20世紀とは何だったのか 西洋の没落とグローバリズム (PHP文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569763064

作品紹介・あらすじ

アメリカに代表される大衆化した現代社会――その本質と問題点に鋭い批判の目を向ける。京都大学の「現代文明論」講義・完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 凡そ10年前に発刊された本だが現在でも20世紀に思考を巡らせることは大切だが実感した!多くの難解な言葉が出て来るが現在はchat GPTがあるので多角的思考ができ、より深く考えることができる

  • 20世紀をヨーロッパの歴史とアメリカの歴史として考察していく内容

  • 読了。
    非常に平易な文章で書かれているのだが、そのテーマは広大で多くの示唆に富んでいる。
    ハイデガー、ニーチェ、ケインズの思想を用いて、現在我々が直面している社会的な問題、課題を分かり易く整理している。
    現代の生き難さ、息苦しさのようなものを、アメリカ文明の広域化、グローバリゼーション、ニヒリズムという文脈で上手く説明しているように思う。

  • 著者が京大で1、2回生を対象に行った一般教養科目の講義をまとめたもの。「西欧近代化を問い直す」の続編。平易な文章で分かりやすいのだが、「ニヒリズム」やその生まれた背景などはどうも腑に落ちないというか、しっくりこなかった。ニーチェやハイデガーが難解だからかもしれない。第7章(アメリカ文明の終着点)は特に面白かった。引き続き著者の「「アメリカニズム」の終焉」も読んでみたい。

  • 佐伯啓思のすごい所は、その簡潔さと分かりやすさだと思う。

    階級と権利による政治から、誰もが等しく参加できるようになった政治への移行。
    世界が大衆化することによって、失われてしまった価値があると説いている。
    マニフェストを掲げなければならなくなるほど、均質になった政党。それらが求めている普遍化された自由や民主主義は、反対に中身のない空虚なものとなってしまう。

    社会の方向性に価値を見出せなくなった人間は、今を消費することにばかり目が向いて、長い生を生きるためにせっせとお金を貯めてゆくことで安心する。

    本書を読む中で、ふと筆者が言いたいことを先回りして理解した部分がある。

    結局、私たちは今を便利に消費するあまり、ニヒリズム的状況に気付いていないのではないか。

    どのように生きるかを自分の内に見出すのではなく、自分の外に求める在り方。
    均質で、良質なサービスを求め、不当や理不尽に耐えられない顧客のそれと同じである。

    こうした手がかりを、ゆっくりゆっくり追っていくことは本当に面白い。

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著者プロフィール

経済学者、京都大学大学院教授

「2011年 『大澤真幸THINKING「O」第9号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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