見つけた繭は、矢印をたどって1軒のお店にたどり着いた。そこには「日曜日舎」と書かれていた。

     店の中は、お人形が動いてしゃべったり、はく製のキツネが動いていたり、かなり不思議な世界になっていたが、他の人たちは普通に会話をしていた。みんなスケッチクラブのメンバーだという。
     そして繭も参加しないかと誘われ、入れてもらうことにした。

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著者プロフィール

1984年、兵庫県生まれ。児童文学作家、日本児童文学者協会員。「雨ふる本屋」シリーズなど児童書のジャンルで活躍する中、2018年に冒険ファンタジー『火狩りの王〈一〉 春ノ火』を刊行、同作は全5作のシリーズとなりのちにアニメ化するなど大きな話題となる。他の著書に「すすめ!図書くらぶ」シリーズ、『魔法の庭へ』『日曜日の王国』など多数。

「2023年 『ネバーブルーの伝説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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