お寺はじめました

著者 :
  • 原書房
2.62
  • (0)
  • (0)
  • (9)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 45
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562054718

作品紹介・あらすじ

「自分で一からお寺を作りたい」。サラリーマン家庭の息子が日蓮宗のお坊さんになって、二十代でお寺を開いた。首都圏ベッドタウンのお寺需要の調査から始まって、街の中の架け橋となるお寺をめざし、若き住職は奮闘中!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『#お寺はじめました』

    ほぼ日書評 Day415

    最終版の一言、ご存知の方には有名な表現かもしれないが、かなり参った。不幸とは「感情」であり、幸せとは「意識」なのです。

    跡取りではなく、新たに寺を立ち上げ、新規に旦那を募るために、街頭に立ち、ティッシュを配る。

    借家やマンションの一室から始めることもある。ローンのあるうちは、宗教法人となるための「寺院」とは扱われない。

    葬儀社に雇われる「モグリ」の坊さんもいる。(筆者の)日蓮宗の僧衣をまといながら「南無阿弥陀仏」と唱える輩もいるのだとか。

    落語や講談も、ルーツは「法話」にあり、「説教」の最後に蝋燭の芯を打って消すから、僧侶が大トリを取ること転じて「真打ち」という。

    https://amzn.to/3oRxVfl

  • お寺はじめました

    渡邊源昇著
    2018年2月20日発行
    原書房


    お寺の息子ではなく、長崎の普通のサラリーマン(設計士)家庭に育った子が15歳で出家し、日蓮宗の僧侶になった。住職の資格を取り、大きなお寺に居るわけでもなく、住職のいなくなったどこかのお寺を継ぐわけでもなく、自分で“独立開業”を目指した。
    新しいお寺を一からつくるにはどうしたらいいか?日蓮宗に限らず、実は各宗派にはそうした制度があり、著者はそれを活用して夢を実現した。その軌跡とお寺をはじめてからの苦労が綴られている。最後の3分の1は、お坊さんの法話のような話。

    品川区のお寺で奉職していた時、「国内開教志願者募集」のパンフを見つける。開教師とは、その土地に拠点を確保して布教活動に専念する役割をする僧侶。以前は海外布教が主な目的だったが、日蓮宗では平成22年から国内開教制度ができた。選ばれると、一定期間、補助金が出る。著者は1次面接をパスし、2次面接へ。指定地域3ヵ所の内、埼玉県越谷市を選んで、交通量調査記録を調べ、交通アクセスの調査をし、人口や世帯数、平均年収や持ち家率なども調べ、マーケティング調査を行った上でプレゼンシートを作成してプレゼンテーションに臨んだ。
    国内開教師第二号に選ばれた。

    シャカの時代に寺はなく、出家した僧侶は野宿&托鉢で布教したが、インドには雨季があるため籠もって修行をする時期もあった。その場所がお寺の前身。
    著者は一戸建ての普通の家を借りてお寺を開こうとしたが、カルトではないかと怪しまれて見つけるのが難しい。結局は先輩僧侶の口ききで何とかなった。家賃14万円で、宗門からの補助金15万円内で収まった。

    リビングを本堂に、毎朝の水行はふんどし姿で駐車場で。一緒に水行をしたいという人が現れる。
    でも、お寺に人が来ない。サイトは開設しているが。チラシを近所にポスティング。怒られた。しかも、反応がない。駅前では受け取ってくれない。そこで、ティッシュに入れて配った。だんだんと人が来るように。

    日蓮宗の僧侶には階位が12段階ある。どの宗派でも資格がないと僧侶とは言えない。葬儀会社が手配する僧侶の中に無資格の人がいると問題になったことがあった。心配な場合は僧階証を見せてもらうべし。

    月命日はキリスト教への弾圧の名残り。江戸時代、キリスト教から本当に改宗しているか、檀家制度を利用して毎月、監視に行かせた。その暗い時代の名残りが月命日にお経を上げに行く習慣。

    僧侶のスピーチは「起承転結」ではなく、「五段論法」。①挨拶②端緒(たんちょ)③綱領④例証⑤結勧(けっかん)=信仰の勧め

    宗教法人格を取得するには実績が必要で、本堂も自前で所有していないといけない。土地を買い、やっと建設。宗教法人に向けて頑張っている段階。

  • お寺といっても宗教本という感じではないです
    ビジネス本のよう
    事業を立ち上げる感じですね
    信念を持ってすすめていくことに勇気をもらえます
    他の章ではお坊さんになるまでの事
    修行している心の動きがわかってよかったです

    ●お布施は、お坊さんに対するお礼の気持ちではなく
    ご先祖様や仏様に対する感謝の気持ち
    自分の命は自分で生み出したものではなく
    引き継がれたもの 命に感謝してお返しする
    ●児童相談室があったり病院に臨床仏教師がいたり
    社会とつながってきている

    実は自分のおじいさんは、お坊さんなんです
    生まれた時にはもういなかったけど
    この本を手に取ったのは、心の隅っこに思うことがあるのかな
    :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    この本を読んでから、お葬式に参列することになって
    行ってきました
    戒名を決めるとき故人の話を聞いたり
    説法の内容を決めたり
    そんなお坊さんの気持ちを近く感じました
    ・このお坊さんドラマチックなお経を読まれる方で
    オペラのようでした!
    宗派の違いだけじゃないような気がする
    お若い方だったから、ロックバンドとかされる方だったりして!QUEENのような盛大な(笑)
    なんちゃって妄想入ってしまいました

  • お寺を始めるって何?と思い読んでみた。サラリーマン家庭で育った著者は、15歳で出家し、日蓮宗のお坊さんになる。継ぐ寺のなかった著者は、国内開教師の資格試験を受験し、晴れて日蓮宗の国内開教師第二号となり、埼玉県でお寺を始めた。お寺といっても見た目は民家。ティッシュ配りをして宣伝をする。こんな生き方をしている人がいるんだ、と新鮮だった。日蓮宗の百日に渡る修行はあまりに過酷だった。12時就寝で2時起床って…。そりゃ気も狂う。

  • こんな風にお寺も建てられるのだと新鮮でした.強い気持ちで臨んでおられるので,きっと発展していくことでしょう.

  • 各宗派が都市での開教に取り組んでいるのが分かった。

全7件中 1 - 7件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アンデシュ・ハン...
矢部 太郎
ジェームス W....
辻村 深月
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×