逆境を越える「こころの技法」 (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768052

作品紹介・あらすじ

困難を乗り越え、満足する人生を送るためのヒントをアドバイス。50のシンプルな言葉から人生の岐路で必要な思想のエッセンスを学ぶ。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、人生の「逆境」を乗り越えるために必要な「心の姿勢」を変えるために、実践的な「こころの技法」を、「正対の技法」「解釈力の技法」「引き受けの技法」「内省日記の技法」「死生観の技法」などを、具体的に説明した書である。

    ■人生で起こること すべて良きこと

    人生において、「逆境」に直面したとき、「人生で起こること、すべて良きこと」と思い定めると必ず、道は拓ける
    人生において、「成功」は約束されていない、しかし、人生において「成長」は約束されている
    「逆境」とは自分の下の正を引き出してくれる素晴らしい「成長の機会」である
    何が起こったか それが、我々の人生を分けるのではない 起こったことを、どう「解釈」するか それが我々の人生を分ける
    この逆境が有ら得られたのは 大いなる何かが、自分を育てようとしているからだ

    「成功」や「勝利」で有頂天になっているときは、自分が見えなくなってしまう。そのため、その体験を冷静に振り返り、そこから学ぶことも、成長することもできなくなってしまう
    勝ちに不思議の勝ちはあり、負けに不思議の負けはない
    敗北した軍隊は、良く学ぶ

    ■エゴ

    エゴは捨てなくてもいい、また生じてくるから
    自分を守りたいという「小さなエゴ」だけではなく、さらに大きく成長したいという「大きなエゴ」をも持つ
    人間は自分に本当の自信がないと、謙虚になれない
    「厄介なエゴ」の動きを処する「こころの技法」はただ一つ、静かに見つめるです。
    「小さなエゴ」と「大きなエゴ」、日本語には、有りがたい、小我と、大我という言葉がある

    ■人間の本当の「強さ」とは

    「本当の強さ」とはなんでしょう それは「引き受け」ができるということです。本来、他人に直接の責任があることでも、自分の責任として引き受け、それを自分の成長に結びつけようとする心の姿勢のことです
    答えはすべて「自分」の中にある
    自分の生々しい感情や思いを、決して抑圧せず、ありのままに文章にして書く、それが「内省の日記」
    我々は、言葉にて語り得るものを語りつくしたとき、言葉にて語り得ぬものを、知ることがある
    自分を愛せないものは、他人を愛せない
    人は誰もが自らを癒す力をもっている
    「他者への嫌悪感」の本質は、「自己嫌悪」である。人は自分に似ているものに嫌悪感を抱く
    「好きになれない人」を好きになる技法とは何か それは、心の中で、ただ、「ありがとうございます」と祈る技法です。
    「心身一如」 人の心と身は別々のものではなく、本来一つであるということ

    ■「偶然の出来事」に「意味」を感じる

    人生で起こること、すべてに深い意味がある
    人生で出会う人、すべてに深い縁がある

    この人と出会ったことも、なにかの深い縁
    その縁にも、必ず、なにかの深い意味がある
    自分の成長にとって、必ず、深い意味がある

    いま 生きている それだけでありがたい

    もう命が長くないと聞いたとき、自分はすでに死んでいた 死ぬまで命があるにもかかわらず、自分はすでに死んでいた

    いまを生きよ! いまを生き切れ!

    人はいつ死ぬかわからない 誰にも、明日は、約束されていない

    「必死」と書いて、「必ず、死ぬ」と読む
    「使命」と書いて、「命を使う」と読む

    「使命感」とは「大いなる何かに導かれている」という感覚のこと

    ■死ぬ瞬間

    良寛禅師 裏を見せ 表を見せて 散る紅葉
    「死」とは「成長」の最後の段階である

    <結論>

    人生で起こること すべてに深い意味がある
    人生で出会う人 すべてに深い縁がある
    人生で起こること すべて良きこと

    目次

    はじめに
    「逆境」を超える「究極の言葉」とは何か
    なぜ、我々は、逆境に「正対」できないのか
    誰も大声では語らない「人生の真実」とは何か
    なぜ、日本人は「逆境」を尊いものと思うのか
    人生の分かれ道で、真に「運命」を分けるものは何か
    なぜ、「成功」や「勝利」のとき、我々は学べないのか
    なぜ、「自己嫌悪」の深い人間が成長するのか
    何が、出来事の「意味」の解釈を誤らせるのか
    なぜ、尊大に振る舞う人は、自信が無いのか
    なぜ、我々は「エゴ」を捨てるべきではないのか
    「厄介なエゴ」に処する「ただ一つの技法」とは何か
    人間の本当の「強さ」とは何か
    誰の中にもいる「静かで賢明な自分」とは何か
    なぜ、生々しい感情を書くと、深い思索が始まるのか
    なぜ、自己嫌悪のみの極みで、「自己肯定」の心が生まれるのか
    なぜ、「内省日記」が「カウンセリング」を超えるのか
    なぜ、他人に対して「嫌悪感」を感じてしまうのか
    「好きになれない人」を、好きになる技法とは何か
    なぜ、陰で「感謝」すると、心が強くなっていくのか
    どうすれば、「偶然の出来事」に「意味」を感じ取ることができるのか
    なぜ、その人との「縁」を見つめると人間関係が好転していくのか
    どうすれば、「静かで賢明な自分」が現れてくるのか
    なぜ、「感謝」は、すべてを癒すのか
    なぜ、「病」とは、「良き知らせ」なのか
    なぜ、「生死の体験」が、人間を大成させるのか
    なぜ、我々は、「いま」を生きていないのか
    なぜ、「今日が最後の一日」と思い定めると、才能が開花するのか
    なぜ、「死生観」を掴むと、「直感」が鋭くなるのか
    なぜ、「使命感」を持つと、出来事の「解釈」を過たないのか
    なぜ、肉親を失ってから、最も深い「対話」が始まるのか
    自分の人生の最期に、何がおこるのか
    謝辞

    ISBN:9784569768052
    出版社:PHP研究所
    判型:文庫
    ページ数:257ページ
    定価:700円(本体)
    発行年月日:2017年12月15日第1版第1刷

  • 仕事で本当に追い詰められた時に読んだ本。正面から向き合う勇気をくれた本。私にとってはありがたい本。

  • 『人生で起こること すべて良きこと』(2015年)の改題、加筆・修正版。
    宗教や精神世界の修行・修練というよりも、より実践的なテクニックとしての考え方や言葉、習慣が紹介されている。
    比較的簡潔な問答形式であり、ポイントが強調されているので、さくっと読めるし、理解しやすい。
    語られている技法は、どれも納得でき、参考にしたい。
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著者プロフィール

シンクタンク・ソフィアバンク代表

「2023年 『能力を磨く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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