- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569626345
作品紹介・あらすじ
何のために働くのですか。給料や処遇ではなく、「目に見えない三つの報酬」を見つめていますか。深い共感を呼んだ『なぜ、働くのか』に続く書籍講話第2弾。
感想・レビュー・書評
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社会人三年目頃から、「何のために仕事をするのだろう。生活のため?それもあるが、それだけでは説明がつかない行動を自分自身がしている時も多い。公務員という身分を捨てるのはもったいない気持ちと、この職場にずっといたら大切なものを失ってしまう気がする。」と思い続け、悩んだ末に六年目で退職した。
その頃出会った本です。
これを読んで、自分の気持ちを説明してもらったような爽快感がありました。
今では、この思想は自分の中では当たり前のように感じながら仕事をしていますが、この本に出会えたからこそ仕事を楽しめるようになったんだと思います。
田坂広志さんの本はこの他にも数冊読みましたが、読みやすい!それでいて、私の人生に大きな影響を与えてくれました。感謝。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仕事の報酬とは仕事である。
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★「目に見えるもの」に目を奪われるな
仕事の報酬とは、お金だけではない。
「そんなキレイ事、言われなくたってわかってるよ」と思ったそこのあなた。もう1度自分に「本当にそうだろうか?」と聞いてみて欲しい。バイトを時給で選んでいないだろうか?就職や転職をする時、給料に目がいっていないだろうか?年収何億円という仕事をしている人のことを、無条件に「すごい」と思っていないだろうか?
多くの人が仕事の報酬は目に見える形だと思っているようだが、それは大きな誤解である。この本は、私達が忘れてしまった「仕事の本当の報酬とは何か」を教えてくれている。
仕事の報酬は3つある。
1つ目は「能力」。失敗を繰り返しながらも、何かが出来た時の成功体験は「腕を磨く喜び」になる。
2つ目は「仕事」。この場合の仕事とは、「作品」と同じ精神である。英語に「Good job!」という褒め言葉があるように、「良い仕事を残す喜び」というのがあるのだ。
3つ目は「成長」。これは「人間を高めることの喜び」であり、生涯失われることのない財産となる。
私にとって1番印象的だったのは、「能力」の話に使われた専門資格の例である。私も最近まで、「もうすぐ就活だし、何か資格を取らなきゃ」と思っていた。だが、資格は「知識」ではあっても「スキル」ではないと書かれてあり、さらに「単なる『専門知識』だけでは仕事になりません」と言われた。これは衝撃的な指摘だったが、とてもスッキリとした気分になった。
著者は最後に、「仕事そのもののなかに、大きな喜びがある」と言っている。つまり、仕事の真の報酬とは目に見えないものなのだ。
これは不思議な本である。文章が短くてまるで詩のように書いてあるのに、内容は思わず引き込まれるほど深い。本自体はサクッと読めたが、読んだ後しばらく余韻が残っていた。私は心のどこかで、仕事は生活を支える「手段」だと思っていたのだ。しかし、人が仕事を操るのではないし、仕事が人の人生を決めるわけでもない。この本を読んで、仕事と働く人の関係は双方向なのだと気付いた。これから社会人になって仕事をする時、「自分がその仕事を通じてどうなりたいのか」を考えるようにしようと思った。
もう働いている人だけでなく、これから働く人にも是非読んでもらいたい1冊である。なぜなら、どんな仕事であれ、どんな人であれ、仕事の報酬は働くあなた次第で、無限に得られるからだ。
(オススメ人:渡辺 恵津美) -
※2003.2.15購入@読書のすすめ
2007.9.9売却済み -
仕事の報酬とは、金や、地位、名誉なのだろうか。この問いかけに対して、著者は、真っ向からの正論でこれを否定する。著者曰く、第一の報酬とは、職業人としての能力向上である。私はプログラマーであるが、確かに「自分の能力が確実に向上したと実感できた」ときは天にも昇るような気持ちになれる。第二に、作品として完成させた自分の仕事である。バグがなく、エレガントなアーキテクチャを持つプログラムは、私の誇りであり、これも仕事の重要な報酬であろう。第三に、人間としての成長である。これに対しては、私には実感がないが(希望的に考えれば、成長途中なので実感がない?)、仕事により人間に磨きをかけることができれば、確かにこれもすばらしい報酬である。仕事に対するこのような心得を持つ気付きを与えてくれた著者に感謝する。すべての職業人へ、お勧めする。
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田坂氏の書籍で買ってみたが、読んだことがあるものだった。
狭き門より入れ。
今日も精進します。 -
◯最も高度な知的活動は、最も強靭な肉体に支えられる。そのことを、彼らは黙々と実践していた。(42p)
◯どうすれば、我々は、仲間との「共感」を生み出していけるのか。
「共感」することです。他の誰でもない、自らが、仲間に「共感」することです。(114p)
◯そして、そうした喜びこそが素晴らしい「報酬」(168p) -
収入や、地位は
目に見える報酬=結果として与えられるもの
能力、仕事、成長は
目に見えない報酬=自ら求めて得るべき報酬
働くことに喜びを感じる瞬間。
収入だけではない。
力をちけたな、という上司の一言。
ありがとう、という顧客の言葉。
助かった、という同僚。
目に見えないものばかり。
会社の中にある
心の生態系。
これが、壊れることもある。
心無い一言、不用意な言葉など。
特に、マネージャーの言葉や態度は
大きく起因する。 -
悪い本ではないが…個人的には、「仕事の報酬は仕事」と言い切った「仕事の思想」の方がより内容が重厚で好きだ。
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仕事において私たちは目に見えるものばかり(給与・地位)など追い求めてはいけない。
真に得るべきは「能力」「仕事」「成長」なのである。
簡単な文章の行間に著者の深い洞察がうかがえるよい本である。
1時間もあれば読めるところもよい。
仕事に悩んだときは繰り返し読むべき本である。