なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか 人間の出会いが生み出す「最高のアート」
- PHP研究所 (2007年7月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569692319
感想・レビュー・書評
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なぜ自分がマネージャーなどの管理職に魅力を感じたのか。
それは自分自身が成長するためだという若い頃の純粋な動機を思い出した。
このような自己啓発本に心を動かされたのは久しぶりだ。
管理職の心構えとして仕事中に何度も読み返したい内容だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
易しい言葉で語りかける著者。経営マネジメントを対象とした本だけれど、家庭などあらゆる人間関係に働きかける言葉で満たされている。
●マネジャーは「重荷」を自ら背負う。重荷とは、部下や社員の人生を預かること。部下や社員の生活や成長に責任をもつこと。自分が部下の人生を背負って決断を下す立場であると思えば、誰よりも深く考える。
●部下の成長を支えていくにはマネジャーが立派な人物である必要はない。問われるのは、マネジャー自身の成長への意欲。未熟な自分を知り、少しでも成長していきたいという願いが問われる。
●究極の楽天性を身につけること。それは「死生観」を定めること。これが難しい。
●ぎりぎりの瞬間には、部下は表面的な言葉や論理など聞いていない。上司がいかなる覚悟を持っているかを見ている。 -
・マネジャーの心の奥に潜む、無意識の「権力志向」や「操作主義」。それは、いまも、形を変えて職場に存在しています。
・部下や社員の「生活」に責任をもつだけではない。部下や社員の「成長」に責任を持つ。
・部下を「一人の人間として遇する」ということの意味。誰にも、大きな可能性がある。一人の人間として、素晴らしい成長の可能性がある。まず、無条件にそのことを信じる。
・例えば、マネジャーが、仕事において大きなトラブルに直面する。そのとき、自分の責任や評価に心が向かうと、心が萎えてくる。しかし、自分の部下の人生を預かっていることを思うと、力が湧いてくる。決して諦めず、粘り強くその問題の解決に取り組む力が生まれてくる。そして、どれほど難しい問題でも、それに挑戦する勇気が湧いてくる。
・「リズム感」の良さとは、実は、相手の心のリズムを感じ取ることができる力。そして、それに合わせたリズムで応えることができる。だから、心地良く感じる。
・電話の修行:電話を終えるとき、相手が誰であっても、心の中で、深く感謝する。廊下の修行:廊下を掃除してくれている人の横を通り過ぎる。そのとき、心の中で、その人に会釈をする。そして、心をこめて「ありがとうございます。」とつぶやく。
・劣等感とは、その存在に気がついているだけで、あまり悪い作用をしなくなる。
・なぜ、「人間学」を単なる「知識」として学ぶという落とし穴に陥ってしまうのか。我々の心のなかに、「現実との格闘をせずに、素晴らしい境涯に至りたい」そうした安易さと弱さがあるからです。
・上司、部下を知るに3年かかる。部下、上司を知るに3日で足りる。
・「あの人物の姿を反面教師として学ぼう。あの姿は、自分の中にも、ある。そのことを、あの人は、教えてくれたのだ」
・人との「出会い」に、深い意味を見出すマネージャー。それは、部下の人生にも、深い思いを持つ。そして、部下との関係が、密度の濃いものになる。
・「相性の悪い人」との出会いによって、その人物との心の摩擦や葛藤を通じて、我々は、成長できた。その摩擦や葛藤を通じて、心が鍛えられ、磨かれ、成長することができた。
・苦労や困難があるからこそ、成長できる。喜びがある。結びつける。
・経営の世界、マネジメントの世界。様々な苦労や困難がやってくる。しかし、何が起ころうとも、決して、命、取られるわけではない。そう腹を括れば、物事に対する覚悟が定まる。
・すべてを、自分自身の問題として「引き受ける」こと。そのとき、我々は、一人の人間として、大きく成長できる。
・自分の語ることを、深く信じていること。そのとき、「言霊」が生まれる。 -
マネージャーの心構えを説いた本。
具体的なノウハウの記載はあまりない。
手元に置いて再読したい。 -
なぜ、私はマネジメントなんて柄にもないことをやっているのだろうという方、この本の中にその答えがあります。この本は、文章というより、詩。理論というより、情緒に語りかける。実に心地よい文体で、気持ちよく読めます。すべての管理職の座右に。
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<備忘録メモ>
部下や社員の人生を預かる「覚悟」
成長の支え方に「正解」はない
「人間学」を学ぶ唯一の方法は「正対」「聞き届け」
他者を裁かない(「反面教師」の本当の意味) -
最近は、マネージャーになりたくない人も増えてきたと新聞
記事で読んだことがあります。それだけ、社員の方から、
管理職が魅力的に見えていない、ということなんでしょうね。
管理者の一人として反省。。。
「マネージャーの仕事って、人間関係で苦労しそうだし、
なんだか煩わしそう」「管理者は、どんな心構えを持たない
といけないのだろう」。そんな問いを考えるヒントを、
この本は与えてくれます。
マネージメントの道は深く長い。私も旅人の一人、失敗と
反省と迷いの日々です。でも、それらと対峙しながら、
同じ職場を一緒にする仲間との出会いに感謝し、一緒に
人間として成長を目指すことができたなら、と思います。 -
14冊目。
古本から拾ってきた、その2.
この人の本って異常に改行とスペースが多くて、
ハードカバーのわりに文章量が少ないんだよなぁ。
経営者やマネジャーが、部下や社員の人生を背負わねばならない。つまり、部下や社員の生活と成長に責任を持つということである。
力のあるマネジャーは指示を出すときに、相手の心のリズムを感じ取りそれに合わせたリズムで応えることができるため、心地よく感じられ、また、部下の心の動きを細やかに感じ取り、見事なさじ加減で言葉をつかいこなす。つまり、心の「リズム感」と「バランス感覚」が優れている。
営業は、お客様である相手の気持ちを汲み、相手の無言の声を聞く力を磨く「下座の行」である。
Management by Wandering Around =MBWA 場の雰囲気を感じ取る
人を褒めることが苦手なマネジャーは、表面意識では気が付いていないものの、奥底にある「自分は優秀ではない」というコンプレックスが刺激されてしまうために、無意識に人を褒めたくないと思っている。そういう人は、自分の心の中の劣等感を抑圧せず、認めることが必要である。
人間、本当の強さを身につけていないと、感謝ができない
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人間、感謝の行を続けていると、心が強くなってくる
裏も表もみることができるのが若いうちに積める人間学の学び
人生において、成功は約束されていないが、成長は約束されている
『毎日、会社で色々な問題にぶつかって苦労するときには、会社の方針に原因があると思ったり、周りの誰かに責任があると思って腹を立てたりするが、家に帰って一人で静かに考えていると、いつも「すべては自分に責任がある」という結論にたどり着く。』
「部下を褒めるのも命がけですよ」 -
本質が書かれている本。
「あぁー確かに」
ということばかりで、すっと心に入ってくる。
もう一度読む。