[現代語抄訳]言志四録

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569642581

作品紹介・あらすじ

日本という国に「志」高きサムライがいた時代から、指導者のバイブルとして読み継がれてきた、至高の書をわかりやすく現代語新訳。また編訳者により、さらにわかりやすい解説もつけている。本書には、真のリーダーを目指す人、大いなる志を立て、自分の運命を切り開き、世のため人のために尽くさんとする人への、人生の指針が刻み込まれている。著者・佐藤一斎は、江戸末期より明治維新の時期に活躍した志士たちに多大なる思想的影響を与えた人物であり、佐久間象山、中村正直、山田方谷、さらには西郷隆盛など、日本を動かした、名だたる英傑が感化された人物である。特に西郷においては、自身が島流しにあった不遇のときに本書にちりばめられた名言を座右の銘として、その中から101条を抜書きし、つねに諳んじた。自らの心の危機、さらには大きな壁にぶつかっている人には、その一言一言が、深く胸にしみ、明日への指針となることだろう。

感想・レビュー・書評

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  • ー少にして学べば、壮にして成すあり。壮にして学べば、老いて衰えず。老いて学べば、死して朽ちず。

    吉田松陰の師匠である佐久間象山、そのさらに師匠である佐藤一斎。西郷隆盛も座右の書とした『言志四録』。

    誤解されそうな言い方だが、しかし、ただの江戸時代の自己啓発本であった。これを身につけるには、文章を頭に入れるだけではなく、人生観、立ち振る舞い、反射神経、脊髄にまで染み込ませねばならず、経験と読書を照合するような代謝を経て、漸く意味を持つのだろう。

    誰がいつ言ったか、が極めて重要。言葉だけなら、現代にも溢れている。

    同じ美辞麗句、死に際に祖父の言う「正しく生きよ」と、守銭奴の自己啓発ビジネスで発せられる「正しく生きよ」は、テキスト以上の周辺情報が異なるから、全く価値が違うのだ。

    受け手の心理状態、人生の段階によっても異なる。
    心に響く言葉は、タイミングにより、咀嚼度合いが異なって代謝される。

    今の私には「志を立てて成功するには恥をかくことが肝心である」「事上磨練ー日常の仕事の中で自分を錬磨しろ」が響いた。

  • 佐藤一斉という素晴らしい方が残した、日本が誇る帝王学の書。

    西郷隆盛が愛読していたというこの本は、若きセールスパーソンから指導者まですべての人のために役立つ素養を習得するのに必読です。

    良きリーダーとはなんなのか。
    人格者とはなんなのか。

    江戸時代から今なお受け継がれる「武士の魂」がこもった作品。
    まさに日本人の必読書です。

  • 現代文で分かりやすくまとめられている。

  • 素晴らしいです!
    どの言葉も、しみます。
    いつか、全文を読みたいと思います。
    再読のたびに、新しい発見、気づく言葉があるのでしょうね。
    すごい本でした。

    第二四三条 血気には老少有りて、志気には老少無し。老人の学を講ずるには、当に益志気を励して、少壮の人に譲る可からざるべし。少壮の人は春秋富む。仮令今日学ばずとも、猶お来日の償う可き有る容し。老人には則ち真に来日無し。尤も当に今日まなばずして来日有りと謂うこと勿るべし。 ー 127ページ

    体力からほとばしる血気には青年と老年との違いはあるが、精神から発する志気には違いはない。だから老人が勉学に取り組むには、ますます志気を励まして、青年や壮年の人に負けてはならない。少壮の人たちの前途は春秋に富んでいる。たとえ今日学ばなくとも、取り返せるだけの歳月がある。だが、老人にはもう取り返すだけの明日はないのだ。今日学ばずして明日があるといってはいけない。 ー 127ページ

  • 全体を通しての感想
    いつの時代も普遍的なことがある。と感じた。時代毎の環境の違いや文化の違いはあれど、人との接し方、自分との向き合い方は変わらないんだと思う。「古臭いカビた本」かもしれないが、変わらないこともある。
    古文が苦手な人でも「現代語抄訳」されているのでとても読み易い。

    考えていること。
    迷っていること。
    壁にぶち当たっている人。
    人との接し方で悩んでいる人。
    は一度読んでみることをおススメします。

    リーダー指南書と紹介されているが、仕事や対する心構え、志の持ち方、日常の気付き、人との接し方など
    大事なことを言語化できると思う。


    “心理は是れ竪の工夫、博覧は是れ横の工夫、竪の工夫は則ち深入自得し、横の工夫は則ち浅易汎濫す。”

    内面的な心の修養は竪の工夫であり、外面的に博く書物を見てゆくのは、横の工夫である。
    竪の工夫は深く入って自得するに至るが、横の工夫は浅く安易でこぼれ出てしまうものである。

    浅く薄っぺらいものにならないよう気をつけていきたい。

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    武士道

  • 志を高く持つには
    己を律するには
    人の上に立つ者の心構えとは

    現代にも通じる自己修養・リーダー論。
    時に、耳に痛い内容も。

    詩的な表現の美しさや、ぱっと開いてどこからでも読める構成など、中国の「菜根譚」と共通するものがある。
    折に触れて読み返し、かつ学んだこと・気づいたことを実行に移したい。

  • 志を高く持つこと。それは、大金持ちになるとかそういったことではない。
    非常にありがたい内容でした。これからも読みたい内容ばかりでした。

  • 言志四録の入門としては、抜粋版とはいえ分かりやすく良いと思う。ただし超訳に近い著者の意見に賛同できない部分も多く、疑問の残る後味。ただし言志四録にさらなる興味が湧いたのは良かった。

  • この歳になってやっと?と言われそうだが、確かに30代、40代にこの本を読んでいればもう少し人生は変わったのかもしれない。
    まぁ、還暦を過ぎた今だから内容が素直に頭に入ってくるのかもしれないけど。

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著者プロフィール

朱子学・陽明学を消化し、 近世日本儒学に偉大な足跡を残し、 幕末維新の主な学者・思想家を育てた大儒。
【著書】
『言志四録』一斎の透徹した人生観を語り、処世上の指針を与える書。西郷隆盛の愛読書としてしられる。
『重職心得箇条』等の政教に関する心構えを説いた書
『愛日楼文詩』詩文集
『論語欄外書』等、中国古典の訳注書も多数ある。

「1990年 『佐藤一斎全集 1 政教論考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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