【映画原作】嘘 (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569763163

作品紹介・あらすじ

少年と千紗子と認知症の父。嘘から始まった生活は新しい家族のかたちを育んでいくが、やがて破局の足音が……。感動&衝撃の家族小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「良い結果をもたらす嘘は、不幸をもたらす真実よりいい」これにつきる。
    千紗子は、ひどい虐待といじめを受けていた男の子を拾ってしまった。息子を亡くして前に進めていなかったことと、ひどい親の元に返せないことが、嘘の始まり。嘘を隠すためにまた嘘をつき、でもそれがホントの親子以上の絆になる。
    記憶を書き加えていく拓未と、記憶をどんどん失っていく孝蔵の対比。千紗子と拓未を見守る周りの人たちの優しさ。そしてなにより拓未の優しさと強さ。やっぱりな。

  • 認知症のお父さんの介護のために帰ってきた
    絵本作家の女性のお話
    事故にあった男の子を助けたがどうやら記憶喪失
    らしい
    そこで女性は・・・
    タイトルにあるように嘘によって築かれた幸せは
    いつまで続くのか?
    終盤の展開、そしてラスト・・・
    ちょっと読んでみてほしい
    2024年映画公開らしくそのタイミングで読んでみました

  • 血の繋がりとはなんだろう…本当の家族とは…。5歳の息子を亡くした千紗子は、認知症を発症した厳格な父の元に仕方なく行く、そこで親から虐待されて川から流されてきた記憶の無い少年を犯罪だと知りつつ、自分の子だといい暮らし始める。この手の物語は辛い結末になると不安のまま読んだが、最後は涙が止まらなかった。解説の『良い結果をもたらす嘘は不幸をもたらす真実よりいい』これが全て。読んで良かった本!

  • 許される嘘があるとしたら、これはそうなのかもしれない。
    最後はちょっとゾクッとした。
    生きるためには仕方ない嘘ということなのかも。
    描かれた出来事がいい悪いという点については難しいと思う。

  • 久しぶりにミステリ以外を読んだ。
    感動系が好きな人にはオススメ!

    かつて、厳格でソリの合わなかった父が認知症になり1ヶ月間だけ面倒を見ることになった千紗子。ひょんなことから記憶喪失の少年を拾い共に生活するようになる。

    すごい田舎の描写が秀逸で、行ってないのに空気感が伝わってくる。父の友人亀田がお医者さんで認知症について詳しい説明を入れてくれるので認知症患者の行動について学べる。娘と父親の確執や、虐待問題について取り上げられている。日常のちょっとしたイベントや些細な幸せを細かく表現しているので読むことでその幸せを感じることができる気がする。

    嘘、というタイトルは記憶喪失の少年に嘘の記憶を与えたことなのか、それとも父親に息子だと偽って教えたことなのか。不幸な真実より、優しい嘘の方がいいという解説にもあった言葉ある。嘘をつくなら死ぬまで貫き通して欲しいというのは私のエゴなのだろうか。

  • 訳あって認知症の父親を介護することになった女主人公。かつて事故で死なせてしまった息子と重なる年頃の記憶喪失の少年と出会い、暮らすことになるが…

    認知症を持つ家族の苦悩、虐待やいじめなど読んでいて苦しい場面がたくさん。

    ほっこりするシーンもあるけど、いつまで続くんだろう…と不安になりながらも没入感半端なかった。

  • 全体として好きなストーリー内容だった。
    そううまく行くかなと思うこともあったけど、素敵な展開だったし、なにより最後が一番こうあって欲しいと思う展開で気持ちよく読み終えることができた。

  • 映画化おめでとうございます!
    主演が杏さんと聞いてハマり役だなと思いました

    認知症の父と虐待された子供と暮らす過程での、主人公の感情の移り変わりの描写がとてもよかった

  • 八日目の蝉を始めに、このよくある設定をどう展開させていくのか?と思い読み続けた。母親の千紗子には感情移入できなかったものの子供のトラウマ、父の認知症と丁寧に描けており好感。この手の設定は最終的には子供の戸籍がないことから、どうハッピーエンドに落ち着かせるか?を展開させていくに尽きるので、そういった意味ではバランスの良い作品となっている。

  • 認知症と父、絵本作家の娘、記憶がない少年。

    3人が家族になっていくお話し。

    認知症の家族を介護するのが
    本当に大変なことを知っているし
    家族だけで抱え込もうとすると
    いつか共倒れしてしまう。

    施設に入れるまでのつもりで
    実家に戻った娘だけど
    同級生の飲酒運転に同乗した時に
    とある少年とぶつかってしまう。

    その少年は虐待を受けていて
    川に落ちた時に記憶を失っていた。

    最初は飲酒運転を隠すために始まった
    少年との暮らしだけど
    気がついたら少年との暮らしが
    息子の死から立ち直る助けになっていた。

    はじまりは許しがたい事故だったけど
    父親、娘、少年のことを考えたら
    これで良かったのかなぁ
    と思えちゃう関係性になっている。

    認知症、飲酒運転、虐待、記憶喪失。

    倫理観がとても難しいテーマだと思った。

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著者プロフィール

作家

「2016年 『猫のいる喫茶店の名言探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北國浩二の作品

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