王道の日本、覇道の中国、火道の米国

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569703190

作品紹介・あらすじ

ウイグル争乱!中国建国以来、最大の危機。オバマの正体!アメリカは覇権を中国に売る。大好評『日中の興亡』の行動篇。

感想・レビュー・書評

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  • 中国の悪口云々ではなく、客観的に中国のチベット弾圧は酷すぎる。そして、それを黙殺した日本の仏教界に偽善を感じる。

  • 今となっては古い本だが,どれだけ予測が当たっているか?
    かなり過激な本ではあるが,もっともな意見であり,知らなかった事実がたくさん書かれていた。
    サイバー関連のところは若干怪しいきがしないでもない。

    2013/05/03図書館から借用;05/11から読み始め;05/14読了

  • ・北方領土とはカムチャッカ半島のすぐ下、占守島(シュムシュ)から国後島までの千島列島すべてと、南樺太が含まれる。
    ※北・中千島、南樺太は領有権未定地である。

    ・北方領土を厳格に主張するのは、日本の為だけでなく、国際法を遵守することにより、世界に国際法を周知させ、国際秩序を安寧させる為にも不可欠である。

    ・千島列島は絶好の漁場であり、その全体はメタンハイドレードの宝庫である可能性が高い。これは竹島近海にも言える。

    ・日本は領土こそ広くはないが、海を考えれば、領海と排他的経済水域を合わせた「主権の及ぶ海」の広さでは世界6位である。
    さらに日本の海は深いので海の体積では世界4位である。

    ・よってエネルギーを買い漁らずとも、自国の領土、領海、EEZで自前のエネルギーを開発出来る。
    特にメタンハイドレードの埋葬量は世界最大規模であり、日本は世界有数の資源大国になりえる。

    ・中国はデモや集会の弾圧の規模を(他国に)小さく見せる為、兵士を警官に化けさせ軍を出動させていないよう装っている。

    ・人民抑圧軍のサイバー部隊は北京五輪の際、外国人が持ち込んだPCやPDA,携帯電話やモバイル情報端末へハッキングし大量にウィルスをばら撒いた。

    ・中国国内での多くの暴動は、‘漢人’が‘漢人’に対して起こしたもので、それを中国当局がウイグル人やチベット人など少数民族が起こしたものとして偽装し、海外へ喧伝している。

    ・2008年のグルジア紛争は、冷戦時代には決して無かった、米国とロシアの直接の軍事衝突を内包していた。
    そして、その緊張状態の実質的な勝者はロシアであった。

    ・その直後のリーマンショックにより米国は軍事的にも経済的にも完全にプレゼンスを失うことになる。
    今の世界は米という極を失ったカオスの状態である。しかも多くの国が核を持った状態の・・・

    ・対馬において「韓国人観光客により多大な経済効果がある」とされているが、その半数以上がアワビなどを乱獲して韓国で高値で売るプロの漁師や釣り師、あるいは日本で仕入れた物品を「自分で使うもの」と称して課税を免れて韓国で売りさばく人たちである。

    武士道の真髄は刀を抜かないことにあります。
    国民の一人一人がしっかりとしたインテリジェンスを持つことが、国家の最大の安全保障につながります。

  • 豊富な労働力、市場を背景にして中国は目覚しい発展を遂げているように報道されていますが、私は分裂の危機もあると思っています。その分裂の仕方なのですが7つ存在する軍管部に従うという意見もありますが、この本の著者である青山氏は民族毎(漢、チベット、ウィグル、モンゴル)に分かれるという考え方のようです。

    多くの経済指標において中国が日本を抜き去り、近い将来には米国をも抜いてスーパーパワーとなるのか、それとも分裂国家となるのか、今後の中国には目が離せないと思いました。

    また、オバマ大統領の勝因は色々あるとは思いますが、前回の大統領選比較で、4200万人も有権者が増えたという事実には驚きました。北方領土の解釈(p64)は恥ずかしながら、初めてその中身を認識しました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ 2004年の大統領選では有権者は1.42億人であったが、今回では1.84億人となった。増えた有権者の多数は貧しい黒人や若い人が多い。オバマ氏は全部で6600万票獲得したのでその増加分の寄与は大きい(p22)

    ・1989年は人類記念の年、1月に昭和天皇が崩御、2月にはソ連軍がアフガニスタンから撤退完了、6月に天安門事件、ポーランドで自由選挙、10月にハンガリーが共産主義放棄、11月にはベルリンの壁崩壊、チェコスロバキアの共産党政権崩壊、12月にはルーマニア共産党の独裁者の処刑があった(p29)

    ・巨石もテコを使えば一人で動かせることがあるように、資本の乏しい人間が他人の資本を使って、その資本を投機に用いて巨大な利益を得ることを”レバレッジ”という(p30)

    ・地球には10のブロック(米、中南米、中国、東南アジア、インド+南アジア、ロシア、中東、欧州連合、アフリカ、日本)があるが、メインプレーヤーはアメリカ、中国、日本である(p36)

    ・千島列島は、北千島・中千島・南千島に分けられ、国後と択捉は南千島にあたる、歯舞諸島及び色丹島は根室半島に続く島である(p55)

    ・ソ連軍が北方四島に侵攻してきたのは、8月15日後の8月28日である(p55)

    ・8月18日に「北千島の戦い」でソ連軍と日本は戦ったが、ソ連軍の死傷者は1500名を超え、第二次世界大戦で唯一この戦いにおいて、ソ連軍の死傷者が日本軍を上回った(p63)

    ・1951年に結んだサンフランシスコ講和条約で、南千島を除く千島列島を放棄した、従って南樺太と北・中千島は領土未確定と主張している(p64)

    ・千島列島はその全体が、メタン・ハイドレード(水和物)の宝庫である可能性が高い、これは天然ガスと同様のエネルギー源として使える(p66)

    ・今までとは質の異なる良質のメタンハイドレードが日本海の佐渡島の南に大量にあるのが発見された、南海トラフ(土佐、紀州沖)とは異なるタイプ(p70)

    ・韓国はアメリカに「韓国も戦勝国に加えてくれ」「竹島は韓国領と認めてくれ」と迫っているが、公文書により拒絶されている(p72)

    ・日本は領海と排他的経済水域を合わせた「主権の及ぶ海」の広さでは世界で6位である(p73)

    ・サンフランシスコ条約において、尖閣諸島と沖縄を含む南西諸島は日本領土であるが、当面はアメリカ施政下におくとされた(p75)

    ・エシュロンとは、アメリカやイギリスが世界のインターネットに網をはり、電子メールやFAXを読み取るシステム(p122)

  • 【図書館】
    日本人1人1人が行動を起こさなければいけない。



    作品の紹介
    2009年夏のウイグル反乱は、共産党の独裁強化と領土支配を狙う
    中国に対する決定的なカウンターパンチだった。世界は大きく動きつつある。
    日本国民はいまこそ、「領土と領海」を強く意識し、勇気ある一歩を踏み出す時である。
    すなわち樺太の南半分や千島列島、尖閣諸島、竹島、択捉島、国後島、
    色丹島、歯舞諸島という「日本固有の領土」を原状回復し、
    独立国としての条件を整えることが、覇権国から日本を守る唯一の道である。
    覇権への意志がすべての中国、己を火で焼き尽くすかのように問題を噴出させ、
    危機の道を歩みつづける米国に対し、日本は堂々と「王道」を歩むべきだ、と著者は記す。
    そう、何も恐れることはない。なりふり構わず我欲を追い求める米中を尻目に、
    ただ正しい道を歩むことにより、わが国に平和と繁栄、幸福がもたらされるだろう。
    「ゲンバ=現場」に直接向かい、真正面から上記の問題に取り組む著者の姿が、
    われらの道を照らしてくれる。

  • 青山繁晴氏の著を初めて読んだ。
    相変わらず、熱い。
    関西テレビの「アンカー」で初めて拝見して以来、注目している。
    思想信条は私のそれと近いが、私のように読書して形成された主義主張ではなく、現場にふれて形成された信念の持ち主であり行動者である。

    さて、タイトルで気になった「火道の米国」という言葉。
    2009年時点での氏の造語だが、現状全くその通りだと思う。
    アメリカは絶対的窮地においてバラク・オバマという初の黒人大統領を生み、自らを焼いた…かに見えたが、どうやら最近のオバマを見ていると、支持率回復を図るあまり、他者をも巻き込む火道に入ったようである。
    輸出倍増戦略の発表やAPECでの発言を見ると、どうも日本は巻き添えで焼かれそうだ。
    オバマは一見するとブッシュに比べて国際協調主義のように見えるが、実際は国内世論向けの得点稼ぎになる自国中心外交にシフトしつつある。
    TPPしかり、イラク撤退しかり。
    他国のこと、国際社会のことを考えているようで、実は自国のことしか興味のないアメリカになってしまった。
    戻ってしまった、と言うべきか。
    覇権国でいることのコストは想像以上に大きかったのだろう。
    兎も角、日本人はアメリカに対する認識を改める必要がある。

    さて、氏は「王道の日本」を説く。
    アメリカとも中国とも異なる第三極としての日本というと言い過ぎだろうか。
    3.11以後、私も少しずつだが「世界」と「日本」に目を向けるようになった。
    隣で着々と「覇道」を歩もうとする中国に対して、毅然と対応できる日本国にならなければ。

    増訂、加筆して新書にして欲しい一冊である。

  • 前半戦はまるでしゃべり口調。
    口述なのかな?
    にしても、ちゃんともの事を捉えていて実に面白い。
    時々テレビで見るような激情型な文章もあり、面白い。
    お勧めです。
    http://uchidashin1.blog117.fc2.com/blog-entry-48.html

  • 青山繁晴さんの講演を聞いて安全保障について興味を持ち購入した。

    オバマ・ドクトリンに象徴されるパクス・アメリカーナの終焉と中国の台頭など興味深く読んだ。驚いたのはロシアのグルジア侵攻に象徴される巧妙な外交、世界戦略だ。冷戦や社会主義の終焉を経ても、なおロシアは野心を失っていないのかと思った私は呑気っていうかアホだなって思った…。世界史でもヨーロッパあたりは幾度戦争して勝ち負けを繰り返してきたことか。完全に自分の中でリアリティを持てていなかった。

    歴史は直線的に進歩しているとは限らないし、日本にだってこれから戦争は起こり得る。島国であった日本は侵略戦争は数えるほどしかなく、徹底的な敗戦は60年前に一度だけだという事実は特異なのだと改めて思った。民主主義国家の国民としての地道な働きかけの結果が出るのは私たちがいなくなったあとかもしれないという最後の頁、「捨てましょう」という言葉にしんみりしつつ。

    青山繁晴さんはアツイ人だ。ついていきます!って言いたくなるけれど、盲目的になるのはまずい。自分なりに考え咀嚼する目を養いたいとも思う。

  • 青山 繁晴による現在の日本を中心とした、中国、アメリカの関係をわかりやすく解説されている書。
    多少感情に流されている部分も身請けらられるが、著者自身も常に語られているように、右寄りでも左寄りでもなく中道でわかりやすく語られている点はとても読みやすかった。
    本が発刊されたのは2009年だが、今現在も刻々と情勢は変化しているが、今後日本はどうなるのかと、気になる点の一部分は何と無くだが理解できたような気がした。

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著者プロフィール

青山繁晴(あおやま・しげはる)
神戸市生まれ。慶應義塾大学文学部中退、早稲田大学政治経済学部卒。共同通信記者、三菱総合研究所研究員、独立総合研究所代表取締役社長・兼・首席研究員を経て、現・参議院議員(二期目)。派閥を超えた新しい議員集団「護る会」(日本の尊厳と国益を護る会)代表。ほかに現職は、東京大学学生有志ゼミ講師(元非常勤講師)、近畿大学経済学部客員教授。作家。小説に「平成紀」(幻冬舎文庫)「わたしは灰猫」(小社刊)、ノンフィクションに「ぼくらの祖国」(小社刊)「きみの大逆転」(ワニブックス【PLUS】新書)など。

「2022年 『夜想交叉路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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