親が反対しても、子供はやる

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569696737

感想・レビュー・書評

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  • なんとなくタイトルにひかれて読んだ本。
    著者は、世界的経営コンサルタントの大前研一氏。

    大前氏の本は何冊も読んだが、特にこの本は家庭教育について大前氏の視点から鋭く切り込んだ良書だ。
    大前流教育論が炸裂している。
    驚くべきは、この内容が1996年(今から約15年も前!)に執筆されたということだ。

    そして、大前氏の主張は一貫している。
    ・(当時から)文科省の教育は完全に時代遅れだ。学校教育に子供をアウトソースしてはいけない。
    ・「答えのない時代」に子供と共に答えを探す親であれ。
    ・子供には好きなことを責任を持ってやらせ、親が古い教育の価値観から脱しなければいけない。

    また、
    家庭内での時間を重視し、安定した自分の支えになるような家庭を築くために、時間の投資をすることの大切さや、こどもの考えをじっくりと聞き、実行の勇気を後押しする親の気概の必要性を説く。
    どのみち親が反対しても、子供は好きなことをするのだから、と。

    作中254頁より
    「なぜマスコミや学校は、いじめや自殺という現象ばかりを追い、その現象となっている古い教育観、教育制度、そして、家庭観などの問題をもっと共通の社会問題として取り上げないのだろうか?
    なぜ新しい時代に合うように直していこうという話にならないのだろうか?
    なぜ全国の親たちが、あるいは子供たちが、現在の共通の悩みを作り出している元凶を取り除こうと立ち上がらないのだろう?」

    大前氏は現在、この疑問に自ら答えを出し、これまであった大学院に加えて2010年4月からインターネット上の大学(ビジネスブレークスルー大学)を開学する。
    この大学で学んだ人々がそう遠くない未来、世界標準の人材として活躍していくだろう。

    「教育者」大前氏のひとこと一言が身に染みる一冊である。

  • 子供の教育の本かと思ったら、その前に、生きたいように生きろ、という本だった。子供とどう向き合うかということも書かれているのだが(ほぼタイトルどおり)、それ以前に、親としてどう生きるかを説いている。

  • 大前氏の子育て本、同じ内容の3冊目。
    本ごとにまえがき、あとがきが異なるので買ってみた。
    多くの子育て本や著名人の子育て法に多く影響を与えていることが分かった。
    過去に読んだ本やブログで思い当たる節がいくつもある。

    大前氏、やはり凄い…。

  • 自分の子育ての参考になればとおもい、タイトルにひかれ、おもわずてにとってしまった。 内容は著者の実体験も元となっている。
    子どもは反対してもやる。そのとおりだとおもう。だから親は邪魔をしない。
    変わりゆく現代の中で親がするべきは、子どもがいかに考え、悩み、行動する勇気を持たせることができるか、なんですね。

  • 珍しく大前氏、子育てを語るの本。大前氏自身が幼い時から、大人の言うことに対して、イヤだと言い続けていた、との事で、なんかそもそも出発点が違っていて、参考にするのは難しいね。
    夫婦でしっかり会話をして、お互いの考えを理解する、と言うことは頭でわかってるけど、そう言う話になると、口論になり、言い負かされて不機嫌になるのが分かってるので、なかなかできないんだ。家庭が安定しないと、子供も安定しないよね。分かってるんだけど…

    子供の興味を伸ばす。一緒に過ごす時間を増やす。学校に期待しない。学歴に期待しない。人間としての強さと知識を一緒に学んでいきたい。

  • ほかのビジネス書の中にもちらほらとご家庭のことが書かれていたが、まさかこのような書物まで出版されていようとは!?ビジネス書では洞察力鋭く厳しいこともズバズバ書かれているが、このような家族を思う愛情に満ち満ちた心根を持たれている人間的な根幹に、私自身も魅力を感じてビジネス書の内容もスッと心に入って来るのだと、この本を読んではっきりと納得した。ますます大前さんの書物と人柄に惹かれて行きそう。私も子を持つ親ですが、実際にその立場になって自分自身が出来る出来ないは別として、子育てや家族や周りの人達や社会に対する考え方はほとんどシンクロ出来る。ただ、この考え方は最近大前さんの書物を読んで思うようになったわけではなく、私も小さい頃から思っていた考え方を上手く言葉にして言い表してくれている。そのことに感謝と尊敬の念が溢れてくる。図書館利用。

  • 旧来の学歴偏重社会では21世紀は生き残れない事は、その恩恵を受けてきた自分が一番身にしみて実感してる。
    大企業に入って出世街道というレールに乗れたごく一部を除いた大半のサラリーマンは、先の見えた自分の将来に失望している。
    それと合わせて、3.11以降の政府の対応の失望し、自分の子供の世代はもう少しましな社会にしてやりたいと思う。
    そんな事を最近感じながら、私個人としても今とても重要なのは教育であり、今の教育に必要なものは
    ・自分の力で考え抜く論理的思考
    ・子供が自ら学ぶ意欲を持てるようになる為の将来設計
    ・日本だけに留まらず、学びの場を世界に広げ、多様な価値観を理解する為の語学力(それが自分の価値観に合う働きの場を探す事にもなる)
    だと思っている。
    著者は、自分の息子たちの成長過程を振り返りながら自分の子育て論を展開しているが、全般的にとても共感できる内容であった。
    子供がどうしてその道に進みたいかをちゃんと聞き、納得できたなら後押しする、という姿勢は先述の私の教育論と照らし合わせてもかなり合致する点が多い。

  • ◆著者の波乱万丈な子育て経験談も交えた家族論。日本人から国籍と会社を除いたら何が残るか?会社の肩書きがなくなったら自分は何が出来るのか?と子育てをする親に問いを投げかける。

    ◇安定した自分の支えになるような家庭をつくるためには、時間の投資をしなければダメです。よく考えて時間を費やし、自分の理想と思う家庭をつくりあげる。それは自分の事業です

    ◇今の時代、子供が親に求めているのは、一緒に考えて悩んだり、いろいろなアイデアを出し合うなど、学びのプロセスをともに歩んでくれることだと思う

    ◇どのみち子供が自分で信じたことをやるのであれば、なぜそう思うのかをじっくり聞き、「多少のリスクや怪我を恐れるな」と、その勇気を後押しする。それと同時に、失敗したときのセーフティーネットを用意し、大怪我をしないようにしてあげればいい

    ◇知識に価値があるのではなく、それをどう使い、自分にとってどういう意味があるのかを考える癖をつけることこそが教育の中心である

    ◇家族に対する責任、自分自身に対する責任、社会に対する責任、それから勤めている以上は会社に対する責任、この四つの責任は常にイコールであり、どれがかけてもバランスの取れたいい社会人にはならないのではないでしょうか

    ◇すべての出発点は家庭である。家庭はいちばん基本的な単位ですし、つくりあげる個人の価値観がもっともはっきり反映してくるものだと思います。家庭がしっかりしていないのに、外に出て日本をよくしようとか、会社をよくしようとか、お客さんの会社をよくしてあげますなどということは、おそらくできないのではないかと私は思っています

  • 2010/06/26
    共感できる部分と出来ない部分がいろいろありました。
    夫婦は平等的なところは共感!
    たとえばhave a good timeならOKでしょってこととか。
    逆のほうはなにかある点を取り上げて世間一般が間違ってるような
    言い方が散見されたところです。

  • やけに字が大きくて驚いた。
    こどもとの時間を多くとることが大切。大学だけが全てじゃ無いし、勉強だけが全てじゃないので、子供がやりたいことが何で、それにどう向かっているかを見つめらるべき。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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