勝海舟の人生訓 新装版

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569699691

感想・レビュー・書評

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  • ・攘夷のトップは船に乗せ、大阪湾から陸の防護を見せ、贅沢合戦をしていた奥の院は庶民の場に遊ばせる。何を見せ、その人の世界を覆すか、その気にさせるか。

    ・京都、大阪の攘夷過激派の若者が幕府方(新撰組など)とぶつかり、人財が無為に失われるので一時攘夷の若者を北海道に移しのちに海軍に組み込もうとしていた。新撰組の池田屋襲撃がなければ幕府も志士側を承諾していた。

    ・凡人と非凡の差は、職責を超える仕事ができるか、できないか。また、求められたらそういう職責を超える仕事をやる勇気があるか、ないか。

    ・海舟が唯一師と公言した喜仙院(くじの祈祷師)。「女の目とすっぽんの目が屈託になってしまった。それは、恐らく、自分が人間の筋道を違えたからだ。」

  • 江戸城無血開城をした勝海舟という人間は非常に肝の座った人間であるなあと感心しました。

    また人を見る目が優れていて幕府などという小さなところから日本をみていなかったからこそ、大きなことを成し遂げられたんだなあと思います。

  • 勝海舟といえば、・徳川の御家人から、幕府の要人に出世し・家茂、慶喜に仕え・にもかかわらず、坂本龍馬の師匠・江戸城無血開城を行うなどにより、大政奉還成功の立役者・明治政府でも主要人物といったことで有名である。出世したのち、大恩ある家茂るから、慶喜、そして敵方である明治天皇に仕えたことで福沢諭吉らに「二君に仕えた」ことを批判されるものの「行いは自分のもの、評価は他人のもの」と受け流す様は、小義を捨てて大義を取る(徳川から明治政府へと転身した)大人物として、江戸後期の綺羅星のごとく輝く人材の中でも、一際異彩を放つ。一方、その徹底した合理主義は、ある種の冷たさを感じざるを得ない。 このような人物の生き様を説明、解説、解読したのが本書である。いつもと変わらない深遠な童門氏の視点は、勝を浮き彫りにし、彼のトータルとしては爽やかな人生を書きあげる。爽快さの残る一冊である。 勝の人生とはほぼ関係ないが、本書で家茂の妻である和宮の和歌が紹介されている。お土産を頼んだ家茂が、物言わぬ体となって土産とともに帰還した悲しさを詠んだものである。感動的ものなので備忘録として掲載する。
    うつせみの からおりごろも なにかせむ   あやもにしきも きみありてこそ

  • 当時の本当を知ることは出来ませんが、この本では、幕末において勝海舟ほど現実的だった人はいないと思いました。

  • 2010年は大河ドラマが坂本竜馬でブームですが、同時代に生きた大人物勝海舟さんのことを童門さんが書いてます。おもしろいです。

  • 『困ったときにだけ人に頼るな』

    たいてい人にものを頼むときは一生懸命熱をこめてお願いする

    なぜか?

    自分が思うことを実現してもらおうとするから

    がお願いしたことがうまくいくと、お礼も言わずに遠ざかる人が多い

    なぜか?

    頼って得たことで満足してしまうから

    勝海舟の言葉
    「人と付き合うのはお金がかかる。
    しかし、それが後でものをいい、助けてもらえることが多い。
    長い付き合いをかいて、その日のうちに自分が思うことを実現してもらおうとするから、ことの本質をとらえられないのである」

  • 子分が多いと、いつも自分の考え方をやり通すことができないので、子分に担ぎ上げられて身動きができなくなるのだ。 困ったときだけ人を訪ねるな

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著者プロフィール

歴史作家。東京都知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。退職後作家活動に専念。人間管理と組織の実学を歴史の中に再確認し、小説・ノンフィクションの分野に新境地を拓く。『上杉鷹山』『小説徳川吉宗』など著書は300冊を優に越える。

「2023年 『マジメと非マジメの間で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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